あなたの人生も変わるかも?私の人生を変えた本たち
「最近、なんかうまくいかない」
「もうちょっと良い方法がありそうなのに、アイデアが浮かばない」
「人間関係に行き詰まってどっか行きたい!」
日々を過ごしていると、なんとなくモヤっとする瞬間、あると思います。
そんなあなたにおすすめするのが、読書です。
洒落のメンバーは、ときどき読んだ本を紹介し合う時間を設け、異なる職種のメンバー同士で新しい価値観に積極的に出会う努力をしています。
話題の新書に限らず、自分の人生に影響を与えた一冊、価値観の形成に役立つ一冊、大事に何度も読んでいる一冊など、「どんな本を読んでいる」かでその人の「人となり」がわかるような気がします。
今回は、数多くの本との出会いの中で、洒落の代表が「人生を大きく変えた」と思える5冊をご紹介したいと思います。
1冊目:ボッコちゃん(星新一 著)
ショートショートの神様、星新一の作品集です。
敬愛の念を込めて星先生と呼ばせていただきます。
この本に出会ったのは、小学生の頃。
親の書斎の本棚に置いてあったのを発見し、読み始めたのがきっかけです。
「ショートショート」という小説の形態を初めて知り、無駄な描写が削ぎ落とされたシンプルな構成と、話の転換の技巧に度肝を抜かれ、寝るのも忘れて読み漁りました。
代表作とも言える「ボッコちゃん」のほか、「肩の上の秘書」「午後の恐竜」など、すべての作品に思い入れがあります。
今、「タイパ」を重視する若者が増えていますが、私の当時の価値観としては「ドラマを次回まで待ってる暇はなくて、早く結末が知りたい」「描写はいらん、展開を知りたい」「それには星先生の作品が最適解」であり、それってもしかすると現代にも通ずるのかも?と思います。
ただ、1.5倍速で見る動画と違い、大きな世界の壮大な展開の話を短い文言に詰めている星先生の文書の技術には、心から驚かされ尊敬しています。
星先生の作品は「文系の発明」だと思っており、その思考回路を理解し少しでも追いつきたくて、新潮社の担当編集者のインタビュー記事を読んだり、メモに刻まれたアイデアの片隅に思いを馳せたり、今考えると「推し」活動をしていました。
星新一の作品は、時代を超えて愛されています。
当たり前だと思っている日常に疑問を持ち、普遍的なモノゴトでも視点を変えて見たときに大きな違和感を覚える"感覚”を大事にすること。そしてその「個人的な大発見」を皮肉も込めて物語化するオモシロさ、普遍的なモノゴトこそ時代の変化に左右されず人の心を動かせるんだ、ということを教えてもらいました。
2冊目:増量・誰も知らない名言集(リリー・フランキー 著)
とにかく毎日遊んでいた大学生の頃、「寝る時間がもったいない。眠気を吸い取るマシンを開発したい」と本気で思っていました。
起きている間に一人でも多くの人に会って、なんか影響与え合いたい!
そんな当時の自分のバイブルのような一冊です。
この本をバイブルにする人は、おそらく少ないと思います。
リリー・フランキーさんは、俳優であり文筆家であり画家であり、マルチな才能で多方面で活躍されている方です。とにかくよくわからないけど「クリエイティブな人」というイメージがあり、大学生時代の私にとっては「サブカルの神」のような存在でした。
そんなリリー・フランキーさんのまわりには、やはり変わった方が集まってくるようで。
変わり種エピソードとともに紹介される「名言」は、人生で行き詰まった時に読み返したい一冊です。
ちなみに、私の母親の名言は、
「死にゃーせん!」(些細なことで大騒ぎする私に向けた一言)
3冊目:砂漠(伊坂幸太郎 著)
2000年代半ば、私が地方の大学を卒業するとき、バイト先の先輩が餞別にと渡してくれた一冊。
その先輩は、「地元に残っても良いけど、一度東京で経験を積んで、戻ってきた方が良いんじゃないか。地元もそっちの方が嬉しい」と言って、進路を一緒に考えてくれた、自分の人生の方向性を決めたキーパーソン。
完全モラトリアムで過ごした大学4年間が終わり、東京に向かうためにみんなに別れを告げるとき、渡してくれたハードカバーの本の重みが忘れられません。
東京に向かう飛行機の中で読んで、なぜかとても泣けてきて、これから頑張ろう、と思った心に誓ったあの日のことが蘇ります。
4冊目:冒険の書 AI時代のアンラーニング(孫泰蔵 著)
もはや生成AIが仕事になくてはならない存在になっている私にとって、「AIは脅威」と感じるフェーズは通り過ぎていますが、この本が出版された昨年2月ごろは、迷いに満ち溢れていました。
「AIができる仕事をして何か意味あるの?」
「人間の、自分の“価値”ってなに?」
プライベートでは小さな子どもも育てている中で、社会で大事にすべき倫理観や価値観も変わっていく感覚がありました。
洒落のメンバーに紹介されたこの一冊をきっかけに「こどものインターンシップ」という事業も立ち上げました。
詰め込み型の教育やルーティンワークはなくなってほしいと切に願いますが、恋愛や結婚がオワコン化している風潮には危機感を覚えており、AI時代だからこその"人間らしさ”は人間ゆえの「バグ」(好きという感情、感覚で物事を決めること)にあるのかもな、というのが現時点での私の感想です。
5冊目:数学ガール(結城浩 著)
エンジニアとよく絡んでいた時代に、オススメされた一冊。
高校で数学を離脱した私には難解な内容でしたが、理系学生の日常とエンジニアの人たちの視点がこの本を通じて分かったような気がします。
物語に出てくる登場人物たちは、数学で青春を楽しんでいる様子に「本当はこういう世界線で過ごしたかったな」と感じさせられます。
あらゆる物事を数学で捉えて、共通言語は数字であって、数式で課題を解決していく。そんな高校時代、羨ましいな。
数学を通して世界を見る面白さ、美しさに改めて気づかされました。
おまけ:病まないプロマネ術(豊田昌代 著)※宣伝
ここまでの本に影響を受けながら生きてきた、私が書いた一冊です!
あなたにとって、人生を変えた一冊はありますか?
ぜひ、教えてください!