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シン・エヴァンゲリオン𝄇感想と、ある街の観光記録

エヴァンゲリオンに触れたのは「Q」公開後、敬愛するBase Ball Bear小出裕介氏による熱心なプレゼン(人類補完計画は彼の説明で理解)によって好きになったライトなファンだけどそれでも何か感想を綴らねば、という気にさせてしまう。こういう思いの集積がエヴァをここまでの規模感に作り上げたんだろうなぁと想像できる。正直、物語の展開におけるディテールは理解できない、多分全体の50%も分かってはいないと思うのだけど、シンエヴァはその物語の構造を把握しただけでも呻き上げてしまう程に強烈な最終回だった。

「寛解」
病気が完全に治った「治癒」という状態ではないが、病気による症状や検査異常が消失した状態のこと。

つくづく寛解のためのシン・エヴァンゲリオンだったな、と思う。エヴァが庵野秀明総監督の精神状態を示す物語だとは折に触れて色んな識者から聞いてきたがシンエヴァはこれでもかとそれを実感する。疲弊感と昏迷に苛まれた「Q」の混沌から這い出すための治療。シンエヴァ、第三村におけるありきたりなほどに描かれ倒した、地に足が着いた"生活"のシーンは言うなれば作業療法のようなものだったように思える。現実的な作業活動を通し、対人関係や行動意欲の向上を図り、その人にとっての"よりよい生活"を目指す。寛解し退院を目指す上で必要不可欠なステップは、主に綾波レイの感情理解、他者への思いやり、労働との対峙といった描写によって示されている。


例えば明らかに弱っているシンジに対して「メンタル弱すぎ!」とアスカがけしかける荒療治や、血縁のケリをつける描写の数々、その他の台詞選びのあちこちに前時代的なものが散見されるが当然なことだと思う。こういうタッチのままで描き終わることがエヴァンゲリオンと本質的な部分での決別とも言えるのではないだろうか。鮮やかにアップデートを果たした価値観を備え描くエヴァンゲリオンはもはや生まれ変わり改変された別物のようで嘘っぽい。やはり1995年から我々を縛り付けてきた呪いめいた空気や生き辛さ、身勝手な自意識を纏っていてこそ、エヴァンゲリオンを終わらせる意味がある。世紀末を超えて、年代を3つ跨ぎ、元号を超えてでも終わらせる意味。


「それは夢じゃない。ただの現実の埋め合わせよ。」
「じゃあ僕の夢はどこ?」
「それは現実の続き」
「じゃあ僕の現実はどこ?」
「それは夢の終わりよ」
   (「新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air/まごころを、君に」より)

終盤、TVシリーズも旧劇場版も並行世界も二次創作も考察も現実世界も全部を等しく"ありえる虚構"として扱いながら、庵野秀明としての解答を叩きつけた展開。やはりあれが最も痺れたシーンだ。それぞれのキャラクターに背負わせた不安や承認欲求、無関心や怒り、理想などをそれぞれそっと肯定しながら自分自身を癒していく。上の台詞で突き放すように終わった光景とはまるで違う、これがシン・エヴァンゲリオンが成し遂げた寛解だ、、と。ただし、完治ではなくあくまで寛解。もしかしたらいつかまた、ここで決別した思いに苛まれるかもしれない。だけど、いつでも立ち返れる場所、思い返せる景色としてこの「シン・エヴァンゲリオン」は色褪せずに残り続ける。安心させてくれるエヴァンゲリオンという境地。人が立ち直る姿は眩しい!



とまぁ色々書いてきましたがこの記事を書こうと思ったのはここからのパートを書き残したかったから。ラストシーンですよ。全ての"これまで"から目覚め、このすばらしき世界に向かっていくシークエンス。なんか知ってる感じの駅だな、でもエヴァは僕の住んでる西日本の話じゃないし気のせいか、と思っていたら!神木隆之介の声に気を取られていたら!宇部新川駅の文字!監督の出身地が山口県だとは聞いていたけどまさか宇部だったとは、、

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駅舎を撮っていなかったのが惜しかったけど、この街には昨年の9月に旅行で訪れた。どうりで、の既視感。更に遡れば僕はそもそも2012年に山口大学医学部を受験したのでこの駅には縁が深い。数学で惨敗して山口大学には落ちちゃって違う大学に通うことになるのだけど、自分もまた宇部新川駅という場所で”人生の選択”をしていたのだ、、と思うとなかなか打ち震えるラストシーンでした。さて、以下は山口県宇部市に聖地巡礼する人に向けた、駅周辺と宇部市内の観光日記です。半年経って、収まるべき記事に収まった。



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宇部新川駅近くの居酒屋「一代目 豊」。全く敷居の高くない庶民的な居酒屋だったけど寿司も肉もすげえ旨かった。20時以降のみ注文できる「貝だしラーメン」が凄まじい味わいだった。貝だし料理史上マックスだったと思う。

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こちらも駅近くの「お肉バルUNI」。ランチのローストビーフ丼、良きソースであった、、

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宇部新川周辺には観光スポットは少なかったけど、宇部市内にはときわ公園なるスポットがあります。宇部は”彫刻の街“を謳っており、2年に1度「宇部ビアンナーレ」なる現代アートのイベントの開催していて、このときわ公園には至るところに立体物を中心とする現代アートが展示されてます。しっかりとした動物園や植物園、ちょっとした遊園地が併設されてたり、1日だけでは足りないくらい楽しかった。宇部屈指のおすすめスポットだと思います。


何号機だろうか。

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使徒だ。

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何かしらのインパクトのカギになってそう。

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朱色のカラーリングがイケてる。

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現代アートってSF感が滴るもの多くて大好き。

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たまごも飛ぶ。

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クラゲも歩く。

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これは植物園にあった絵みたいな花。

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ときわ公園内にあるハワイアンレストラン。チーズ狂いには堪らないハンバーグ。旨かった。

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また行きたいなぁ。今度は駅舎も撮りたい。


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