11月に観たアイドル(眉村ちあき/私立恵比寿中学/lyrical school)
11.2 14:00- 眉村ちあき Special LIVE@九州産業大学・香椎祭2019
「1時間あれば何でもできるぜー!」と序盤で宣言していたけど、本当に使えるスペースは使える限り使う、全身全霊のライブであった。九産大はかなり広い敷地面積があり、ちちゃんの出演するステージもかなり広大な観客スペースを有していて。前方に集った濃いオタクたちの数は正直それほど多くはなかったのだけど、3曲目の時点で当然のようにステージから降り少し後ろでちらりと様子を見ている人たちにも自ら接近して距離を縮めていた。初見に対しても圧倒的なコミュニケーションモンスターっぷりに、僕もやられたんだよなぁ、、と今年の3月に初めて観たフリーライブを思い出した。
「スクワットぶんぶん」くらいから徐々に観客の運動量も増え始めて笑ってしまう。「I was born in Australia」では、「私がいるところがステージだ!」と何気なく名台詞を言い放ってから、ステージ後方に広がる坂道階段を駆け上がりそれにオタクたちが追随するよう命じる。今日はなんだかアガッていたので、うっかりついていってしまいヘトヘトになってしまった。最後の「奇跡・神の子・天才犬!」では、オタクたちに背臥位で運ばれながらの歌唱。この運び係にも今回は参加してしまった。後頭部付近を支えていた。なかなか少数での運搬だったので責任重大だったよ!成人女性を運び、走って動き回るとこんなに疲れるんだな、、と、膝も笑いながら終了した。
パフォーマンス面ばかり語ってしまったけれど、続々生まれている新曲たちも素晴らしかった。自身のできなさをPUNPEE「タイムマシーンに乗って」のようなメロウなトラックに乗せた「DEKI☆NAI」はビート構築も滑らかでグッドソングだった。あと、初めて聴けた「お天気お姉さん」がすごく良かったな。JDウケなおしゃれラップを皮肉ったような曲なんだけど、クオリティは抜群だし、晴天にぴったりで正面から感動しちゃった。キメの押韻が<Septenmberかのようにご飯 いっぱいたべるちちゃん>なのバリ可愛い。
11.2 17:00- 私立恵比寿中学ようこそ秋冬ホールツアー2019〜世界のみなさんおめでとうアイドルって楽しい〜 @福岡市民会館 大ホール
私立恵比寿中学10周年。もうすっかり、成人しても中学生を名乗って~みたいなイジリはやり尽くされていたのでスルーしがちだったけど、10年間中学生の看板を背負い続けたのイカしてると思う。ブレねぇ。そんな秋冬ツアー、折り返しの福岡公演はメンバー・星奈美怜の22歳のバースデーに行われた。今やすっかり落ち着きも見せ始めたエビ中だけど、2番目に年上の彼女がずっと奔放であり続けることがエビ中をエビ中たらしめる一因になっている気が。着飾ってなさすぎることをイノセントと言ってもいいじゃないか。
幕を用いた演劇的なOP、船旅をイメージしたセットのうえで繰り広げられるのは、往年の名曲群から新曲まで、オールタイムを網羅したメニュー。曲間のMCタイムもほぼなく(「元気しかない!」の中盤に休憩時間が設けられたけど)、自己紹介もオケつき、その他はノンストップでダンスを披露し、彼女たちの進化したフィジカルをアピールするかなりハードな学芸会であった。「梅」~「禁断のカルマ」~「バタフライエフェクト」は意識が飛びそう。でも珍しく席が前のほうだったので、しっかりと表情を隈なく焼き付けた。
この日は、安本彩花が安静休養中のために欠席。星名も昨年末の怪我が完治しておらず、ステージ上には5人、常時フル稼動は4人という編成だった。最初に観た時、8人いたことを思うとこれは正直かなり寂しく、減ったなぁと少ししんみりしてしまったのだけど、欠席の穴を埋めようとして新たに引き出される魅力というのが確かにあった。「熟女になっても」におけるラップパートを星名がガールズラップ感全開でフォローし、「仮契約のシンデレラ」ではネタっぽいセクションを小林歌穂が完璧にやりこなしていた。
