everybody goes 〜整形願望にライダーキック〜
先日、妻から「私が整形したいって言ったらどうする?」と聞かれ、私は返す刀に「ムリ」と一蹴しました。
妻の論理としては「整形すれば綺麗になって旦那も嬉しいはず」「化粧の時間が短くなってデートもしやすい」ゆえに「旦那も私も喜ぶ最高の選択」ということでした。
たしかに、美容整形をすることで人生が変わる人だっています。
自分に自信がつくだけで仕事も恋愛もポジティブになれば、結果は必ず変わることでしょう。
ただ彼女の論理には「整形した顔の方が喜ばれる」という暗黙の了解が存在します。これが間違っていると思うのです。
例えば、仮面ライダーで考えてみましょう。
仮面ライダーが好きな小学生を100人集めた体育館に「(変身後の)仮面ライダー」と「藤岡弘、」を登場させれば圧倒的に前者の方が盛り上がるでしょう。
仮面ライダーの方がカッコいいし、強いし、魅力的なんです。
これは先の話でいう「整形後の顔」です。
では、これを整形に当てはめて考えると、妻は「仮面ライダー姿のまま一生過ごしたい」と言っているのも同然なのです。
想像してください。仮面ライダーが仮面ライダーのまま出社し、仮面ライダーのまま昼食をとり、仮面ライダーのまま怪人に出会って仮面ライダーのまま倒して、仮面ライダーのまま家に帰ってきて仮面ライダーのまま眠りにつく番組を。
異星人の話かよ。
子供たちは何の感情移入もできず、視聴率は下がり、番組は終わります。
仮面ライダーには「普通の人間が変身して強くなる」ところに浪漫があり、「普段では考えられないほど強くなる」から魅力を感じられるのです。
つまり、整形をしてしまうと普段の顔とのギャップがなくなってしまいます。それが当たり前になるとつまらないのです。
また、藤岡弘、には藤岡弘、の魅力があります。
仮面姿では見せない、真面目で優しくて男気のある人間性がそこに描かれているからです。
そう、整形しないすっぴんの顔には、すっぴんの魅力があるのです。
以上のことを熱弁した結果、妻を呆れながら納得させることに成功しました。夫婦に仮面いらず。