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借金返済と代償

前回はこちらから↓

悲しみも醒めぬまま、私は葬式を終え帰宅していた。
私にとってこの御祖母さんはあまり関わりの深い方ではなかったが、
人が亡くなるというのは悲しいものであり、虚しいものでもあった。

私はその悲しみの中でも仕事・お店の事が頭から離れず、
何度も携帯を確認していました。
何も連絡がないことも不安に感じていた私は翌日早めに家を出て
早めにお店に出社した。

いつも通りの現金チェックを行い、間違いがないことを確認したのち
三日間の売り上げ帳票・報告シートに目を通しました。

変わったことのない内容であったため、読み終えるのにそこまで時間を要すこともなく、いつもより一時間余らした状況で私は監視モニターを見つめながらふと思いふけっていました。

監視カメラに映る人影が見えるそれまで瞬きをしていたかわからないくらい
ボーっとしていたのをよく覚えています。
監視モニターに映った人影の正体はA氏でした。
なぜこんな早くに来たのだろう・・・と思いながらも現金が盗られていなかったことに安心していた私は、コーヒーを飲みながらA氏を待っていました。

「おはようございます~」といつも通りに挨拶をして、着替えを行い
他愛もない話を繰り出すA氏に少し気持ち悪さを感じましたが
私の事を気遣っての事だと深く考えることもありませんでした。

「返済の件なんですけど、もう少しだけ待ってもらえないですか?半分だけ先に返します。」と手渡してきた封筒。13枚の万札が入っていました。
大丈夫なのかと聞く私に「大丈夫です。何とかなりそうなんで。」と笑顔で答えたので私は財布にそれをしまい、金庫に保管しました。

一週間ほどたったある日、A氏は私の前でため息を幾度となくつき
どうしたのか聞いてほしそうな雰囲気だったので【どうせお金だろう】とたかをくくったまま、「何かあったのか」と尋ねました。

「実家の猫を病院に連れて行ったらしいのですが、思ったよりお金がかかってしまったそうで、生活費に手を付けてしまったそうで。お金貸してくれって・・・。」と。
私は「猫の病院ってそんなにかかるの?1.5万円くらいかかることはあったけど・・・。」
私は猫を若いころ飼っていたのでおおよその金額はわかっていたつもりでした。
「あ・・え・・・っと、たぶんそうなんですけど、飼っているのが弟でお金を払っているのも弟なんです。で、それを母に言って母もお金がないから私に言ってきている状況で。たぶん母親もお金貸してほしくって・・・」
とよくわからなくなったので、「いくらかしてほしいの?」と聞くと
にやりと笑い「五万円なんです」と口を開きました。

無理にはいいと言っていたましたが、ここで渡さないとまたお店のお金に手を出す可能性もあったので、5万円を手渡しました。
これがちょうど12月の中頃だったと思います。

それから程なくしてB氏が私ににやにやと笑いながら近づいてきました。
「A氏さん、また競馬してるみたいですよ。なんか今度の有馬記念に7万円ほど突っ込むそうで、買い目を見せてきましたよ(笑)」と私に密告。
私は少しイラっとしましたが、お金の使い道は個人の勝手。
私が貸したお金が例えそれに使われていたとしても、私には関係のない話だと認識していました。


「そうか・・・。馬鹿だねぇ」と笑ってごまかす私に、続けてB氏は
「過去にあの人車で事故を起こしたんですよ。その保険金が100万円くらい入ったそうなんですけど、2か月で使い切ったくらいギャンブル狂らしいですよ。実際、金欠になったら人に借り散らかして、事故起こして保険金で返したりしてるみたいですし。」とほんとどこから仕入れてくるのかと思うほど詳しく話してくれました。
「しかもそれ4年前くらいと2年前の12月ですよ。今年は大丈夫ですかね(笑)」と言われたので「あと少し頑張ってほしいね(笑)」と言いその場を後にしました。

結果として有馬記念は取りこぼし、私に返すお金も無くなっただろうと
私は思っていたので「無理に返さなくてもいいけど、遅れるときは遅れると言ってほしいな」と釘を刺しておきました。


数日後、もう年末と言っていい時期でしたが、A氏からお店に電話がありました。
事故を起こしてしまったと連絡が入り、私は少し笑ってしまいました。
本当にやるとは思っておらず、奇しくもB氏の予想は当たってしまいました。

A氏は大きなけが等もなく、翌日から仕事に復帰しておりましたが
保険の関係なのか病院に週三回行くと。
一時間程度なので、私はお店の暇な時間帯に行くことを許可しました。

年も明け、お正月気分も抜けてきたころ、A氏は私に17万円を手渡し
「これで全部ですよね?ありがとうございました。」と足早に去っていきました。借りる時は笑顔で返す時はこれか・・・どっかできいたセリフだなぁなんて思いながら受け取り、金庫に保管しました。

私はB氏に「去年は事故したね。お金も受けたのかな(笑)」と不謹慎ながら話しかけると
「99万円降りたみたいですよ!体の方はまだ入ってないそうなので、全部で130万くらいにはなるんじゃないですか?(笑)本人が言ってましたよ」とケラケラと話してくれました。
部下がそれを聞きつけて「僕は本人から聞いたんですが、毎日のようにパチンコ屋行ってるみたいですよ。ご飯も今まではお弁当だったのに最近は出前とかコンビニとか。お金持たしたらだめですね(笑)」とクスクス話に参加してきました。

事故を起こしてしまったのか、起こしたのか解らないにしても
お金を持つとここまで変貌するのかと私は少し興味もありました。

それから2か月後にはA氏が持っていたお金も底をついたようで再度私に借金の申し込みをしに来ましたが、私は「まずは自分の生活を見直せ」といったん貸すことを保留しました。

何にどれだけ使っていて、どこを削らなければいけないのかをしっかりと把握し、その生活に必要最低限しか貸さないと伝え
「ほかのスタッフに借りようとするなよ。貸さないわけではないからな。」と念を押しました。


この時何も言わずに貸していたら、また違った結末になったのでしょうか。
私は毎回思い出すたびに、それを思います。


つたない文章で読みにくいと思いますが、読んでいただいている方々
本当にありがとうございます!
もうすぐ100名の方に見ていただけるようで、
私も微力ながら、毎日の投稿を頑張ってみようかなと思います!

今がどれだけ辛くても、どん底でも。
真面目に頑張れば道は必ず開けます。
私もどん底を経験し、一気に挽回するために馬鹿もやりました。
結果うまくいかず、地べたを這う結果となりました。
そこから真面目にコツコツとできることをがむしゃらにやり、
謙虚な心と感謝の気持ちで這い上がりました。

今ではnoteへ投稿しながら毎日を楽しく過ごせる日々に感謝です。
それを支えてくれた家族と仲間には本当に頭が上がりません!
辛い気持ちのかた、あなたは一人じゃありません。
すぐそばにいなくても、私はあなたの味方です。
必ず助けになります。悩まずご連絡ください!

本当にお金に困っている方を救いたい。
金利の高い消費者金融やリボ払いなどに頼らず。
どこからも借りられないから闇金・個人融資掲示板などに相談せず。
まずは匿名で構いませんので、私にご相談ください。

きっとお力になれるはずです。
ご相談、お待ちしております。
mail: akae12250808@ymail.ne.jp

SHARMAN


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