未経験あふれる時代に必要なこと
未経験OKには問題がある
コストを抑えるためには経験者を増やして生産効率を上昇させる必要がある。
しかし、昨今の日本政府のやり方にはそれと逆行するようなものが多くみられる。
それは、未経験の従業員を増やすやり方だ。
バイトとして雇うなら良いが、そうでないなら生産効率は大幅に下がるだろう。
雇う側もそれは許容できない時代になりつつある。
業務系歴上未経験というのは誰でもそうだと思う。
一番の問題は、事前学習ゼロの未経験者があふれるということだ。
小売店や飲食店であれば、あらかじめ用意した商品と手順で、未経験未学習者でも量産することが可能だ。
しかし、クリエイティブな業種、たとえばシステム開発や研究所ではそれができない。
なぜなら、常に新しいものを生み出すからだ。
本noteではそういった業界における問題として、未経験者が就職するまでの間に経験値を貯める方法について説明する。
そして、少しでも多くの未経験既学習者が就職に向かってくれることを切に願う。
経験値を貯める方法
経験値というのは大きく分けて2つの貯め方がある。
1つは、回数での貯め方だ。
○○を△△回やった、という表現ができるものだ。
たとえば、パズルゲームを10本作りましたとか、ウェブアプリ制作のプロジェクトを5回経験したとか。
業種は別だが、旅客機のパイロットとして1200時間搭乗したとか。
数字だけではかれる定量的な貯め方だ。
これはその人の特色を示す上で重要なパラメータであり、ある程度の確度が見込める。
任せる側の感覚としては、経験によって慣れが形成され、わからないことによる計画崩れが発生しにくいというメリットが予想される。
もう1つは、深さでの貯め方だ。
○○を☆☆までやった、という表現ができるものだ。
たとえば、パズルゲームを10面まで進めましたとか、ウェブアプリ制作のプロジェクトでチームリーダーを任せてもらえるまで製品を知り尽くしましたとか。
深度および進度ではかれる定性的な貯め方だ。
任せる側の感覚としては、深さを形成できることがわかることによって、めんどくさいことでも上手く進めてくれそうだというメリットが予想される。
業務経歴自体は貯めることができないけれども、本を読む、ソースコードを書く、曲を作る、絵を描く、文書を書く、そういった具体的な行動によって回数と深さを貯めていくことは可能だ。
未経験の人はこのあたりの行動をやっておいてほしい。
我々任せる側はそういった行動の有無および回数をもとに、やる気だとか大丈夫さを判断する。
決して挨拶の声が大きいことにやる気を感じたりはしないし、出勤時間が1時間早いことにもやる気を感じたりはしない。
あ、ただ、出勤時間が30分早いくらいだと、逆にやる気を感じたりする。
なぜなら、突発的な事象が発生しても対応できるだけの十分な時間的余裕を計画していることを証明する時間だからだ。
電車遅延もあったりするだろうし、盲目の人をサポートすることになるかもしれない。
そういった状況が発生してもある程度対応可能な時間がおよそ30分だ。
あくまでも、僕の個人的な感覚だけども。
経験値を貯めさせる方法
任せる方にも準備が必要だと考える。
とうぶんの間、日本政府は今のやり方を変えないからだ。
ということで、任せるには経験させる必要がある。
経験させる方法には大きく分けて2つある。
案件の中の工程を任せてみる
案件自体を任せてみる
任せるための準備なのにどうして任せてみることが出てくるかというと、単純に実践が一番効率良く失敗を経験できるからだ。
僕は体制に影響がない限りにおいてできるだけ案件自体を任せてみる。
担当者の立ち振る舞いや真剣みをよく見ることができるからだ。
先輩や上司にあたる人には是非やってみてほしい。
教育が難しい時代
IT以外でもアジャイルやらスクラムやらが適用される昨今。
加えて、興味がない人も業界に大量流入してくる時代。
そして、働き方が多様になるよう政治的に仕向けられている状況。
これらが社会に対して大きな負荷をかけているのはもっともだが、それでも我々は仕事をしてお金を稼がないといけない。
でも、未経験だと就活も困難だという話を聞くし、未経験を任された側が疲れ果ててしまうという話も聞く。
そうならないためには、事前準備がお互いに必要だと思う。
この事前準備に関して、僕が未経験者によく提案することが1つある。
それは、ゲームをすることだ。
特に、対人戦のチーム戦ができるゲームだ。
