【単純接触効果(ザイアンスの法則)とは】
単純接触効果(ザイアンスの法則)とは、人や物に何度も接することで、次第に警戒心が薄れて、その人や物に対して好意を抱く効果を指します。ザイアンスという人によって生み出されたものがその由来です。この単純接触効果というのは誰もが日頃から影響を受けています。
社会生活の場で、初対面の相手に対してまったく警戒心を抱かないという人はまれでしょう。しかし、2日、3日と一緒に過ごすことで警戒心は消えていき、次第に打ち解けていく、これが単純接触効果です。
単純接触効果は対人だけでなく、さまざまなものに当てはまります。音楽も何度も聴くことによって、その音楽に対して好感度が増しますし、CMやテレビ番組で何度も繰り返し目にした商品に次第に好感度が増していく、ということもよくあります。
《単純接触効果を応用し恋愛や営業を成功させる方法》
単純接触効果は会った回数に比例します。重要なことは会っている時間に比例しない、ということです。長時間同じ時間を過ごす必要はなく、一瞬でも相手の視界に入るということが大切なのです。
この一瞬を何回も何日も繰り返すことで、その人は自分に好意を抱いてくれます。地道に何度も何度も、相手の邪魔にならない程度に、視界に入るようにしましょう。また、ただ視界に入るだけではなく、同時にあいさつも軽く行うとより効果的です。あいさつは聴覚も刺激することができますし、あいさつから会話が広がっていくこともあります。
恋愛の場合も、毎日少しの時間でいいので、何回も接することが好きな人に振り向いてもらううえで欠かせません。これは仕事でも同じで、営業やセールス職であれば、一度断られたとしても、頻繁に顔を出すようにすると、相手があなたに対して心を開いてくれる可能性が上がります。
《単純接触効果を広告や職場で使う方法》
人というのは、同じ人と何度も接することによって警戒心が消えていくということが分かっています。それは対人だけでなく、全く興味のない広告などでも、毎日見ているうちに気になってくるものです。
対人においては、会えば会うほど関係が親しくなっていくということではありません。たとえば、同じクラスで毎日のように顔を合わせているにもかかわらず、そこまで会話をしたことがない、ということもよくあります。その逆で、そこまで会う頻度は多くないにも関わらず、親友のように仲のよい友人もいると思います。これは警戒心が消えることと、仲よくなることは同じではないのです。
また、単純接触効果は、相手に対する好き嫌いといった感情が湧いてくる手前の段階で役立つものです。相手のことがもともと嫌いであれば、接触回数を仮に増やしたとしても好感度というのは上がることはありません。
そのため、たとえば職場で、自分のことを嫌っている相手と接する回数を増やす、という試みをしたとしても、むしろさらに嫌われてしまう可能性が高くなってしまいます。嫌いという感情が好きという感情に転じるというのは、そうたくさんあるものではないからです。
《単純接触効果が逆効果になる場合》
単純接触効果が逆効果になるのは、第一印象などの早い段階において嫌悪感を抱いてしまったときです。接触する回数が増えるほど、悪い印象がさらに増幅してしまいます。つまり、ファーストコンタクトは非常に重要だということです。
これは恋愛やビジネスなどどのような場面においても、一度嫌悪感を抱かれてしまうと、コンタクトの回数を増やしたぶんだけ嫌悪感はどんどん増幅していくので、自分が嫌われているようだなと感じた場合、ザイアンスの法則は使用しないようにしましょう。
《単純接触効果は上手に使うと効果的》
単純接触効果というのは上手に利用すると人間関係などにおいて効果的です。たとえば、恋愛の初期の段階では、ザイアンスの法則が有効になります。
出会ってすぐに、いきなり相手との距離を縮めようとせずに、少し顔を合わせたり、あいさつをする程度の期間をつくりましょう。出会って間もない人に、唐突に打明け話をしたりすると引かれてしまいますから、無理やり会話をしようとせず、顔を合わせる回数を増やして、少しずつ相手の警戒心を解いていきましょう。
単純接触効果をうまく使うことで、相手のあなたに抱く印象をよくすることができ、恋愛でも仕事でもいい影響が出るようになるはずです。
単純接触効果の応用
面識のない対象であっても、映像や音などで繰り返し接触すると好意度が上昇する。特に対人関係については熟知性の原則と呼ばれる。このとき、対象の持つ性質・性格や背景は好意度の上昇に無関係である。
「薬局に行ったときに同じような商品の中から何度もCMで目にした事がある商品を購入した」「何度か会ううちに打ち解けて親友になった」といった経験は多くの人が持つ。
ブログ記事内で特定の商品について画像や文章で何度も説明するアフィリエイトも、単純接触効果の応用である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?