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定番料理

お料理はお好きですか?

何年も料理を続けていると、これは得意かもと思える調理法に出会うことがあります。
得意料理や定番料理と言えるもの、お持ちでしょうか。

わたしは親元を離れてからずいぶん長く料理をしてきていますが、なかなかこれと言った定番が持てずにいました。
わたしひとりで食べる場合、
いつもと同じものを作るとか、こんな味付けどうかな?と適当な思いつきで作ります。
当たる時もあれば失敗もあります。
ひとりですから、多少味付けが?となっても、こんなもんかな。と思いながら食べれば良いのでこれでいいのです。
でも誰かに提供するために作る料理の時、それでは自信を持って食卓に出せない…と、ほぼ毎回レシピサイトを調べてしまうのです。

お気に入りのレシピサイトがあって、その中からお気に入りを自分のフォルダにまとめておけて助かるんですよね。
あれ美味しかったしまた作ろう!と思ったら、すぐに見つけられます。

初めてトライするジャンルの料理の時はレシピ通りに作りますが、いわゆる定番料理の場合は、調味料の分量や隠し味をチェックして、
そうそう こんな味のバランスだったわ
と、いわば答え合わせ感覚でレシピを確認し、甘めの味付けが気分の日は甘味を足す、とか今日は少し胡椒多めにしよう、とかアレンジして使っています。



で、そんな感じで見つけた初トライレシピの中に、我が家の定番と化した料理があります。

豚スペアリブ の中華風煮込み

水と酒を入れた鍋にネギの青い部分と生姜と八角を入れ一煮立ちさせたところへ、フライパンで焼き色をつけたお肉を入れコトコト煮て、柔らかくなったところで、お肉を焼いたフライパンに煮汁と醤油黒酢オイスターソース蜂蜜を入れとろみが出るまで煮詰め、お肉をからめる。
というもの。

初めて作った日、
八角の香り、こどもは少し苦手かもなぁ。食べないかも。
と思いつつ、タレを控えめにした小さな塊をあげてみると、予想に反しておいしい!と食べてくれたのです。
しかもこれまでお肉は食べ残すことも多かった娘が、初めて食べるスペアリブ に食らいつき、
骨は食べないでね!ぺっ、してね
と、注意を促すと、上手に骨を避けてがじがじと齧り付き、THE・ホネだけを残してきれいに食べきる事ができました。

それ以来、我が家の大定番料理TOP10入りしたのです。
困った時はスペアリブ 。
迷った時もスペアリブ です。
少なくとも月に2回くらいは登場します。

ちなみに、お肉を煮た時に残った煮汁は、お肉の出汁が良く出ていて捨てるのは惜しい。
少し冷やすと脂が白く固まってくるので、取り除いてカロリーダウンさせ、美味しいところだけを残して、きのこや野菜などと一緒にスープにします。
これもまた美味。

こうして大定番になったスペアリブ ですが、何度も何度も作るうち、タレのバランスを少し変えてみたりして、レシピアレンジをしはじめてしまったのです。

ある日、なんか違うかも…あの時の味から離れ始めてるかもと気が付きました。
それなりに美味しくできていたのですが、レシピ通りの時ほどではなくなってきている気がしたのです。

その次に作る時、レシピ通りに戻してみたところ
やっぱりコレ!このバランス!
納得の仕上がりでした。


中華風レシピですから、私の中の中華ベストバランスはまだ確立されていなかったのでしょう。
100年早い、いや中華は3000年の歴史があるのだからアレンジなんてとんでもない。
もっとたくさんの中華料理を、ソラで作れるくらいじっくり自分に取り込んで、モノにしなければ。

これからも何度も何度も作り込み、
いつかこどもにわたしの味として教えてあげたいと思うのです。


スペアリブ を煮込んでいる日、父と電話をしていました。
今夜はスペアリブだよ、と言うと、
うちのスペアリブは漬けダレに漬け込んで焼くタイプだな 煮込んだのは食べた事ないから今度作ってよ
と、思いがけないリクエストをもらいました。
母の料理を堪能するだけで、実家で料理などした事なんてあったかな…
しばらく会えていない両親に、今度会いに行った時に作ってあげようと思います。

骨付きの大きな肉に齧り付く娘を見て、大喜びするじいじとばあばの顔が目に浮かぶようです。

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