体格のハンデを克服して
みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
今日は金曜日で在宅でしたが、師走らしくいろいろわちゃわちゃしていました。
さて今日はもって生まれた体格というのは努力したとしても、限度があって、例えば身長が大人になって伸びることもできないし、骨格から太くなることも難しいのですが、恵まれていなくても、そのハンデを克服した例をお話します。
以前陸上のハンマー投げに室伏広治さんという方がいて、2004アテネ五輪で金、2011世界陸上でも金を獲った日本が誇る偉人アスリートでした。
室伏さんの体重は97kgだったそうで、一見恵まれたマッチョマンですが、ハンマー投げのオリンピック上位選手は主にヨーロッパの選手ですが130kgぐらいあり、そういう選手たちに並ぶと室伏さんは細く見えてしまうほどで、決して恵まれた体格ではありませんでした。
ではなぜ室伏さんは世界一になれたのでしょうか。
体重が30キロも軽いのでパワーでは劣ってしまいます。
ただ、とにかく重くて、重量挙げ選手のようにバーベルを上げられることができればハンマーを遠くに飛ばせるかと言えば、そうではありません。
サークルの中で反動をつけて4回転して投げるので、高度な技術がいります。そこで室伏さんはターンのスピードや技術を磨いたのです。
体格としては助走スピードが必要となるやり投げ選手のような体格で、日々ターンの技術を磨きました。
室伏さんの父は室伏重信さんといって、同じくハンマー投げ元日本記録保持者でオリンピック4大会連続代表、アジア大会5連覇等の実績でアジアの鉄人と呼ばれました。
今でも日本歴代1位が広治さんで、2位が重信さんという信じがたい父子で、お父さんがずっとコーチをしていたことも技術の上達におおいに役立ったのでしょう。
全盛期はまた97kgでしたが、大学生の頃はさらに細かったのです。ある時、かつてやり投げで世界歴代2位を記録した溝口和洋さんに会って、筋力トレーニングの弟子入りをしたのだそうです。溝口さんは1日13時間の筋トレを毎日するというスポーツ科学を無視した独自のやり方で、鋼のようなボディで世界レベルまで到達して、室伏さんもそれを学んだのです。
つまり、ハンマーの技術はお父さんと二人三脚で長年磨き、筋力アップは同じ投てきで世界のトップレベルまでいった溝口さんに教わり、そして五輪金メダルに到達できたのです。
ここに面白い記録があるので、ご紹介します。
世界歴代10傑
なんと世界歴代4位に室伏さんがいます。他は全員ヨーロッパの選手で、ソ連の選手が4人も! 実にあやしいですね。
次に日本歴代10傑
息子と父でワンツー、1cmを争う競技で3位と12mも差があります。
ちなみに妹の由佳さんも女子のハンマー投げ日本記録保持者で五輪に出場しました。
また室伏さんの産みの母はルーマニア代表のやり投げの選手だそうで、サラブレットでもあります。
そう、サラブレットが様々な努力や工夫をして、日本人がパワー種目で五輪で金メダルを獲るという”ありえないこと”をやってのけたのです。
今年メジャーリーグで大活躍した大谷翔平選手は100kg以上あり、投打の活躍もさることながら、それでいて盗塁もバンバンできるという新たな信じられない選手もでてきています。
世界一になるのはなかなか現実的ではないですが、工夫したりすることはとても参考になるかと思います。
それではまた。