Tommy february⁶好きな曲ランキングTOP10 【1位〜5位】〜レビューとプレイリスト付き〜
はじめに
Tommy february⁶についての記事を何度か執筆してきましたが、彼女のことをよく知らない方もいらっしゃるかもしれません。
前回に引き続き、彼女の音楽を知る入り口の一つとして、私の独断と偏見で選んだTommy february⁶の好きな曲ランキングを作成してみました。
今回の記事では1位〜5位の曲を紹介していきます。
↓ 6位から10位の記事はこちら ↓
好きな歌詞のフレーズを引用したり、当時の思い出や大人になった今だから分かることを交えながら、彼女の音楽の魅力を少しでもお伝えできれば幸いです。
また、記事の最後には、今回ご紹介した曲に関連する音楽(同じような雰囲気の曲や、影響を受けた曲など)をまとめたプレイリストも掲載しています。
この記事を機に、大好きなTommy february⁶の音楽に興味を持っていただけたら幸いです。
それでは、早速ランキングを発表したいと思います。
第5位 『Bloomin'! 』
収録アルバム:『Tommy february⁶』
2002年2月6日に発売された1stアルバム。『Bloomin'!』は4曲目に収録されているが、既に1月17日に先行シングルとしてリリースされていた。
Tommy本人によるオーディションで選ばれたというチアダンスチーム「Tommy ☆ angels」のMVもさることながら、80年代ダンスポップを基調とした、キラキラとした軽快なサウンドがたまらなかった。
カラフルな花たちがパッと開き出すような、そんなきらめくサビから始まるこの曲は、春の光を浴びて踊り出す、少女の夢のような世界へと私を連れて行ってくれるようだ。
当時は資生堂「ピエヌ」のCMや店頭プロモーションビデオにも起用され、春らしい華やかなピンクカラーの口紅を艶やかに彩る様子は、映像と楽曲が見事に融合し、Tommy february⁶の世界観をより一層際立たせている。
第4位 『 BE MY VALENTINE』
収録アルバム:『TOMMY CANDY SHOP ♡ SUGAR ♡ ME』
Tommy february⁶の8年ぶりのシングルとして、2013年2月6日にリリースされた『BE MY VALENTINE』。川瀬智子のデビュー15周年企画の、記念すべき第1弾として発売された。
この曲は後の6月12日、15周年企画の第2弾として発売されたアルバム『TOMMY CANDY SHOP ♡ SUGAR ♡ ME』にも収録される。
聴いているだけで心が躍り、幸福感が溢れてくる、魔法のような楽曲。
SUPREMESの『恋はあせらず (You Can’t Hurry Love)』を彷彿とさせる、
60年代のMotownらしい、陽気で軽快でダンサブルなサウンドは、バレンタインデーを歌う甘い空気にとてもマッチしていた。
『恋はあせらず』と言えば、私がTommy february⁶に夢中になるきっかけとなったジャスミン・アレンが天才てれびくんで歌った同名曲がある。
(それについて書いた記事はこちら)
『BE MY VALENTINE』を歌うTommy february⁶の中に、『恋はあせらず』を歌うジャスミン・アレンを重ねながら、私は再びあの頃の高揚感を味わった。
十数年という歳月が流れ、ジャスミン・アレンとTommy february⁶という、一見何の繋がりもないように思える二つの存在が、私の心の中で結びついた瞬間だ。
あれからまた十数年が経ち、2025年。
2015年にリリースしたミニアルバム『Tommy's Halloween Fairy Tale』以降、新曲をリリースしていないTommy february⁶が、ここ数年のY2Kブームで再注目されている。
そして大人になった今、自分がnoteで彼女の思い出について書き始めているとは、なんとも不思議な縁を感じずにはいられない。
やはり、すべての出来事はどこかでちゃんと繋がっているものなのだ。
第3位 『SwEEt dREAM』
収録アルバム:『Tommy airline』
2004年3月17日に発売された2ndアルバム。『SwEEt dREAM』は6曲目に収録されており、アルバム全体で俯瞰して見ると地味な立ち位置にある曲かもしれない。
しかし、初めてこのアルバムを手にした小学五年生の頃から、この曲は私の心の奥底に深く根を張った。
古いフィルムで見た夢のような、どこか懐かしい感覚。
それは、幼い頃に見た夢、あるいは一度は忘れてしまったはずの大切な記憶を呼び覚ますような体験だ。
そしてこの曲のイントロは、まるで夢の中で迷子になったような、ふわふわとした感覚を呼び起こす。
現実と夢の境目が曖昧になり、どこまでも続くような広大な空間を漂っているような感覚だ。
高校生の頃、My Bloody ValentineやThe Jesus And Mary Chainといったシューゲイザーの轟音に心を奪われていた。
その轟音の中に、かすかに光るメロディを聴き出し、私は次第にCocteau TwinsやBeach Houseといった、ドリームポップの世界へと呼び寄せられていった。
もしかすると、私の心の奥底では「SwEEt dREAM」が長い眠りから覚めるのを待っていて、私がこちらの世界に来るのをずっと待っていたのかもしれない。
それが確かだとすれば、「SwEEt dREAM」は私にとってのドリームポップの原風景的な存在だ。
