猫は神さまの贈り物~読書記録176~
2020年に発行された、角田光代さん解説による各著名人の猫に関するエッセイ集だ。
角田光代さんの解説にもあるが、この本で紹介されているのは昔の方ばかりだ。私の言いたい事(読みながらツッコミしたくなった所)は、全て角田光代さんに言われてしまったようで、猫好きな現代人は同じような感覚を抱くのだなと思う次第である。
例えば、猫のフミフミ。
仔猫時代の母猫のおっぱいを飲む時の名残りなのを現代人はしっているのだが、明治時代の寺田寅彦が不思議がり、物理学的に証明したがるのだ不思議に面白かった。いや、理科って、そういうものなのかもしれないな。
猫は我がままでなかなか飼い主の言うことをきかない。かえって、飼い主を自分の想い通りに使う。猫好きには、その我儘なところが又可愛い。 猫を可愛がる男、猫の言いなりになる男は。大概、女性にも言いなりになる。
谷崎潤一郎
大佛次郎が奈良県の岩船寺に行った時に、別名「猫寺」と書いていたが、今ではそうでもないらしい。が、大佛次郎のこのエッセイにでてきた京都の浄瑠璃寺は猫嫌いにはムリな寺らしい。
とにかく、猫好きにはとても面白い本であった。