こころと家に帰る|日記
先週の木曜、お義母さんより夫へLINE。
「入院していたお祖父ちゃんが面会可能になったので顔を見せに行って欲しい」
夫の祖父が住んでいるのは福岡。
急な遠出だけれど、すぐに行ったほうがいいと思ってその週の土日に弾丸で福岡へ行った。宿泊先も決めずに新幹線。
面会の話は夫の家族の時間なので割愛するけれども、行って良かったと思える時間だった。
生の命がすぐそこにあった。そして温かった。
夫がルーツを持つ家族たちは皆かっこいい。
博多でラーメンを食べて、これからどうするかの作戦会議。すぐに帰っても良かったけど、それだと1日に10時間移動ってちょっとキツイ。
夫が「広島で降りるっていうのはどう?」といい、帰路の途中である広島で1泊することに決めた。
今年の後悔今年のうちに。私は1度も広島に行ったことがなくて「行かねば」という義務感をずっと持っていた。夫はそれを知ってて途中下車を打診してくれたのだろう。
義務感の根源は「原爆ドームへ行ったことがないという後ろめたさ」と、「たまに夢に出てくる厳島神社への興味」の2つ。
到着したのは夜だったので、翌日に2箇所回る。縁もゆかりもない土地と思っていたけれど、心がいろんな感情でいっぱいになって来られて良かったと思う。
縁はあった。また行くだろう。
名古屋へ戻り、家の最寄駅に着くととてつもなくホッとしている自分に気づいた。
1泊2日空けていただけだったのに、長いこと家に帰っていなかった気がする。
夫も同じ気持ちらしく「なんでだろうね」と言うので「心が普段行かない場所に行ってたんだよ。身体の移動距離よりずっと遠いところへ行ってたからなんだと思う」と答えると「納得かも」とのこと。
自宅のドアを開けるといつもの景色。思わず「いい家〜〜!」と言ってしまう。
「いい家」は私たちの間で使われている独自ワードで、「ただいま」っていう意味を持つ。
42度で湯船が張られるのを待ちながら、しじみの味噌汁を啜る。夫はカップラーメンを。のどに熱い汁が落ちる。安心が満ちていく。
熱めのお風呂、張り詰めていた気持ちが溶けていく。じわー。お風呂上がりにはすっかりいつもの香り。
多めにジャブジャブと化粧水を使う。ホテルや新幹線で乾燥がちになっていた肌はスポンジみたいに吸うわ吸うわ。
柔らかなパジャマを着て、寝る前の温かいお茶を飲んでいたら夫がお香を炊いてくれた。私の好きな「月光のお茶」という香り。優しいな、ラブリーだな。
そしてぐっすり朝まで眠った。
大好きな家があるというのは幸せなことだと、出来ることなら変わらずに在り続けて欲しいとつくづく思う。