「買い物体験」から「買った物体験」 #読書感想文
望月智之氏著の「買い物ゼロ秒時代の未来地図」という本を読みました。今回はこの読書感想文となります。今回もいつもの通り、気になったフレーズやキーワードから展開していきます。
顧客自身が商品やサービスのメイキングに関わりながら、
これは、けんすう氏が提唱し、キンコン西野がよく言っている言葉と同じことのように思いました。「プロセスエコノミー」というものですね。「レストラン型からバーベキュー型に変わった」という表現でも語られます。
実際、プロセスエコノミーということでいえば、メイキングに関わるためにお金を払うというような関わり方のことをいうことが多いので、この書籍で言われている「関わり」とは少し違うかもしれません。
しかし、このメイキングというものが今後重要な要素になることは間違いありません。さらにいえば、このメイキングの時間軸です。これまでもメイキングはありました。ただ時間軸としては、後ろにいたメイキングです。
本書でも語られているメイキングは、後ろにいません。前にいます。
まさに現在進行形(ing)のメイキングです。ここの面白さは非常に体感として感じているのですが、僕の業務のような「受託」という立場だとなかなか前にドライブしない概念だなと思うのです。そう、相手がこの感覚を持ってくれないと・・・ってやつです。
動画の時代
もうずっと言われてる言葉ですね。動画の時代。いよいよ動画の時代。本当に毎年聞かされるフレーズですね。しかし、
2020年は時計の針が5年分進んだ1年でもある
とあるようにそれが否応なしに、突きつけられている状況なのかもしれません。という状況の中、昨今話題になっているのが
2021年はさらに早く進むのだろうか・・と焦ってしまいますね。
「目的を買う」ショッピングパーパス理論
これも前から言われているものですが、さらに表に出てきたのでしょう。ドリルと穴の話ですね。
モノにあふれた現代社会では、
この「モノにあふれた」のモノですが、ある程度の高品質なモノであるというのも捉えておかないといけないものだと思います。「ある程度高品質に均一化されたモノがあふれた現代社会では、」と修飾語をつけて考えてみると、この「目的」の意味も変わってきます。
そこにあるのは、単純な「目的」ではなく「ストーリーを含んだ目的」だと感じます。
例として上がっているスタバの話も吉牛の話も、なぜスタバか、なぜ吉牛かというところには「目的」だけでは語れないモノがあると感じました。
購入後の購入体験
これは非常に面白い言葉だなと思いましたし、なるほどとも。ついつい我々は購入体験というというと購入までのことを考えますが、購入後もそれに値するという話。確かにそうですね。
例として上がっている「開封の儀」とかまさにそうです。UXを学んでいるとジャーニーマップという文脈で購入後のことまで設計しますが、購入後まで含めて購入体験というフレーズは、同じ意味ではあるものの届き方が違うフレーズだなと思いました。
「モノを売っていない店舗」が増加する
ここでいう店舗はリアル店舗ですね。リアル店舗は体験スペースになるということです。ショールームのようなものでしょうか。こうなるとするならば店舗をもつ企業が急いで対応しなければならないのが、「店舗 VS Web的な考えの撤廃」でしょう。
いやそんなところ今時ないよ・・と思うことなかれ。結構こういうのは多いです。いわゆるセクショナリズムってやつです。
役目の変更として早めにシフトしておくべき内容でしょうね。
「買ってから始まる」
これまでは「買うまで」が買い物体験、これからはむしろ「買ってから」が買い物体験という感覚を持とうということです。
「買い物体験」から「買った物体験」と変換できるかもしれませんが、よくよく考えてみると僕たちが物を体感できるのは買った後です。箱をあける、自分で身に纏う、使う。
いうなれば、買い物から生まれる体験について思慮深く考えるべきポイントがさらに商品によってきたとも考えることができるかもしれません。
まとめ
前著から間も無く発刊されたこちらの書籍ですが、基本路線は同じながらも新しい価値観に溢れた物でした。この変化スピードはしっかりと見直しておく必要があるようにも思います。書籍から感じることと自分の実感値とを上手く融合させておくべきでしょう。
前書に関する読書感想文をリンクしておきます。
事実、この書籍に書かれていることも時の流れの速さに圧倒されているようにも思います。すでにもうこの先が始まっている箇所もあります。先ほど書いたように、音声も現れました。
ただひとつ僕は注意しておきたいと思うことがあります。それは、右から左に変わるのではなく、選択肢が増えるという考え方です。本書で書かれていることを価値観として追加されるものとして捉えておけば、いろんな「買い物体験」を提供できる社会になるような気がします。
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