2024年12月の読書メモ
その月に読んだ本の中から何冊か選んで、ざっくりとした感想を書いてみます。読んだときに思ったことを忘れないようにすることが目的なので、ほんとうにざっくりです。たくさん選ぶ月もあれば、一冊だけの月もあるかもしれません。毎月一冊は感想を書けるようにしたいとは思っています。
小原晩・尾崎大輔・星野文月『もう間もなく仲良し』
隣の会話を盗み聞きしているような本。だいすきな作家さんである小原晩さんの名前を目にして購入してみたのだけれど、休日にゆったりと読むのに最適な、素敵な本だった。
『もう間もなく仲良し』は、三名の作家さんが、ひとりずつテーマを持ち寄って順番にそのテーマについて書いていく、交換日記のような本。というか交換日記。もともとは『ばんぶんぼん!』という連載だったものを書籍化したそうで、ひとつの話が短くてテンポがいいからすらすらと読み終えてしまう。読んでいるというより聴いている感覚に近い。巻末にはサイゼリア鼎談なるものも載っていて、ほんとうに隣の会話を盗み聞きしている気になった。
この間、小原晩さんのトークショーに行ってきて、小原さんの本は全てサイン入りで持っていたので『もう間もなく仲良し』にサインを書いてもらった。尾崎大輔さんと星野文月さんにも。いつかサインをもらいたい。
菅原敏『珈琲夜船』
はじめて買った、詩集。短歌の歌集はよく読んでいるけれど、詩はあまり通ってきてはいなくて、後輩に贈ってもらった一冊が家にあるくらいだった。そう、特に今まで好んで読んできたジャンルではなかったのに、書店で出会ってびびびび、っとくるものがあって購入した。これから詩集にはまるかもしれない。
はじめて触れた菅原敏さんの詩は、もしかしたら詩というものがそう言うものなのかもしれないけれど、リズミカルであり、また見た目からしてもおもしろい。さまざまな書籍が電子化していく中で、詩集だけは絶対に本ではないといけないと思わされるような気がする。紡がれる言葉のひとつひとつがキラキラしていて、幼いころに読んだ小さな絵本のように、現実と幻想が曖昧になっていく。
後半には一編のエッセイも収録されていた。そのエッセイも、ものすごく詩的で不思議な魅力があった。詩的という抽象的な表現をしてしまったけれど、フレーズのそれぞれに込められている密度が濃くて、それでいて韻率が心地よい感じがする。ずっと鞄に入れておきたくなるような本だった。
先月の読書記録
このnoteを読んでわたしに興味を持った、
そんな素敵な方にはこちらを……