マハーバーラタ/6-24.絶望するドゥルヨーダナ
6-24.絶望するドゥルヨーダナ
四日目の朝がやってきた。
ビーシュマは敵軍の半分を破壊すると宣言した。
戦いが始まるとアルジュナの方へ進んでいった。
一方、アルジュナも祖父が自分の方へ向かってくるのを目撃し、戦いを始めた。
アビマンニュは父アルジュナが最強の敵との戦いに集中できるように、ビーシュマの周りにいる集団と戦い始めた。
彼はドローナ、クリパ、シャルヤ、ヴィヴィンサティ、ソーマダッタ、ドゥルヨーダナ王といった敵達を食い止めて戦った。
その戦いぶりはまさに父のようであり、この若者の素晴らしい武勇に人々は驚いた。
ビーシュマとアルジュナが激しく戦っている間、アビマンニュはさらに新たな集団、アシュヴァッターマー、ブーリシュラヴァス、チットラセーナ、シャラの息子達に襲われた。
アルジュナは遠くから息子に向かって声援を送った。
その不利な戦いを見た総司令官ドゥリシュタデュムナが救援に向かった。
スシャルマー率いるトリガルタ軍がアルジュナを攻撃し始めたのを見て、ドゥリシュタデュムナが自ら加勢した。
さらにクリパ、クリタヴァルマー、シャルヤ、シャラの息子達が加わり、混戦状態がさらに激しくなっていった。
ドゥリシュタデュムナは敵の援軍達を圧倒し、シャラの息子の頭を鎚矛で割った。
それを見たシャラは猛烈に怒り、飛び掛かっていった。
今度はドゥルヨーダナが弟達を連れて前線に現れた。
獲物を見つけたビーマはその場へ急いだ。
ビーマは向かってきたマガダ王の象軍をなぎ倒していった。
巨大な象と膨大な数の戦士たちに囲まれて戦う彼の姿は、
まるで燃え盛る大地で死のダンスを踊るシャンカラ神のようであった。
ドゥルヨーダナはさらにビーマに立ち向かう為の援軍を送るよう指示した。
しかし、ビーマはまるで雨雲の塊で囲まれたメール山のようにそびえ立っていた。
次の瞬間、そのビーマ山が動いた。ドゥルヨーダナの弟達の群れに襲い掛かった。まるで牛の群れの中の狼のように突撃し、ドゥルヨーダナの弟を一人殺した。
「あと、、、99人」
ビーマは独り言をつぶやき、さらに襲い掛かった。
あっという間にドゥルヨーダナの8人の弟が殺されていった。
ビーマによって引き起こされている大混乱を見たビーシュマはプラーグジョーティシャ王のバガダッタを送った。
巨大な象に乗ったバガダッタは恐ろしい槍をビーマに向かって投げつけた。
その槍は一条の光のように飛び、ビーマの胸に当たった。
その衝撃でビーマは気を失った。
父が気を失ったのを見たガトートカチャはすぐに助けに向かった。
彼はマーヤー(妖術)を使ってバガダッタと戦った。
ビーシュマは戦況を見極め、ドローナとドゥルヨーダナに話しかけた。
「ガトートカチャはラークシャサ(妖怪)の息子で興奮しやすい。父が気を失ったことで怒り狂っている。一方でバガダッタは怒りを露わにすることがほとんどない人だ。きっと不利だろう。
ビーマが起き上がったようだ。あの親子を敵に回すのはさすがのバガダッタでも難しいだろう。助けに行きましょう」
しかし、ガトートカチャは集まってきた敵軍を一掃した。
ビーシュマが言った。
「今、彼と戦うのは得策ではない。もう夕方が迫っている。ラークシャサは夜が近づくにつれて力を増すのだ。続きは明日にしよう」
カウラヴァ軍は総司令官ビーシュマの指示に従って引き下げられた。
パーンダヴァ軍はこれまでよりも早い敵軍の撤退を見て、ガトートカチャを恐れているのだと理解した。
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!