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小満と初鰹
2024年5月20日の22時。
立夏から小満へと
季節が移りました。
小満に入ると同時に、
太陽は牡牛座から、双子座へと移動。
まとめ
今回は、旬の食材について解説する回でした。
なので、ジャンプネタはございません。
ざっくりこんな内容です。
盈満ってなんじゃらほい
五月病の原因は?
現代人は栄養失調
初鰹はスーパーフード
季節の薬草ネタ
気になる部分だけ、
目次から飛べるのでどうぞ良しなに。
何が満ちるから小満?
満ち溢れる生命力
万物盈満すれば草木枝葉繁る
『全てのものが一層生命力に満ちあふれて、草木の枝葉がますます生い茂る』
盈満なんて単語、初めて見た。
そういう人もいらっしゃると思います。
漢字に縁がないのも、ネット時代あるあるですよね。
盈月虧月、という四字熟語も
個人的には雅びな表現だなぁと
ニヤニヤしてしまうのですが。
『盈』という漢字。
皿の上から何かがこぼれ、あふれそうに見えませんか?
実際に
『みちる、あふれる』という意味で使われます。
確かに、
アスファルトに覆われてる道端でも
緑がグイグイ育っている
それが5月下旬の風景ですよね。
五月病になるのは人間だけ
自然界では、「草木枝葉が繁る」時期ですが、
一方で五月病という表現もありますよね。
何故人間たちは立夏、小満のころに、
調子が悪くなってしまうのか?
それはいろんな理由があるけれども
根っこの部分に
生き物としての生命力が足りていない
その影響で
気力が続かない
朝に弱い
甘いものがやめられない
ということになってしまうんだろうと
側から見て、納得しております。
初鰹はめっちゃ重要食材
初物を有り難がる文化が、日本にはあります。
その中でも、
こんな風にまで有り難がる食材が、
小満の旬の食材です。
女房を質種にしてでも食べる必要がある
江戸時代、こんな慣用句が
江戸っ子の間で言い伝わるようになりました。
初鰹は女房を質に入れてでも食え
男尊女卑かと受け取られそうですが、そうではありません。
『どんな手段を使ってでも、初カツオだけは食べるべき!』
という食いしん坊さんの言い分、
いえいえ
季節の大事な食養生だったのです。
ただ、
江戸時代は今のように保冷技術が万全ではなく、
流通量も限られたため
最高値で1匹20万円
という高級食材だったこともあるそうです。
初鰹は旬の薬膳食
鰹は、これから暑い夏を迎えるために
ベストな栄養満点な食材。
黒潮をグイグイ泳ぐ筋肉質な身は
良質なアミノ酸の塊。
そして
荒波に揉まれたアミノ酸の塊には
日本人の最も不足しているミネラルのひとつ
ヘム鉄
免疫力維持や
ホルモン分泌などの
生殖活動に重要なビタミンB群とビタミンD3
この3つが多く含まれているのです。
五月病やプチうつ、
朝が起きれない
PMSやED
これらの症状は
鉄分、ビタミンB、ビタミンD
この3種が足りていない状態です。
はじめはジワジワゆっくり
あとから急激に自覚症状が悪化する。
これが本当の栄養失調です。
鉄分とるならオリーブオイルと玉ねぎを添えて
旬の食材であるカツオを
手軽に美味しく
しかも、
栄養吸収しやすく食べるなら
鰹のたたきに
新玉ねぎとオリーブオイル。
生魚が無理なら
玉ねぎスライスに
鰹節とオリーブオイルをかけて。
鉄分をより吸収しやすく食べるなら
ビタミンCの多い野菜類や柑橘類と
一緒に食べることをオススメします。
玉ねぎの白い色は
ケルセチンという物質が多いから
ケルセチンは抗酸化物質です。
低温圧搾したピュアな
オリーブオイルは
ビタミンCとビタミンEがたっぷり。
自炊とかそんなの忙しくて
やっとれんわー!
そんな人には
まずは
オカカと梅干しのおむすびに
キュウリの浅漬け
これからの暑い時期は
この組み合わせで
お昼ごはんを選ぶことからお試しください。
枇杷は大王薬樹
5月下旬の味覚と言えば、もうひとつ。
薄いオレンジ色した果物、ビワです。
枇杷は実だけじゃない
枇杷(ビワ)は、果物ですが、
実は葉っぱにも栄養や薬効があります。
汗疹には枇杷茶でケア
これから汗ばむ時期ですが、
肌トラブルにお試しいただけるセルフケアを。
それは、枇杷の葉茶を使うお手入れ。
昔から、枇杷の葉は、
お茶にしたり、アルコールに漬けて
呼吸器や肌荒れの薬草として
漢方薬では使われています。
『枇杷を庭に植えると、病気知らず』
生命力の強い枇杷の木には、そんな願掛けもあります。
枇杷に限らず、
この時期の薬草は
夏を過ごす上で色々お役立ちなメンツです。
薬草界では『十薬』とも言われるドクダミ。
スーッとお口スッキリになるミント。
そして、薬草界の女王ヨモギ。
この3種の植物は、全て
お茶にしても
肌荒れや擦り傷などのケアにも
東洋だけではなく、
ヨーロッパの薬草学でも
ずっとずっと昔から使われています。
夏を迎える支度のひとつとして、
枇杷の葉茶やドクダミ茶もお試しくださいね。
小満の七十二侯
小満をさらに、3つの季節に分けると、
以下の通りです。
初侯 5/20 〜 5/24 ごろ
蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう) : 日本
苦菜秀(くさい ひいず) : 中国
次候 5/25 〜 5/30ごろ
紅花栄(こうか さかう) : 日本
靡草死(びそう かる) : 中国
末候 5/31 〜 6/4
麦秋至(ばくしゅう いたる) : 日本
小暑至(しょうしょ いたる) : 中国
着物を着る人たちしか
シルクで織られた生地には
馴染みが無いかもしれませんが、
シルクプロテイン、という言葉通り
シルクは、蚕の繭から採れる動物性繊維です。
蚕の幼虫が成虫になるために
桑の葉を食べる時期。
化学繊維にまみれた今の時代だと
あまりピンと来ない表現かもしれませんね。
紅花といえば、こんな映画がありますね。
紅花にしろ、養蚕にしろ、
季節の変化を中心にした
自然界の中で生きる持続可能な生活様式
だと思います。