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Hostile attribution bias 敵意帰属バイアス | IQとEI

Hostile attribution bias(敵意帰属バイアス)というものがある。これは、他者との関わりの中で働く帰属バイアスの1つであり、他者の言動に接した際に、そこから伺える言葉や表情などの手がかりを情報として受け取り、その情報が相手の敵意の有無どちらとも取れるにもかかわらず、その言動の全てを敵意によるものだと解釈するような心理的働きのことである。その他の認知バイアスと同じように遺伝的な影響や生育環境など、複数の要因で生じる認知の歪みであり、大きな個人差がある。ちょっとした指摘や意見のずれなど些細な事象が、相手の敵意に依ると決めつけてしまうことで、他者との関係を構築することができなったり、既存の関係も壊してしまったりすることがある。そのようなバイアスが働く可能性を知り、支配されてしまわないよう意識していたい。このバイアスは、得る情報の選択や得られた情報の解釈を矯正することで、緩和されるはずだ。相手の表情や言動は、たまたま生じたものかもしれないと考え、それによって喚起された自分の感情も俯瞰することができれば解釈を誤らずに済む。相手への敵意や自分自身へ原因を帰属させすぎず、偶然性にも帰属させることによって捉え方の多様性を広げていけば、認知が膠着することなく、さらに柔軟さを獲得していくことができる。これらのバイアスを完全に取り除くのは不可能であるが、知っておくことは重要である。近年では、IQ(Intelligence Quotient: 知能指数)以上に、EI(Emotional Intelligence: 感情知能)という指標が重要視されている。AIの発展によってIQの高さは重要性を失い、EIこそが機械に取って代わられることのない、ヒトに残された最大の能力の1つと考えられるようになった。ヒトとして、その尊厳を持ち続けるために、認知バイアスなどの特性を理解し、自分に不足している側面を見直して、他者にも理解、共感を持って接することができるようにならなければいけないと感じる。ヒトとして大切なことを見落とさないよう努めていたい。


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