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SF作品紹介その2 - サイバーパンク映画の金字塔『ブレードランナー』

作品情報

原題:「Blade Runner」
原作:フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
監督:リドリー・スコット
脚本:ハンプトン・ファンチャー、デヴィッド・ピープルズ
公開:1982年6月25日(米国)

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※いずれもGoogle検索結果より

同年代に公開されている作品

1981年『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』
1982年『E.T. the Extra-Terrestrial』
1984年『ターミネーター』
参考:1980年代のSF映画の一覧 - Wikipedia

SF初心者おすすめ度 星5 ★★★★★

あらすじ:脱走した4匹のレプリカントを追うブレードランナー

21世紀初め、アメリカのタイレル社は人間そっくりのネクサス型ロボットを開発。それらは「レプリカント」と呼ばれた。特にネクサス6型レプリカントは体力も敏しょうも人間に勝り知力もそれを作った技術者に匹敵した。

レプリカントは地球外基地での奴隷労働や、ほかの惑星の探検などに使われていたが、ある時、反乱を起こして人間の敵に回った。地球に来たレプリカントを処分するために、ブレードランナー特捜班が組織された。

ブレードランナー ファイナル・カット・字幕版 冒頭より

これぞサイバーパンクな世界を味わえる作品

酸性雨が続く2019年のロサンゼルス、街にはアジア風のネオンが怪しく光る露店が並び、空中では飛行艇が日本語で広告を流す、これぞサイバーパンクという世界観です。

以降のSF作品でも見られるようなサイバーパンクの原点ともいえる風景が広がっていて、初心者がみても十分に楽しめる作品です。

緊迫感のあるストーリー

レプリカントを処分するよう命じられたデッカード(ハリソン・フォード)は数少ない手がかりから少しずつ、レプリカントの所在を突き止めていきます。

レプリカント側もだまって処分されてくれることはなく、ブレードランナーへの抵抗をみせます。追い詰め、追い詰められる緊迫したストーリーになっていて特別SFが好きというわけでなくても楽しめる作品だと思います。

SF好きおすすめ度 星4 ★★★★☆

サイバーパンク映像化のさきがけとも言える作品

いまや様々な映画で映像化されているサイバーパンクの世界観。ブレードランナー公開当時は、ちょうど「サイバーパンク」という表現があらわれ始めた時期だったようです。

混雑した路地やネオンが光る屋台、煌びやかな電子公告などサイバーパンクとしてイメージされるものを映像化した初期の作品として楽しめます。

感想(ネタバレなし)

原点を感じられる作品でした

いまとなってはよくある表現なのかもしれないと思ってしまいましたが、当時は、新しい世界観だったんだろうなぁと想像させられる作品です。

アニメ『攻殻機動隊』を先に見ていて、世界観としては近いものがあるなぁと思いましたが、ブレードランナーの影響もあるみたいです。

ストーリー・感想・考察 ※ネタバレあり

ストーリー

脱走して地球に到達した4匹のレプリカント(バッティ、リオン、ゾーラ、プリス)。彼らは自身の寿命が4年と知り、延命の手段がないかを探すため、地球へと潜入してきた。

脱走したレプリカントを追うため、一度はブレードランナーを引退したデッカードに声がかかる。

レプリカントについての情報を得るため、その製造元であるタイレル社に訪れたデッカードは、自分がレプリカントではないかと疑っている女性、タイレル社の秘書レイチェルに出会う。

レイチェルがレプリカントであることを見抜いたデッカードは、アパートに押しかけてきたレイチェルに問い詰められ、レプリカントであることを伝えてしまう。

自身がレプリカントであることを知ってしまったレイチェルは、タイレル社を去り、彼女もまた脱走したレプリカントとして処分の対象になってしまう。

一方デッカードはレプリカントを追跡し、人工蛇の鱗から、蛇を使ったパフォーマンスをしている踊り子ゾーラまでたどり着く。ゾーラは抵抗し、逃走するが最後にはデッカードに射殺されてしまう。

ゾーラを射殺した直後、脱走したレプリカントの1匹リオンの襲撃にあい殺される直前まで追い詰められてしまうが、背後からの銃撃によってリオンは頭を撃ち抜かれ、デッカードは命拾いする。リオンを射殺したのはタイレル社から抜け出したレイチェルだった。

デッカードはレイチェルを自宅アパートへと招く。レイチェルは自分自身も処分するのかとデッカードに尋ねるが、デッカードは「他の誰かがやる」といい、彼女を匿う。

レプリカントのリーダーであるバッティは、眼球技師を脅してタイレル社へと潜入する方法を聞く。キーマンとなる技師JF・セバスチャンへとプリスを使って近づき、ついにはタイレル社の社長であり、自身をつくったタイレル博士と対面する。

タイレル博士に対面したバッティは延命の手段を聞きだそうとするが、すでにどれもタイレル博士によって試されていた。バッティはタイレル博士、JF・セバスチャンを殺害し、また逃走を重ねる。

JF・セバスチャンのアパートへと身を隠していたプリスだったが、タイレル博士、JF・セバスチャンの死体が発見されたことでデッカードに見つかってしまう。

プリスとの戦闘に辛くも勝利したデッカードは、戻ってきたバッティと最後の死闘に臨む。アパートの屋上のへりにかろうじてぶら下がっているところまで追い詰められたデッカードだったが、最後にはバッティによって屋上へと引き上げられ、バッティはそのまま寿命でスイッチが切れたかのように死んでしまう。

自身のアパートへと帰ったデッカードは、レイチェルを自宅から連れ出し、逃避の旅へと出る。

バッティはなぜタイレルを殺し、デッカードを救ったのか

レプリカントは頭脳も優れているはずなのに、なぜ衝動的にタイレル博士を殺してしまったのでしょう。博士を殺しても死の運命を変えることはできないことは、レプリカントであれば、おそらくわかっていたはずです。

それとは逆にデッカードには手を差し伸べました。自身の死の瞬間を悟ったからでしょうか。「恐怖の連続だろう」「それが奴隷の一生だ」ということばを使っていましたが、そこに自身と人間が似ている存在であることを悟ったからなのかなと思いました。

救いたかったからなのか、死の運命を今後も味わわせるためなのか、真意はわかりませんが。

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