過去イチ、流れの良いセットリストで回っているツアーだとも思った。突然バラードをやったりするのでなく、しっかりと中盤にミドルテンポな曲を固めていた。美しく歌い分けられた「星の数え方」はホールで聴くとより情感が増すし、「曇天」はそれぞれが振りを揃えるでなくバラバラのダンスをひと塊で見せるアプローチ(ラスサビの小林歌穂がセンターに立ち、高身長を活かして大きく踊り狂う演舞には鳥肌が立った)もあったり、人数の多さだけでは誤魔化しきれない本質的なパフォーマンスを多く見せつけてくれた。
ライブで初めて聴くことができた「Lon de don」がこの日のベストソングであった。最年長・真山りかも大いにはしゃぎまわり、最年少・中山莉子が持ち前の野性を迸らせる、夢の中で世界旅行へと繰り出すテーマも相まって、この無心さこそがエビ中の持つ尊さであり切なさだ、、と思わず感極まってしまった。そんな曲じゃないんだけどね!でも、ふざけた曲だからこそ涙が出てきてしまうというのがエビ中なんだよな。音圧がすごすぎて、トリップしかけながらも、このグループの真髄に触れて無事に"優勝"しました。
11.17 lyrical school Tour 2019 “BE KIND REWIND SERIES” PERT3 "FF"@福岡DRUM Be-1
今年、再メジャーデビューを果たしたラップアイドルグループ。いかんせん活動歴が長いので存在はずっと認識していたけれど、昨年くらいからどうにも無視できないレベルで良い曲を連発し出し、今年5月に観たフリーライブでまんまとやられてしまった。そして今回、9月リリースの5thアルバム『BE REWIND KIND』のレコ発ツアーの一貫である福岡ワンマン公演に参加した。
ライブハウスのしっかりした音響の中で聴くリリスク楽曲は、想像以上に没入感たっぷりでガンガン踊ってしまったし、演者も客も好き勝手にはしゃいでる感じがとても良かった。決まったダンスを解き放って自由なステージングをし出したのは昨年からなようで、これがあの独特な気楽さとラフな佇まいを演出しているに違いなかった。基本的にフリーで動いてるが故に、時折ばちっと振り付けを決めたりする瞬間がより際立ってて楽しいのも良くて。
また、メンバーのキャラクターも90分も観ればどんどん理解が深まる。yuuちゃんはちょこまか動き回るアイコン性があってとても可愛らしい。minanさんは透明な歌声で芯を通し、長身を活かしたしなやかな動きが美しい。risanoちゃんのアタックの強めなアジテーションはリリスクの起爆剤だし、himeさんのクールで的確にライムを刻む姿は気高く麗しかった。hinakoちゃんの笑顔モンスターっぷりには完全に骨抜きにされちゃうね。この娘、看護師資格持ってるんよな。医局が崩壊するだろ、こんな可愛い看護師いたら。
弾けるようなポップチューンが多い中、中盤に用意された「Enough is school」」「Tokyo Burning」「YOUNG LOVE」というズシズシとしたビートが強調されたヘヴィなナンバーも黙々と踊れて最高だった。アルバム屈指の切なさを誇る「大人になっても」のチルな魅力を増幅させるように、前作『WORLD 'S END』収録の「つれてってよ」と「消える惑星」で挟んだメロウな曲順も素晴らしかった。HappyとSadのバランスがほんと絶妙で素敵。
アイドル史にも燦然と輝く名曲「プチャヘンザ!」以降の、ブチ上げな流れはほぼ記憶ないくらい無心で楽しくてしょうがなかった。空間そのものが愛おしくて手放したくない感じで堪らなかった。随分と時間は掛かったけれど、<出会った時からダンスをする運命なの2人は>というtofubetas御大が2012年に書き残した偉大なるリリックを真に受けながら、これから推し続けていきたい。あ、あと衣装が思ってたよりセクシーでドキドキしちゃったことも忘れずにここに書き残しておくよ!5人中3人がおへそが出てたよ!!
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