可能であれば、基本プレイ無料が良い。
今なら、スマホのアプリストアを覗きに行けば、たくさんある。
この手のゲームをすることによるメリットを挙げておく。
メリット1:報連相が連携のキモであることを学べる
メリット2:サボらなければたいていのことが上手くいくことを学べる
メリット3:無料で窮地の経験値が手に入る
特に最後の窮地の経験値というのは本番以外で入手できるものではない。
対戦ゲームというのはそれほどまでに威力絶大なのだ。
実は他にもメリットはあるのだが、実際にプレイして見つけてみてほしい。
気づきの経験値というのもまた大切なものだから。
発達障害もカバーしないといけない
最近広く認知されるようになってきた発達障害。
ASDやらADHDやらLSDやら、横文字の略称が多く、とっつきにくい印象がある。
脳の病気だと誤った解釈をしている人もいるくらい、みんなが学習してこなかった分野だ。
しかし、これは病気ではない。
脳の作りがピーキーなだけなのだ。
効果音特化型、図特化型、記憶力特化型、このほかにも色々ある。
我々が汎用型であるのに対し、彼らは特殊型なのだ。
ただそれだけ。
こういったところをみんなもっと知った方が良い。
さて、本章の本題に入る。
近年、実はこの発達障害と判定された子供たちが急激に増えてきているという調査結果がある。
文部科学省が出していた資料をぱっと見た瞬間に現実問題として受け止める必要性を感じたほどだ。
そして、彼らは許容という環境で育ってくる。
つまり、汎用パラメータを底上げすることなく、ピーキーなまま社会にでてくるのだ。
そう、個性として手を付けられないまま、就職していくのだ。
支援学級もあるし、少しは矯正されるとは思う。
だが、おそらくは肝心なところがないがしろにされた状態で放り出される。
社会はそんな彼らを受け入れざるを得なくなるし、受け入れた会社は汎用型の社員にその教育を任せるだろう。
そして、数か月で芽が出ないことに気づき、教育係である汎用型の社員を責めるかもしれない。
上手くハマればそれほど困らないとは思う。
だが、僕が経験してきたように、現実はそこまで楽観的でいられないことが多い。
ということで、本章ではそんな暗い未来を明るくするための対応方法について説明していく。
まず、大前提をお伝えする。
彼らは半年無償で教育する必要がある
論理的に積み重ねていく教育方針はNG
毎日つきっきりで教育する必要がある
要するに、急かすなってこと。
そして、受け入れたからにはコスト度外視でよろしくってこと。
この準備ができていないのに、無理して受け入れるのはお互いに時間の無駄になる。
ただ、自立できるところまで教育できれば、彼らは居心地よく過ごしてくれる。
そのため、長くいてくれる。
結果として、トータルでプラスにはなる。
可能であれば、取締役などの本業に直接かかわらない人が教育係になるのが望ましい。
しかし、そうでないなら、論理的だけれども特性持ちに理解のある人物に任せる必要がある。
ただし、その人物には違う種類の仕事を持たせてはいけない。
なぜなら、教育だけで手いっぱいになるからだ。
先ほど説明した、つきっきりというのがこれにあたる。
とにかく、発達障害の教育担当として引き受けてくれる従業員以外に発達障害の未経験従業員を任せてはいけない。
ここまで説明してきたことを踏まえた上で、下記のやり方で経験値を積ませるのが効果的。
これは僕の経験上で最も効果を発揮したやり方。
ちなみに、これをやる時は本人に伝えてから実施する必要がある。
心構えがあるのと無いのとでは心の耐久レベルが変わるためだ。
業務上必要な知識の習得にはかならず意味づけできたか確認する
過ちを犯したらその動機的要因を掘り出し、本人に認知させる
同じことを何度もやらせる
まとめ
経験値というものはやはり経験することによって蓄積されるものだ。
そのため、経験する機会を与える必要がある。
これを実現するには、必ず縁の下の力持ちを用意する必要がある。
また、機会を与えてもらった人も、必ず自分を支えてくれている人がいるということを忘れてはいけない。
そういった環境づくりをした上で、金銭面をサポートする人、教育面をサポートする人、そして教育を受ける人、がそれぞれの実施すべきことを意識しておく必要がある。
ちなみに・・・
本記事では学術的なことを全然記載していないが、発達障害特化の記事も作成する予定なので、お楽しみに。
7月中に脱稿できたら良いな・・・というペースで執筆する予定。