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11月に行ったライブ(go!go!vanillas/ハンブレッダーズ/NYAI×ハチマライザー)

11.13 go!go!vanillas 「ROAD TO AMAZING BUDOKAN TOUR 2020」@福岡サンパレス

初の武道館ライブへ向けた3か所ホールツアーの福岡公演。今年夏に大阪城ホールのイベントのトリで観たバニラズがとても良くて今回のツアーにも行くことに。節目としての武道館のため士気を高めるような、なおかつ久々のライブを謳歌するかのような幅広くセレクトされた豪華なセットリストだ。

デビュー当初は英国仕込みのロックンロールバンドであったが持ち弾の種類は歳を重ねるごとに増えていき、結果としてホールにぴったりなスケール感のある楽曲も多く手にしたバニラズ。個人的に、「これはただものじゃないぞ」と思うきっかけになった軽やかなポップチューン「バイバイカラー」を聴けたり、近年追求しているHipHopライクなビートソングの最新型「TTNoW」(歌詞はシンプルにサウナ愛の曲である)も中盤のハイライトになったり、どの部分もバニラズの強みだと自覚しているような90分だった。

この日のトピックスとしては、新作EP「鏡」からメンバーそれぞれが作詞作曲ボーカルを担当した楽曲の披露だろう。長谷川プリティ敬祐(Ba)の「バームクーヘン」は炎の柱の演出とともにシャウトが爆発する激しいパンクロック。ジェットセイヤ(Dr)の「JETT ROCK SCHOOL」ではパートチェンジを行い、セイヤはギターボーカルに。中1の時に作った単純明快すぎるロックチューンと彼の無茶苦茶なギタープレイには笑いもこぼれるが、バンドの原風景のような瑞々しさに満ちていた。元々ソングライターでもあった柳沢進太郎(Gt)はドラマチックなバラード「イノセンス」。バニラズはスローな曲が少なく、彼の楽曲が更にバニラズの幅を広げていく予感がしてならない。

「Hey My Bro.」前のMCではありありとコロナ禍でのバンドの苦悩が語られているが覚悟は決まっているように思う。武道館を満員キャパで行えない悔しさも抱きしめ、バニラズは次へと向かうのだろう。6年観てきて分かるけど、意外と泥臭くてかっこよいバンドだ。ちょっとやそっとじゃ折れない。

<setlist>
SE:We are go!
1.アメイジングレース
2.マジック
3.ヒンキーディンキーパーティークルー
4.チェンジユアワールド
5.バイリンガール
6.バームクーヘン
7.JETT ROCK SCHOOL
8.バイバイカラー
9.イノセンス
10.パラノーマルワンダーワールド
11.TTNoW
12.鏡
13.カウンターアクション
14.No.999
15.エマ
16.平成ペイン
17.Hey My Bro.


11.22 「ハンブレッダーズの”ライブハウスで”見るラジオ」@福岡BEAT STATION(第1部)

ハンブレッダーズ、メジャーデビュー後初の全国ツアーはアコースティックセット&トークイベントという形式。この半年で敬遠される場所となってしまったライブハウスでの再会を誓う「ライブハウスで会おうぜ」を1曲目に置くなんて、完璧だ。完全な形ではないが、fromライブハウスなバンドでこれを歌うことに大きな意味がある。ロカビリーな風味もある「ユアペース」を軽やかに奏で終えて、見るラジオと題したトークパートへと移行していく。

声を大きく出せないとなると観客のリアクションがどうしても少なくなってしまうので最初は心配だったがどんどんお喋りだけで乗せていって流石だった。なんかもっと聞きたかった、って思うほどに面白かったし、メンバーそれぞれの人柄もよく知れた。次に観るのが楽しみ。福岡にちなんだ話が多かったけど、あんまり伝わってなかったのも面白かった。店が多いからね!でもBEAT STATIONの隣のうどん屋は確かにおいしい。バンドマン用の立地だ。

30分ほどのトークを終え、再びライブに。ムツムロアキラ(Vo/Gt)がアコギを、でらし(Ba)がアコースティックベースを、木島(Dr)がカホンという形態もツアーも折り返し故に馴染みつつある。「DAY DREAM BEAT」のようなアッパーな曲も力強いバラードへと変化し、言葉がくっきり届く。この日、何度もムツムロは「次回はバンドセットで」と語っていた。この11月は沢山のバンドが、バンドを続けていく決意を新たにする場面に多く出くわしたなぁ。

<setlist>
1.ライブハウスで会おうぜ
2.ユアペース
~見るラジオ~
3.口笛を吹くように
4.DAY DREAM BEAT
5.大掃除の後
-encore-
6.RADIO GIRL


11.22 NYAI 3rdフルアルバム『Head of triangle』リリースパーティー@秘密(GUEST:ハチマライザー)

大名にできた新ライブハウス秘密。この会場を運営するLD&Kに所属する福岡バンドシーンの筆頭格・NYAIの3rdアルバムリリースを記念したライブ。

1番手は対バン相手のハチマライザー。去年の6月に観て以来2度目。持ち時間と共に曲数も増え、まだまだ伸びしろしかないバンドだなぁと思った。フォーキーで暖かいメロディの曲が多いが、シンセベースとキーボードとピアニカの音が混在してるからその混ざり合いによって不思議な聴き心地を生むバンドだ。あとドラマーがすごくパワフルで見入ってしまう。マイペースに活動しているようだけど、是非とも楽曲をまとめたブツの制作を願いたい。

この日の主役NYAIは新アルバム全曲を披露。荒削りなサウンドはそのままに、よりポップで多彩な楽曲を詰め込んだ意欲作だったが本人たちのライブ上の佇まいはなんら変わりない。1曲終わるごとにTK(Vo/Gt)は「ありがとうございまーす」とさっきまでの熱を無効化するような挨拶を挟んでこちらを脱力。演奏は時にかなり攻撃的になるのだが喋り出すとすぐさまゆるい雰囲気に戻る、この揺れが実に心地良いのだ。きっともっと売れるはずだけど、この感じを保ちつつLOGOSとかZeppでもやってほしいものだ。


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