マハーバーラタ/6-22.二日目の戦い

6-22.二日目の戦い

太陽が昇り、恐ろしい大戦争の二日目がやってきたことを知らせた。

ユディシュティラが指示を出した。
「今日はクラウンチャヴューハ(大杓鴫の陣形)が良いと思う」

アルジュナと総司令官ドゥリシュタデュムナはその指示に従って陣形を整え始めた。

鳥の頭の位置にはドゥルパダが率いる軍、
両目の位置には、クンティボージャの軍とチェディスの軍、
首の位置にはサーテャキの軍が配置された。

鳥の尾の位置にユディシュティラ王が控え、
両翼はビーマの軍とドゥリシュタデュムナ直属の軍によって形作られた。

その陣形の強さを見抜いたドゥルヨーダナは先生であるドローナクリパに話しかけた。
「先生方、敵は優れた陣形を敷いているようです。
ですが、我が軍の方がもっと優れています。あなた方二人は、パーンドゥの息子達を一人で殺すことができますからね。この大戦争を勝ち抜くのはあなた方の力に掛かっています」
「分かった。最善を尽くそう」
ドローナはそう答えて総司令官ビーシュマと共に陣形を整え始めた。

カウラヴァ軍もクラウンチャヴューハを採用した。
一方の翼をブーリシュラヴァスの軍とシャルヤの軍、
もう一方の翼をソーマダッタの軍とカンボージャ王の軍、
鳥の尾の近くにアシュヴァッターマー、クリパ、クリタヴァルマーが配置された。

戦いの始まりを告げるドラムの音が鳴り響き、両軍からほら貝が吹き鳴らされた。

この日の戦いは初日よりも激しく、悲惨な光景が広がった。
戦場の至る所で血の川が流れ、人間や馬、象の死体があちこちに散乱した。
カラスやタカが空中で円を描き、それらをついばむことができる夕方を待っていた。

この日もビーシュマの突進は力強く、パーンダヴァ軍のビーマ、アビマンニュ、サーテャキ、ケーカヤ兄弟、ヴィラータ、ドゥリシュタデュムナが必死に戦ったが、食い止めることができずにいた。

暴風のように進むビーシュマが通った後にはただただ壊滅が残された。
彼の放つ矢と同じ速さでパーンダヴァ軍は破壊されていった。

その光景をアルジュナは遠くから見た。
クリシュナ! 祖父ビーシュマによって我が軍は圧倒されている! すぐに私をあの場所へ連れて行ってくれ!
いいぞ! 今度はドゥルパダが反撃を始めた!
急ぐんだ! 私がビーシュマを倒さなければ我が軍は負けてしまう!」
「アルジュナ、その通りだ。一刻も早くあなたがビーシュマと対決すべきだ」

クリシュナはビーシュマが戦っている場所へ向けて戦闘馬車を走らせた。
到着するまでの間、アルジュナはビーシュマの弓の腕前を見つめていた。その姿は華麗でもあり、しかし死神そのものであった。

ビーシュマは目の前に近づいてきたアルジュナに向かって矢を放ち始めた。
さらにドローナ、ドゥルヨーダナと彼の弟ヴィカルナ、ジャヤドラタがビーシュマに加勢した。

アルジュナは彼ら全員の攻撃に耐えながらも、ビーシュマとドローナに傷を負わせた。

サーテャキはアルジュナが攻撃に耐えている姿を見て、助けに急いだ。
ヴィラータ、ドゥリシュタデュムナ、ドラウパディーの息子達、アビマンニュと共にアルジュナの元へ向かった。

ドラウパディーの息子達が一斉にドローナを攻撃し、アルジュナから気を逸らせた。

アルジュナは今度はビーシュマの矢を受けて傷を負ったが、怯むことなく弓を弾き続けた。弓は円形にまで曲げられ、そこから連射される矢はまるで毒を吐く蛇のように飛び出していった。その矢の流れはカウラヴァ軍の兵士を片っ端から倒していった。

その光景を見たドゥルヨーダナは恐怖を覚え、ビーシュマに駆け寄った。
「祖父よ、クリシュナとアルジュナのタッグはなんと恐ろしい。
だが、あなたはまだベストを尽くしていない。あなたがここにいて、ドローナ先生もいる。それなのにこんなことが起きるなんておかしい。アルジュナがお気に入りの孫だから手を抜いているんでしょう?
ああ、こんなことならラーデーヤを連れてくるべきだった!
あなたがラーデーヤを侮辱したせいで彼はあなたとはいっしょに戦わないと誓ったんだ!
あなたがアルジュナをなんとかするべきなんだ」

ビーシュマは孫の言葉にうんざりした。
自らがクシャットリヤに生まれたことを呪った。
怒りの感情を持ったままアルジュナに向かって行った。

アルジュナとビーシュマの決闘が始まった。
白馬に引かれた戦闘馬車に乗った英雄の対決に、周りの者達は息をのんだ。

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