「とある」で最も真面目なのは一方通行だった 創約1巻感想
こんにちは、シャントです。
このタイトルを見て察した皆様、そうです。今回は3ヶ月以上前に発売した「創約とある魔術の禁書目録」についての記事となります。発売からそこそこ経ちましたが、読了後以降に色々と感じたことをつらつら書いていこうと思います。
*ここからネタバレ祭りになるのでご注意を。
創約1巻に感じた旧約新約1巻っぽさ
読んでる最中思ってたんですけど「ここ旧約っぽいな〜」とか「こいつ新約1巻のあいつ感あるな〜」って結構あったんですよね。なので個人的に気づいた(?)点をまとめてみました。
・序章の上条当麻追いかけっこ(旧約一巻)
・補習の連絡を受ける上条当麻(旧約一巻)
・暗部組織一掃に反発する勢力が現れる(新約一巻)
書いてるうちに「あれ?そんな無いかも」とも思いましたが、前半のドタバタ→中盤の戦闘→終盤黒幕にそげぶという流れ自体がもろ旧約感があったので「ぽさ」を感じた節はあるかもしれません。他にも旧約新約一巻ぽさあったら教えてください。
舞殿星見たち暗部解体反対勢、正直「新入生」みを感じましたね。
オペレーション・ハンドカフス
リバースで学園都市に帰還後、学園都市統括理事長の座についた一方通行でしたが一番最初に行ったのはオペレーション・ハンドカフス、つまり学園都市内の暗部組織掃討と一方通行本人の自首でした。統括理事長の一方通行が先陣を切って自首することで例外がないことを示す。これには正直やられました。発売前から「統括理事長についた一方通行」が権限を行使して何をするかは読者の間でも注目されており、かくいう僕もまた何かやらかすんではないかと思っていました。しかし蓋を開ければどうでしょう。自首するなんて誰が予想したでしょうか。まさか主人公の一角が独房に入るなんて…
まあ、今までの一方通行を考えると納得は出来てしまうんですよね。旧約中盤で自分を悪党と蔑んでいた一方通行は終盤のロシア編で善や悪といった区切りが意味のないものだと気づき、新約6巻ではミサカネットワークの総体に「戦いという楽な方に流れるな」と釘を刺されたことで新約10巻で「敗北をすることで何かを与える」を実践しましたが、こうした経験をした上で新約最終巻のリバースでは「みんなの手本となれるような第一位になれなかった」ことを悔やんでいます。元々、罪の意識があった一方通行ですから、自由になって学園都市内で最大の権力を振るうことのできる立場になったらどうするか。確かに「贖罪」以外有り得ないような気がします。その上で自分が行ってきた行為に対するけじめをつけたわけなんですよね。記事タイトルにもありますが、あまりにも真面目すぎる。禁書の世界で彼以上に真面目な人間がいるでしょうか。
あと、オペレーション・ハンドカフスにおいて自分自身が先導して罪を償おうとするということだけでなく、作戦に対して反発する勢力が出現した際に自らは動かず学園都市の人々がそうした勢力を打倒してくれるのを「信じて待つ」という内容が、「戦いという楽な方に流れるな」というミサカネットワーク総体の発言をきっちり実践できていて個人的に凄く嬉しかったです。
作中には
「…信じる」
言ったのだ。
学園都市第一位にして新統括理事長。
どうしようもない殺戮の権化に絶大な権力まで上乗せされた恐怖の独裁者が、その口で。
マグマのように沸騰する己の内側を全て抑え込みながら。
という部分があり、一方通行自身も打ち止めを助けに行きたい気持ちはふつふつと沸いているのにそれも我慢して学園都市に住む人々を信じたということを思うと彼がいかに成長したかが感じられるのではないでしょうか。
上条当麻のファーストキス
ガチでキモイ見出しですが、創約1巻を語る以上最後にこの部分は触れておきたいなと。読んだ皆さんはもうお分かりの通りラストにどろり幼女、アンナ=シュプレンゲルが謎の丸薬を口に加えたまま上条当麻にキスを試みましたね。今まで作中の半年弱の間では上条当麻の唇は誰にも奪われなかったわけですけれども、ここに来てまさかラスボス候補がいきなりアプローチをかましてくるとは。一方通行の自首に次ぐ驚きでしたね。こんなことを思いながら三か月間ネットを見ていましたが、上条当麻のファーストキスに言及してる人がちらほらいて笑いました。ラブコメ主人公でもないのに読者にファーストキスを気にされるラノベ主人公面白すぎる。
真面目な話をすると、気になるのはこの丸薬がサンジェルマンウイルスだとするとこれを飲み込んだ上条さんはどうなるのかとかR&Cオカルティクスを設立(?)したアンナは一体何を目的としているのか、そもそも上条当麻に接近したのはなぜなのかとかですね。ここに来てサンジェルマンがまた登場するのは少し面白いですが、こればっかりは僕の知識だと考察ができそうにないので大人しく創約2巻を待つことにします。
おわりに
全体的に少し雑な記事になってしまいました。創約1巻の話の構成的には前述した通りシンプルな感じになってはいるものの、創約初っ端から一方通行の自首や統括理事会の魔術行使などをぶっこんできてはいるので流石鎌池和馬、恐るべし、という感じでしたね。創約2巻以降では上条当麻の安否はもちろんですが、浜面などの暗部の面々がどうなるのかはかなり気になるところです。もうすぐ鈍器のような外伝小説集も発売されるということでそれを読みながら創約2巻の発売を待とうと思います。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。また気が向いたら書くのでその際はよろしくお願いします。