冷たいの裏側
パパがめずらしく熱を出した。
熱と吐き気もあるらしい。
朝から食欲がない、と朝ごはんの席を退席してベッドに横になると
パパ!お皿ピカピカになってないでしょ!
とこどもが怒り出した。
パパ具合が悪いんだって、寝かせてあげよう
と、声をかけたのだけど、いやっ!とふくれっ面で少し目の周りを赤くしている。
は、はーん、これは心配の裏返しだな。と思った。
どうやらわたしと旦那が、
熱があって気持ちが悪いんだよとか、病院に行った方が…などと話しているのを聞いていて、いつもと違うパパの様子に心配と怖い気持ちがごちゃごちゃになって“怒る”という表現になったようだ。
少し前に【パパイヤ期】の最盛期があった。
パパイヤ期とは、何をして何をしなくても兎にも角にもパパがイヤ、ママじゃなきゃイヤ!の時期のこと。(ママじゃなきゃイヤはまだあるけど、何がなんでもパパイヤの時期は過ぎた。)
この最盛期のころ、こどもが朝起きてきたパパに
パパ!起きてこないで!
と、起き抜けのパパに言っていた事がある。
お昼寝や夜寝る時に、
パパ来ないで!あっちいって!
と言っていた事も。
一度ではなく何度も何度もあった。
あまりに理不尽で旦那は傷ついているだろう…と心配していたが、本人に聞いたらそんなに気にしてないと言うので、鈍いんだろうかと思っていた。
しかしこのエピソードを姉に話したところ、目から鱗の答えが返ってきた。
あー、甘えてるんだわ〜。
びっくりした。これ甘えなの?!と。
姉曰く、
自分がどんなことをしても受け入れてくれる人にしかこういう態度は取らないもので、ちょっとしたもやもやした気持ちやどう表現していいかわからない気持ちなどを、自分を許してくれる人にぶつけて受け入れてもらう事で安心したり落ち着けたりするみたいだよ、というのだ。
姉の近所に住む4歳の男の子とそのおばあちゃんがそんな感じらしく、
いつもおばあちゃんに暴言はいててびっくりするんだけど、いつもおばあちゃんにべったりだもん、と言っていた。
そして確かにひどいことを言われている旦那はなにも気にしておらず、怯むこともなく、娘は安心してモヤモヤを旦那に吐き出している、と思ったら合点がいった。
そして今朝の、あと少し何か言ったら泣いてしまいそうなこどもの顔をみた時に、大切な大好きなパパを心配する気持ちがわたしにも伝わってきた。
もう少し成長したら、裏っかえしじゃなく、
ストレートに表現できるようになるだろうか。
ひねくれて40年のわたしが感じているから間違いないけど、ストレートがいい。素直がぜーーーったいにいい。
ひねくれてしまったママなので、それを教えてあげることはなんだかかなり難しそうなので、
遠回しじゃない方法をどうにか身につけて大人になってほしいものだ。