この「ベイトソンの生きた世界観」は2月18日からの連載です。ここからは前回(2023.3.1)の 続きです。
バーマンはサイバネティクスを取り入れたベイトソンの思想を、環境への働きかけも含めて次のように具体的にまとめて書いている。長い引用になるがそのまま紹介したい。
ベントソンがいうように「原初的意識のように関係の網のなかに単に没入するのではなく、関係の網に心を集中すること」を行いたい。それが「一体化[ミメーシス]と分析の両方を手に入れ、」「分裂を生むのではなく、たがいに補強しあ」う方向へと向かわせてくれる。
そして、環境思想のディープ・エコロジーでは「自己実現」がキーワードとして出てきた。そこでバーマンは、ベイトソンの唱える「学習Ⅲ」にふれながら、自己実現との相違点について指摘している。
今日もまた、バーマンの『デカルトからベイトソンへ』の引用ばかりでしたが、バーマンの言葉を借りて私が伝えたいことをお届けしました。私たちは「部分同士」かもしれません。でも、つねに「内部で結びあわさった、社会システム全体、この惑星のエコロジー全体に内在している」ことをいっしょに感じられたらうれしいです。