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[映画感想Light]'ウルフズ Wolfs' dir. Jon Watts

ヤバいことをやらかしてしまった著名人が、極秘裏のうちにそれを揉み消そうとする時、登場するのがフィクサーだ。大都会でヤバい事件を揉み消し続けて数十年、裏社会界隈では知られた顔の初老の男ジャックは、今日もヤバい事件を起こした女性の尻拭いをするため呼び出された。何がヤバいって、その女性が拾った行きずりの若者が突然死んでしまったのだ。おまけに、同じ場所にもう1人の"フィクサー"を名乗る男が登場。本来なら、その存在自体知られてはならないフィクサーが鉢合わせしたのだから、ジャックの困惑と苛立ちは募っていく。その、名前も知らない小賢しいフィクサーは、ジャックの仕事を細かく邪魔してくれるわけだが、2人のフィクサーがなぜ同じ事案に呼び出されたのかが謎だった。しかも、死んだと思われていたガキが生きていたことが発覚。そしてジャックたちの前から逃走。ジャックの長い夜は、計算外のハプニング続きで最悪のものとなる。


監督: ジョン・ワッツ
出演: ジョージ・クルーニー(ジャック)
ブラッド・ピット(もう1人のフィクサー)
オースティン・エイブラムス(ガキ)


白状すると、あんまり期待してなかった作品(ごめんなさい、ブラッド&ジョージ)。アメリカでは、Apple TV+での配信に先立って劇場公開もされたが、日本では配信のみの公開となった。まあ、それでお察しということだ。

ストーリーが進むうちに、ジャック同様、さっぱり訳がわからんカオス状態からスリリングに点と線がつながっていく。何があっても絶対死なないガキが導く事情はミスリーディングかと思わせて実は…というところがミソ。最後の最後に全てのパズルのピースがはまり、大団円を迎えるという。しかしその快感は、歳を食っていい感じにくたびれた風情のブラッド・ピットとジョージ・クルーニーによる'明日に向かって撃て! Butch Cassidy and the Sundance Kid'へのオマージュという、ラストシーンのほろ苦い余韻に変わる。少なくとも私は好きな作品だった。

Apple Studiosによる製作、Apple TV+で配信。
Apple TV+で鑑賞。

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