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【人生エッセイ 】手放す勇気: ヨガにさよならした日


「ヨガを始めた理由は何ですか?」
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と聞かれると、その理由は3つあって、

1️⃣姿勢改善
2️⃣集中力UP
3️⃣心の平穏   

実際の経験でも、これらのベネフィットは得られたし、調べてみてもそれぞれに科学的根拠もあるようで。

流派やポーズによって多少の違いはあれど
呼吸にフォーカスするので、
呼吸筋が働くことにより、肩周りや背骨、骨盤が整う☝️

それによって、自律神経系の働きが影響を受け、アクティブ系の交感神経によって集中力が高まったり、リラックスの系副交感神経によって心のざわつきを沈静化させることもできる。

更には呼吸を意識することで姿勢が良くなると脳のパフォーマンスだって上がる⤴️

山田知生氏の
📚「スタンフォード式 疲れない体」(サンマーク出版)

にはその説明が分かりやすくなされているし、

セロトニン研究者の有田秀穂氏の
📚「脳からストレスを消す技術」(サンマーク文庫)

には、呼吸というリズム運動が幸せ物質の”セロトニン”を生成しやすくする、とこれまた分かりやすく書かれていて、この2冊は何度も読見返した。

それくらい、ヨガを始めて呼吸を意識するようになって、私の姿勢や、集中力、そして心もニュートラルに保てるようになった。

だから、色んな人に伝えたくなって、ヨガスタジオに通い、更にはティーチャートレーニングを受け、そしてヨガスタジオで教えることに。

生徒さんの、

「スッキリした」
「肩こりが改善した」
「痩せたんです! 」

などという数々の声。

何より、「先生のレッスン好きです!」
なんて言われた時は、気になる子に告白されたみたいにテンションが上がった。

ヨガインストラクターになって良かった!
私まで幸せ!!
最高だ!!!

きっとこのままスタジオに残って、
私はいくつになっても教え続けるんだ!

なんて淡い夢を抱いて。

けど……私はヨガから離れることを選びました。

17歳の時に診断されたアレが復活
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それは、17歳の時に診断された腰痛症。

華のセブンティーンなのに、
私の腰、おばあちゃんじゃないか 
と、衝撃を受けたのを覚えています。

当時私は拒食症の改善中で、体重を増やしている最中だったこともあり、筋力がなくて、腰に負担がかかり過ぎていたようです。

ですが、体重が増え、標準体重に近づくにつれて腰痛症も改善されました。

やっぱり適切な体重は大事なんですよね。

だから、長く忘れていたんです、腰痛症のことを。

しかもヨガインストラクターになってからの私は、ブリッジ、弓のポーズ、コブラのポーズで足をおでこにつけたり、首に回したり、と背屈が得意だったので、無我夢中で色んなポーズに取り組んでいました。

そして、二人目を出産した後も練習ペースは変わらず、とうとう

グキッ

言わずもがな、腰痛症のお目見えです……

来たよ来たよ、買い手市場
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腰痛症だけならまだしも、ヨガから離れようと思った理由はもう一つありました。

ヨガインストラクターが飽和状態……

私がインストラクターになったのは2008年。
第三次ヨガブームが始まり出したころです。

肌感的には、需給バランスがとれていたと思います。

その頃スタジオで教える傍ら、スタジオ事務もしていた私は、Web サイトにワークショップ(WS)やティーチャートレーニング(TT)のPRを打ち込んでいました。

そして、年々、WSやTTの種類が増えて行っていることに気づきました。

その度に「インストラクター」と名乗れる人も多くなり、そして、ヨガの流派も比例して増えていきました。

自分のレッスンに来てくれていた生徒さんが先生になったり、なんていう光景もよく見かけるように。

当時の私は大人だけでなく、親子/キッズヨガも教えていたので、スタジオはもちろん、幼稚園、保育園、児童館、企業、お寺など、いろんなところに出向きヨガどっぷりの時間を過ごしていました。

忙しいけど、忙しことは充実している証拠。
みんなと同じことをしていては、人は来てくれない。

そんな思いが私の脳裏を掠めていました。

その後二人目を授かりましたが、妊娠9ヶ月の最終週まで働き、産後2ヶ月で復帰することに。

だって、
休むと生徒さんが離れちゃうんです。

世は完全にヨガ旋風が吹いていました。

休んでいる三ヶ月の間ですら、スタジオでも新しいインストラクターの先生が入ってきたり、新しいクラスが増えたり。

そして、
自分のヨガにも改変が必要じゃないか、
生徒さんが安全に楽しめるシークエンスを作り続けなきゃ、
親子ヨガも他とは差別化を図らなきゃ、

止まってはいられない!

