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教育とは何かについて考えてみた話

私たちは秋田に帰ったら「教育コミュニティ」なるものを作りたいと考えている。

塾でもなければ学校でもなくて、なにか子どもの集まるラボのような雰囲気のなんとも言えない構想だから「教育コミュニティ」という表現なのだけど、2023年も始まったということで今回は「教育」というものについて、少しだけ私たちの思考を落としてみたい。

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教育とは「教え育む」こと

「教育」とは何か。

おしはぐくむ」と書いて教育きょういくな訳だが、あまり立ち止まってこの言葉について考えたことはなかった。

教えることは、正直誰にでもできることである。
英語でも歴史でも、プログラミングでも話術でも、誰でも何かかしらを教えることができる。授業でもいいし、本を通じてでもいいし、アドバイスのような形でサラッと教えるということもできる。こんな感じに考えてみると、教えるということは「何か新しい情報を誰かに伝える」ということなのかもしれない。

では、「おしはぐくむ」の「はぐくむ」についてはどうだろうか。

インターネットの辞書で引いてみると、以下のような意味が出てきた。

は‐ぐく・む【育む】
[動マ五(四)]《「羽 (は) 含 (くく) む」の意》
親鳥がひなを羽で包んで育てる。「ひなを―・む」
養い育てる。「大自然に―・まれる」
大事に守って発展させる。「二人の愛を―・む」

デジタル大辞泉/「育む」

「羽を含む」と書いて育むとあるように、雛と親鳥というニュアンスがあるようなのがおもしろい。いずれにせよ、誰かの手助けがありながら「成長する」「大きくなる」「発展する」といった意味なのが「育む」ということらしい。

そうなると、「教育」とは一見誰かに何かを教える営みのように思えるが、実はそれだけでは成り立たないことがわかる。誰かに何かを教え、何かかしらの成長が伴って、初めて「教育」ということができる。一般的な公教育においても「勉強」を教えて、「学力」を伸ばしている。その構図で学校では教育が成り立っており、それは塾や予備校などでも同じである。

誰が何を教え育むのか

では、問題は何を教え育むのかということである。

国語や算数のような学力の面では、すでに学校や塾、予備校等が子どもたちに教え育んでいる。現に、秋田県は日本でも学力がトップの都道府県であり、公教育や塾などが教育に貢献している部分は大変大きいと感じる。

正直、彼らの仕事ぶりに水を差す気は全くなくて、引き続きその素晴らしい仕事は続けていただきたい。それでは、私たちは子どもたちのどの部分を育むべきなのか。

その答えの一つが「好奇心」なのではないかと、私たちは考えている。

「好奇心」を育むということ

学校は好奇心を育んでいると言えるだろうか。
その質問に対する答えは、YesかNoかで言ったらどちらでもないだろう。
一応、学習指導要領で教えるべきことは一通り教えているし、先生たちの努力もあって、子どもたちはある程度楽しく学んでいると思う。その学びの中に子どもたちの好奇心をくすぐるものがたくさんあると思うし、一概に公教育を否定することはできないし、否定する気は毛頭ない。

だが、公教育や学校の難点を一つ挙げるとすれば、子どもがその好奇心や興味を深める機会やタイミングが少ないということだろう。

学校というのは、学びに関する一連の流れが既に決まっている。
1年間でやるべきことは決まっていて、それも結構な内容が詰まっている。だから、先生も子どもたちも常に進み続けなければならない。決まった期間内に決まった内容を教え、学び、次のステップに進まなければならない。それはそれで画一的で効率的な学びの提供方法なのろうけど、子どもたちが立ち止まって興味のある範囲の理解を深めたり、突き詰めて学んでいくことがなんとも難しいのだろうなと思う。

今の学校には、好奇心を突き詰めて育む余裕は、正直ないだろう。

だからこそ、私たち「Share × Knowledge」の出番である。
私たちは、子どもたちの好奇心を源泉とした学びの場を提供したいと考えている。

ある時代の歴史をもっと深めたいなら、掘り下げて学べばいいし、
英語を上手に話せるようになりたいのなら、たくさん練習すればいいし、
ある特定の生物の生態を知りたければ、研究してみたらいいし、

そんな感じで、子どもたちが学びたいことを自由に学べる環境を作りたい。

いつの日からか、子どもたちにとって「勉強=受験のため」の何かになってしまう。だが、私たちは本来の学びは楽しさで溢れているはず。
実際、私たちが大人になって「山」ということにのめり込んで日々たくさんの学びを得ているように、子どもたちも好奇心がくすぐられる何かから、たくさんの学びが得られるはずなのだ。

そんな好奇心を源泉とした学びが、子どもたちの主体的な学びであり、その経験が彼らの人生を豊かにするのだと思う。

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新年一発目のnoteということで、気合が入り過ぎてしまった。

だが、基本的な私たちのやりたいことの軸というのは、このnoteに詰まっているように感じる。もちろん、これからも教育に対する私たちの熱意や思い、そして日々考えたことは記していくつもりだ。いかにして子どもたちの好奇心を育むことができるかを、これからも考えていきたい。

2023年、いくらかでも前に進めるよう、頑張っていきたい。

2023.01.09
Share × Knowledge (けい)

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