礼儀正しい常連客?の小学生
弊店のお客さんの5割は小学生である。
常連客で言うと8割は小学生だろうか。
水を飲みに来るだけ、トイレを借りにくるだけを来客数に入れるのであれば、
9割は小学生になる。
水だけを飲みに来る子どもたちには、
実は3つほど条件を出している。
⚫️まずは、元気に挨拶をすること。
扉を開けて店に入って来る時に、
何も言わずに入って来る子には、
「こんにちは!」と私から言う。
大概の子は「こんにちは!」って言い返して来るが、
言い返して来ない子もいて、
3回くらい「こんにちは!」と私の方から言って、
言い返してもらうようにしている。
3回言うと、言い返して来ない子は流石にいないので、
「挨拶せえへん子には水やらん!」というセリフはまだ言ったことがない。
⚫️次に、「お水ちょうだい」と言うこと。
友だちから聞いて、
ここに来ると冷たくて美味しい水がタダで飲めることを知って、
初めてやってくる大概の子どもたちは、
「水!」か「おっちゃん水!」と言って来る。
そんな子どもたちには、
「水! じゃやらん。『お水ちょうだい』か『お水ください』って言わなやらん」と言い返す。
すると素直な子どもたちは、
「おっちゃん、お水ちょうだい」とか「お水ください」って言い直す。
そして子どもたちはやっとお水にありつける。
⚫️最後に、帰る時「お水ありがとう」と言うこと。
言わない子には次からあげないと言っているので、
みんな「お水ありがとう」と言って帰る。
ある日、大人のお客さんがいた時に、
学校帰りの小学生が水をもらいにやって来た。
暑い日だったので、次から次へとやって来る。
それを見ていた大人のお客さん、
「この子供たち、一旦家に帰ったら、
駄菓子とか買いに店に来てくれるん?」
「いやあ、ほとんどの子は来ませんね。
後で来る子たちは、『後で宿題しに来るわ』とか言って帰るから、今日の子たちは言わないから来ませんね」
「えっ!? ほんならこれみんなタダ、というかサービス?」と驚く。
そしてそんな子どもたちが、
飲み干したグラスを私に返しに来て、
「お水、ありがとうございました!」
と元気な声で言ってくれる。
先ほどの大人のお客さん、
「うわっ! めっちゃ礼儀正しい子どもたちやなあ」
と再度驚かれる。
「そうなんですよ。錦浦小学校の生徒たちは礼儀正しいんですよ」
と、何故か子どもたちが褒められると自分も嬉しくなっていることに気がついた。
⚫️ついでにもう一つ、ドアを閉めて帰ること
暑い夏、クーラーを効かせている店内。
水を飲みに来た子ども達が帰る時、
大半の子がドアを開けっ放しで帰る。
「ドア閉めて帰れよ! 車に気をつけてな!」
をしょっちゅう言っていた。
その甲斐あって、ドアは閉めてくれるようになった。
子どもたちはえらい。
最近は涼しくなったので、
店内のクーラーをつけないで、
ドアを半開きにすることが増えた。
そして学校帰りに水を飲みに来る小学生も減って来た。
減って来たら減って来たで、
なんだかんだと寂しくなるのだが、
ある現象が増えて来たのである。
下校時の時間帯、
半開きにしていたドアが閉まるのである。
そう、子どもたちが閉めて行くのである。
空いているドアを閉めて帰るだけ。
その度に、私はドアを開けるのだが。
なんでだ?と思っていたら、
店に近寄って来る下校時の子どもたちの声が聞こえた。
「あっ! ドアが開いてる。閉めなあかんのに!」
と言って閉めに来るのだ。
そっか、あの効果か。
「ドア閉めて帰れよ! 車に気をつけてな!」
としょうっちゅう言っていた効果だった。
こんな子どもたちが増えたら、
世界から戦争なんて無くなるのになあって思った。
(らおばん)