「届かないようで届きそうな月」「ふたりを隔てるチョコレートの壁」――この歌詞は現実と夢の狭間を泳いでいるような、切なく美しい情景を描き出している。
そして、「ゆっくり崩してフォークとナイフで ねえ鍵をかけて秘密の箱」というフレーズ。
この言葉は、私を夢の世界へと誘い込む魔法の鍵のように胸の内に響き、私はまるで夢遊病にかかったように、現実から切り離されていく。
現実世界の重力から解放され、どこまでも続く広大な夢の世界を漂っていたいーー。
そんな願望が叶うこの曲は、私にとっての心のオアシスのような存在だ。
第2位 『I Still love you boy』
収録アルバム:『Tommy airline』
前回の記事にも書いた通り、勝手に『僕等がいた』の物語を重ね合わせ、『I HOLD YOUR NIGHT』とセットで聴いている個人的大名曲バラード。
中学生の頃、カラオケで何度歌ったか分からない。
Tommy february⁶というフィルターを外しても、人生における恋愛ベストソングの五本指に数えられる、今でも大好きな曲である。
『I Still love you boy』に関してはかなり思い入れが強く、中学時代の個人的な思い出と強く結びついているため、ここには当時の思い出を赤裸々に書き記すことができないが、その代わりにこの素晴らしい歌詞(すべて)を引用したい。
第1位 『MaGic in youR Eyes』
『ふたりのシーサイド』
(選び切れず二つランクインしてしまいすみません)
『MaGic in youR Eyes』
収録アルバム:『Tommy airline』
『MaGic in youR Eyes』は、純粋無垢だった頃の小学生時代の自分を表す特別な一曲だ。
『Tommy airline』に収録されたこの曲は、当時、金曜の夜にテレビの前に釘付けにされたテレビドラマ『奥さまは魔女』の主題歌でもあった。
箒にまたがり空を飛ぶヒロイン(当時は米倉涼子の存在を認識していなかった)の姿は、魔法使いというよりは、夜空を駆けるロマンティックな少女のようだった。
曲の方はといえば、多くの楽曲に見られるユーロビート系の打ち込みや全体的な音数は控えめながらも、夜の街のキラキラとした雰囲気や、恋する女の子の鼓動が感じられる、乙女チックなサウンドになっている。
そして、Tommyの紡ぐキャッチーでラブリーな言葉たちが 「光る街を見下ろし」 、一つの物語を描くようにして 「流線形を描いて」、星空の上を駆けていく。
この曲を聴くと、ポータブルMP3プレーヤーを片時も手放さず、Tommy february⁶の世界に浸っていた当時の記憶が鮮明に蘇ってくる。
小学生時代のキラキラとした思い出たちを全て閉じ込めたタイムカプセルのような、自分の人生を振り返る上で欠かすことのできない、大好きな曲だ。
『ふたりのシーサイド』
収録アルバム:『Tommy airline』
『MaGic in youR Eyes』が小学生時代の自分を表す特別な一曲だとしたら、『ふたりのシーサイド』は思春期だった頃の中学生時代の自分を表す特別な一曲だ。
「Drivin' 渚を走る Car radio から流れる イントロが胸を打つ せつない想い出のナンバー」
渚をドライブしていたら、偶然ラジオから思い出の曲がイントロ流れてきて…という書き出しから始まる、失恋の切なさを描いた小説のような曲だ。
ローファイなサウンドが夏の倦怠感を誘い、Tommyのアンニュイな歌声が心の奥底に染み込んでくる。
小学生の頃は、この曲のメロディの美しさに惹かれていた。
しかし、その歌詞の意味を深く理解したのは、思春期の真っ只中だった。
純粋無垢だったはずの小学生時代から一転し、中学生になった私は、複雑な感情の渦中にいた。
「なぜ自分はダメなんだろう」という自問自答が、私の心を蝕んでいく。恋愛の切なさ、友情の葛藤、将来への不安……。
それらの感情が、複雑に絡み合い、私の心を揺り動かしていた。
思春期は誰にとっても特別なもので、夜に一人で渚をドライブするような、孤独な旅のようなものだ。
毎日が新しい発見の連続で、同時に、心のどこかで孤独を感じていたのかもしれない。そんな私の心の揺れをこの曲は完璧に代弁し、私の大きな支えとなっていた。
ミルクティー色の空の下、波打ち際を歩く二人のシルエットが幻のように、脳裏に浮かび上がる。それは、もう二度と戻らない、あの頃の私と「あなた」の姿だ。
「あなたの面影」を「涙のシールで閉じ」、「甘い記憶に見送られ」ながら、「こぼれた涙を拭い」たあの日。
あの頃の私はこの曲を聴きながら、自分自身を見つめ、そして未来に向かって歩き始めようとしていたのだと思う。
甘酸っぱい青春の日々、そして、その脆さ。相手への未練や、未来への漠然とした不安。二度と戻らないからこそ尊い、あの日々のカケラが、この曲の中に詰まっている。
きっと、この曲を聴くたびに、私はあの日々の記憶を鮮やかに蘇らせ、自分自身を見つめ直すことができる。
『ふたりのシーサイド』はこれからも、私にとっての「せつない想い出のナンバー」であり続けるだろう。
以上、1位から5位までのランキングでした。
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Spotifyで公開中のプレイリストもよかったら聴いてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!