最も友人歴の長かった友人が消えた話
つい最近、最も友人歴の長かった友人が消えた。
というか、最近なのかもわからないが、気づいたら彼女の全てのSNS及び連絡手段が途絶えていた。
彼女とは、小学校からの付き合いで、中学の頃は色んなヤラカシを共にし、担任教師によく怒られる相棒的な友人だった。
何か悪さをして怒られるだけではなく、何もしていないのに、どうせまたあなたたちでしょう?と言われるようなポジションのクラスに数人いるタイプの人種で、わたしたちはあっというまに仲良くなった。
しかし、彼女は同じ高校には行かなかった。
一貫校である女子校を辞め、別の共学を受験し、去っていった。
それでも、仲の良さは変わらず、毎年数回会う仲は続いていた。
大学生になり、わたしは地元を離れたが、彼女は地元に残り進学した。
もちろん、距離が離れたため、頻繁に会うことはなかったが、年に数回は地元で会ったり、2人で旅行したりもした。
それなのに、彼女は突然消えた。
彼女は、よくこんなことを言っていた。
「わたしには、友達と呼べる人は社会不適合女子大生しかいない。老後は一緒に住もうね。それまで仲良くしてくれる?」
わたしも、友達と呼べる友達は少なかったため、そうだね…そうしよう。。。と流していたが、まさか、彼女のほうから突然消えるなんて思ってもみなかった。
彼女には、今年になってからおかしな行動が増えていたのは、わたしも気づいていた。
明らかに飲みすぎな酒缶が荒れた画像のストーリーや、オールで飲み明かしているカラオケの動画、自宅で酔い潰れた友人の様子を惜しげも無く載せるなど、以前の彼女とは全く変わった姿に異変を感じていた。
度々、ストーリーに、仕事辞めたい。生きてる意味がない。無能すぎて無理。などの言葉が並んでおり、新卒入社の会社が厳しいことはすぐに察知できた。
わたしも心配になり、何度かDMを送ってみたが、軽い返信だったので、大丈夫なんだと思っていた。
それなのに、彼女のインスタのアカウントは削除されており、もう連絡手段がない。
それ以前に、LINEのアカウントは削除されていたため、もう連絡の取りようがなくなってしまったのだ。
元々交友関係が広いタイプではなかったので、彼女の友人に誰がいるかとか、地元で何をしているかとか、そんな情報は何一つない。
昔はとても仲の良かった友人が、こんなに簡単に消えてしまうなんて、信じられないが、一般社会から消えて自由になりたいと思う気持ちはわたしにも痛いほど分かる。
でも、突然姿を消すほど、辛いことがあったり、逃げたいことがあったのなら、少しでも相談して欲しかった。
わたしに相談したいと思えなかったのなら、わたしにも非があると思うが、1人で消えるなんてずるいよ。わたしも一緒に消えたかったと、今なら彼女に伝えたい。
こちらから、連絡をとることはもう二度とできないだろうから、相手からの連絡を待つのみで、まあ連絡がこないことも想定内だ。
ただ、彼女がどこかで幸せで生きていてくれたらそれでいい。
わたしもどこかで自由気ままに生きているから、またどこかで会えたらいいね!くらいのテンションで静かに彼女の幸せを願いたい。