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【イベントレポート】Sustainable Food  NIGHT #22 2024.11.14

こんにちは! Sustainable Food Asia株式会社の遠藤です。

2024年11月14日(木)に開催された『Sustainable Food NIGHT #22』〜かくれフードロスを減らす技術革新と未来の食サイクル〜の開催レポートをお送りいたします!

Sustainable Food NIGHTって?

日本・アジアから世界に「サステナブルフード」を定義するべく国内外でイベント開催や出展、現地ツアー等を行うSustainable Food Asia株式会社が主催する、月例ナイトイベントです!2023年6月グランドオープンのSustainable Food Museum(以下:ミュージアム)内で毎月、サステナブルな食の未来を作るため奔走するスタートアップ企業の代表をゲストに招き、トークセッション+試食懇親会を開催しています。
(来月12月はミュージアムの拡大移転に伴い、開催いたしません)

登壇者プロフィール

◇メインゲスト:
- ASTRA FOOD PLAN株式会社 代表 加納 千裕氏
女子栄養大学を卒業後、ロック・フィールドで惣菜の製造・販売、榮太樓總本鋪で菓子の商品企画・新ブランドの立ち上げなど、一貫して食品企業のキャリアを積む。父が創業したベンチャー企業で、過熱水蒸気技術を活用した食品関連事業にも参画。
2020年8月ASTRA FOOD PLANを設立。独自の乾燥技術「過熱蒸煎機」を開発し、食品残渣や規格外農作物などをパウダー化した『ぐるりこ®』を販売。「かくれフードロス」解決に取り組む。

◇モデレーター:
- 株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻修了 博士(農学)上級バイオ技術者
【専門分野】農学、分子生物学、土壌微生物学
設立初期よりリバネスの運営に参加。教育・研修事業、各種ライティングに関する実践を学んだ後、アグリ分野の先進技術開発・導入、地域創業エコシステム構築事業の立ち上げを行う。

- Sustainable Food Asia株式会社 代表取締役 海野 慧
1984年生まれ。高校生の時に「世界がもし100人の村だったら」という本を読み、国際協力開発に関与する仕事を志ざし、立命館大学国際関係学部に進学。株式会社じげんの創業期に2007年新卒で入社。2013年に事業管掌取締役となり、東証マザーズへ上場。2019年退社。
2020年、CarpeDiem株式会社を創業。社会課題の本質的解決を実現するためにSTART CAMPなどのカンファレンスを運営。2022年、アジアからサステナブルな新しい食産業のエコシステムを創るため、子会社にSustainable Food Asia株式会社を設立。フルーツミートの展開や、アジアのフードテックスタートアップを集めたSustainable Food Camp、Sustainable Food Museum/サステなおむすび等運営。

イベント概要

日時:2024年11月14日(木)18:00~20:45
会場:Sustainable Food Museum(サステナブルフードミュージアム)
参加料金:5000円(※Peatix事前申し込制
主  催:Sustainable Food Asia株式会社
プログラム:
・ASTRA FOOD PLAN株式会社 事業紹介
・トークセッション「かくれフードロスを減らす技術革新と未来の食サイクル」
・試食を兼ねた懇親会
※本交流会における全ての情報は、主催者の知的財産であり、無断での録音・録画、複製、頒布、改変、公衆への送信、展示、実行、および利用を禁止します。

トークセッション「〜かくれフードロスを減らす技術革新と未来の食サイクル〜」

今回は、ASTRA FOOD PLAN株式会社(以下「ASTRA FOOD PLAN」)の代表 加納 千裕氏をゲストにお招きし、「〜かくれフードロスを減らす技術革新と未来の食サイクル〜」というテーマでのトークセッションと、試食会兼交流会が実施されました。

〈左からSFA 海野、ASTRA FOOD PLAN 加納氏、リバネス 塚田〉

「ASTRA FOOD PLAN」について

「もったいない」という言葉に象徴されるように、食品工場などから排出される「食品ざんさ」(年間約2000万トン)は、食べられるにもかかわらず廃棄されており、それらをASTRA FOOD PLANさんは「かくれフードロス」と名付けました。
独自開発した『過熱蒸煎機』を活用し、そこから食品ざんさを「新素材」にアップサイクルしています。「もったいない」から「おいしい!」に変えるだけでなく、生成されるアップサイクルパウダー『ぐるりこ®』は、安全・美味・高栄養価な原料として活用が可能です。
ASTRA FOOD PLANさんは、業界を超えた連携を通じて、持続可能な社会を目指す循環型フードサイクルの構築に取り組んでいます。

過熱蒸煎機とは?

過熱蒸煎機はASTSRA FOOD PLANさんが独自開発した食品乾燥機で、水蒸気よりも高温な400℃近い過熱水蒸気を食品に当てることで、食品を短時間で乾燥させます。
ASTSRA FOOD PLANさんの過熱蒸煎機の大きな特徴は下記の3点が挙げられます。
 ・5-10秒で乾燥可能なこと
 ・高い殺菌力と高品質の両立 
 ・ボイラーレスで低コストなこと
また、量産性が高く、形を問わないことから食品工場から排出される「かくれフードロス」のアップサイクルに最適と言えます!

