マーケティングで団塊ジュニアに再評価?
『日刊合同通信』という業界紙がありまして、放送業界の情報が日々発表されています。
上のリンクで7月5日発行分のヘッドラインが掲載されていました。
この「LTV4-59」、別に新型ウイルスの名称ではなさそうですが、なんだろうと思ってXを調べたところ、こんなポストを捕獲しました。
発信者のプロフを見ると、マイナビニュースの記者さんのようです。
つまりTBSテレビはターゲティングの幅を広げるよ、ということのようです。
つかさ、電波媒体のコアターゲット戦略についてはずっと批判的だった拙者。
やっと気づいていただけたのかとの思いで胸アツでございます。
遅いよ。そんなに遅いと遅刻するぞ。
そもそも「コア視聴率」については、2018年あたりから各キー局が唱え始めましたが、そもそもは日本テレビが2004年頃に発想したものと言われています。
実際に日テレが常勝軍団になってきたのは2012年あたりからだと思いますが、勝因がこの戦略にあったという見方が他勢です。
現在は系列で微妙に異なるものの、13歳から49歳あたりを取り込もうともがいているわけです。
思い起こしてくだされ皆の衆。
日テレが「コア視聴率」を意識した2004年と言えば、人口のボリュームゾーンである「団塊ジュニア」(1971年から74年生まれ)が30代前半にいた時期です。
その前の大票田は彼らの親にあたる「団塊の世代」(1947年から49年生まれ)であり、バブル期に史上で最も経済効果を上げた世代と言えます。
しかし2004年当時には50代後半、まもなく定年を迎える年齢になっており、マーケティングでは先が見えていました。
一方、子世代の「団塊ジュニア」は、バブル経済崩壊の煽りで、「就職氷河期」がモロに直撃し、従来の正社員雇用が困難になり始め、消費もかつてのようにしなくなりました。
とは言え、30代ともなれば、家庭を持って住居やクルマなど消費活動も行っていました。
例えばマンション供給ラッシュもこの頃とシンクロしています。
将来を見据えるならば、この団塊ジュニアへのターゲティングは必須でした。
この戦略がおよそ15年も経って、テレビ業界で祭りと化すのですから、よくわかりません。
2018年における「13-49歳」には、団塊ジュニアがギリギリ残っている状況です。
誰がけしかけたのかは知りませんが、どんどん人口が減っていくところにフィルターをかけて、収支が好転すると考えるのはなんでしょうか、馬に鹿なんですかね。
「愚策じゃねーの」ってな問題提議は、以前からこの拙稿でもしておりました。
ラジオ業界ですら「コアターゲット」などと言い出すところもあったりしたほどで、この祭りはひょっとして全員死ぬまで続くバトルロワイヤルなのかとヒヤヒヤです。
みんなで仲良く滅んでいく国民性、なんとかならんのかと思っていたところで、今回のTBSテレビの新指標、まあ数年はもちそうだなと思いました。
でも正直なところ、4-59歳と広げるくらいなら、コアなんか撤廃すりゃいいじゃんと言いたいところですが、しばし様子見であります。