なんて、変な強迫観念に陥ったんです。

そんな心に余裕がないままで、
子育てがうまくいくはずもなく、

睡眠の質も悪くなって、イライラも募って、集中力も落ちて、挙げ句の果てに腰痛症。

あれ、いつから好きなヨガが|タスク《・・・》になってしまったんだろう。

だんだんポーズを楽しめなくなり、
こんなに無理しながらするポーズに
なんの意味があるんだろうか、

でもヨガは人気商売だから、しんどくても生徒さんにはハッピーな姿を見せなきゃ、
休んではいられない。

いや、しんどくてもハッピーな姿を見せなきゃって、それって嘘の姿でしょ?ハッピー教かっ。

でも止まっていたら、どんどん抜かされていく……

そんな思いが交錯して、
手足が思うように動かなくなって(実際には動いていましたよ)

あぁ、ちょっと無理かも。。。

と、スタジオで教えてから、3年半が経った頃でした。

そして私は、生徒にもどる
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全てをゼロにしたくて、スタジオを辞めた私は、自分のペースでヨガができるよう、自宅で教えるようになりました。

でも、何かが不安定。

ただ自分に向き合ったヨガに戻りたかっただけなのに。

そんなこんなでヨガを続けていたんですが、腰は痛いままだったんです。

治療院に行こうか、でもヨガ以外で体の改善を試みるっていうのはちょっとて抵抗が……

こう書いていて思うのは、当時の私はヨガを盲信していましたね。

とは言え、ヨガだけで腰痛も治らず、子どもの脱臼治療でお世話になったことがある治療院へ向かいました。

痛みがある箇所をどうにかこうにかする
よくあるアプローチ・・・・・・・・・だろうなぁ、

なんて思っていたんですよ、最初は。

でもなんと😳

「急性的な外傷以外は、痛みの場所と痛みの原因が離れていることが多いですからね」

と教えていただき、先生と話しながら(問診的に)動きのクセを見つけてもらい、|身体全体の《・・・・・》バランス調整をしていただきました。

私の場合、日常的に首が左側には傾くクセがあったり、胸郭が上手く使えていなかったり、腰が原因じゃないのかぁ、と納得したんです。

なんですか、この治療法は?

BCトータルバランスシステムです」

それが今からおよそ10年前くらい。

さらに、その治療法を応用したBCエクササイズの教室にも参加。

呼吸法で横隔膜をコントロールし、
筋肉や関節の動きを重点において行う
キネティックトレーニングで、

力みをとる、繋げる、内側から縦に伸びる、
そんな不思議で面白くて、身体が変わる(私個人の感想)エクササイズ。

身体が内側から使えてる、キュッとなる!

そこからBCエクササイズのとりこになった私は、師匠の先生のところに通います。

そして、色んなエクササイズに挑戦しようとするのですが、

ヨガではこうだったああだった、が頭から離れない!

そこで、長年培ってきたヨガの感覚を手放すのが怖くなっている自分がいたことに気づいたのです。

ですが、師匠なる先生が、

「次のステップに行こうとする時、
今までやって来たことを壊さないといけない時があります」

とニコリ。

そうか、
手放すことは勇気ある選択だけど、
怖いことではない。
むしろ、自分が自分で勝手に決めているリミッターを外せってことか。

そして身体の中心に意識を向けて思うがままに動いてみたんですよね。

そうすると、

ああ、繋がってるってこういうことかぁ、

と、今までに無かった感覚に陥ったんです。

さらに、

「背屈とかできているように思っても、元々腰椎が反っているから|そう思えているだけ《・・・・・・・・》で、身体全体が力みなく正しく使われているかと言うとそうじゃないかもですね。
現に、しゃろんさんは腰を痛めているわけですから」

と、ニコリ。

そして、

「ポーズも「できた」と思ったらそこで終了です」

と、ニコリ。最後は安西先生が降ってきたようでした。

そして、BCエクササイズを続けていくうちに、

1️⃣姿勢改善 
2️⃣集中力UP
3️⃣心の平穏

もいつの間にかカムバック。

とにかくポーズの完成系を目指すのはやめました。

かと言って目指すものがないと、モチベーションが続かないのも事実。

だから代わりに理想を目指すようにしました。

プラトンのイデア論いわく、
理想に完璧な理想はない、のでね。

ヨガを手放してから10年が経ち、今は逆にヨガをすることがすごく楽しい。あの時の自分があるから今がある。

あの時の自分に言いたい。

大丈夫、手放す勇気こそ、
可能性が広がる扉だからと😏

今宵も最後まで読んでいただきまして
ありがとうございました。

しゃろん;

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