「かくれフードロス」の現状と課題

実は、フードロスは製品の売れ残りや食べ残しよりも、食品工場の製造段階で排出される「かくれフードロス」の方が4倍近く多い現状があります。キムチや漬物を製造する企業は年間5億円をかけて、それらの処理をしているとの話もありました。 

それらを堆肥や肥料にするというのはよく聞く話かも知れませんが、それでは1㎏100円以下の売値にしかならず、食品会社のメリットが多いとは言えません。
しかし、乾燥食品パウダー『ぐるりこ®』にアップサイクルすることで、その売値は数千円にまであげることができます!

アップサイクルパウダー『ぐるりこ®』

ASTRA FOOD PLANさんでは、食品加工工場から排出されるかくれフードロスから作られる乾燥食品パウダーを『ぐるりこ®』という名前で販売しています。
『ぐるりこ®』という名前には、ぐるりと食品が循環する様子を可愛らしく表現したいという願いが込められています!

現在、大手牛丼チェーン吉野家さんの工場で排出される玉ねぎは、ほぼ全てASTRA FOOD PLANさんの過熱蒸煎機によって「タマネギぐるりこ」としてアップサイクルされており、それがパンやソーセージに練り込まれたりと、まさしく「もったいない」から「おいしい!」へのステップアップを遂げています!

サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル

ASTRA FOOD PLANさんでは、過熱蒸煎機の販売だけでなく、一部機械のレンタルや生産された『ぐるりこ®』の販売・それらの販路開拓、用途開発を行なっています。
機械を納品して終わりではなく、生産された『ぐるりこ®』を買い取り、それらの販売まで手がけているところにとても驚きました。その背景には、食品企業さんが少しでも過熱蒸煎機を導入しやすい条件に設定し、業界全体のかくれフードロスを削減したい!という強い思いがありました。

さらに、過熱蒸煎機レンタル&ぐるりこ買取モデルは、食品企業が本来ならば廃棄してしまう食材を、過熱蒸煎機で『ぐるりこ®』にして活用することで、収益を上げることも可能になります。
現在、そのモデルを開拓中とのことでしたが、可能性・社会課題へのインパクト共に大きなビジネスだと感じました。
加納さんがおっしゃっていた「美味しいと環境に優しいの両立」はASTRA FOOD PLANさんの技術とビジネスモデルがあれば実現される世界だと感じた今回のSustainable Food NIGHTでした✨

試飲会&交流会の様子

後半は1階に移動し、ミュージアムスペースにて試食会&交流会を実施しました。
タマネギぐるりこを活用した「納豆軍艦」「吉野家牛丼トッピング
クラフトビールの絞りかすから作られたぐるりこを活用した「グラノーラ
池田糖化工業さんより、
ぐるりこ配合の「魯肉飯」、「ぐるりころっけ
プラントベース「デミオムライス」「キャラメルマカロン(風)
NINZIAさんより「糖質ゼロ唐揚げ
BEYOND FREEさんより「プラントベースミニケーキ チョコレート・柚子
Tea Roomさんの「大河内煎茶・ジャスミン煎茶
これらが試食品として並び、参加者の皆様は美味しい料理に舌鼓を打っていました!

タマネギぐるりこはうま味が強いだけでなく、香ばしい香りも加わるため、少量加えるだけでどの料理にも存在感のあるうま味が加わっているのがとても印象的でした。

〈タマネギぐるりこを混ぜ込んだ 納豆軍艦〉
〈吉野家牛丼 タマネギぐるりこトッピング〉
〈池田糖化工業さん 魯肉飯〉
〈池田糖化工業さん ぐるりころっけ〉
〈池田糖化工業さん プラントベース デミオムライス〉
〈池田糖化工業さん プラントベースキャラメルマカロン(風)〉
〈NINZIAさん 糖質ゼロ唐揚げ〉
〈BEYOND FREEさん プラントベースミニケーキ チョコレート〉
〈BEYOND FREEさん プラントベースミニケーキ 柚子〉

終始タマネギぐるりこの美味しさに食べる手が止まらない試食会となりました。さらにその場で過熱蒸煎機の商談が決まったり?!と交流会も盛り上がっておりました!

次回イベント

月例で開催しておりますSustainable Food NIGHTですが、12月はSustainable Food Museumの拡大移転に伴い開催せず、1月30日に新Museumのオープンイベントと合せて、スペシャル会になるよう計画しております!
詳細情報はこちらのPeatixより公開予定です!
みなさまのご参加、心よりお待ちしております!

お問い合わせ

Sustainable Food Museumでは定期イベントの実施だけではなく、ワークショップなどのイベント開催、サステなおむすびでのコラボ商品の展開、ショーケースプロダクトの募集等、幅広い展開を予定しております!
ご興味ある方は、ぜひ以下へのご連絡お待ちしております。
当日お越しの際は、ぜひ運営スタッフにも直接お声がけください!
Sustainable Food Museum お問い合わせ窓口showcase@sustainablefoodasia.com


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