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すべての穢れをその華奢な背中に背負って、純粋という名の魂に向かっていく哀しくも美しい冒険譚…。★劇評★【ミュージカル=キレイ~神様と待ち合わせした女~(2019)】

 結局、自分が何者かを探し続けるのが人生というものかもしれない。それはどんな時代もどんな国でも、どんな突飛な設定でも…。特に幼いころにさらわれて10年間も監禁されていた少女にしたらなおさらだ。昔のことはほとんど忘れてしまっているのだから。そして未来であるはずの世間(ソト)というものもまるで知らないのだから。松尾スズキが主宰する劇団大人計画のシアターコクーン公演のために2000年に書き下ろしたミュージカル「キレイ~神様と待ち合わせした女~」は運命に導かれるように状況が激しく沸騰し、そんな少女が図らずも過去と向き合うことになっていく物語。すべての穢れをその華奢な背中に背負って、純粋という名の魂に向かっていく哀しくも美しい冒険譚が、いま4回目の公演を迎えている。4代目の主人公ケガレとなった生田絵梨花は、荒廃から純粋へ、純粋から荒廃へと、そして過去から未来、未来から過去へと激しく移り変わる物語の波動をきっちりと受け止めながら、自らの求心力を大きく増幅させて、最も深いところにある真実のかけらに観客を導く大きな役目をしっかりと果たしていた。(写真はミュージカル「キレイ~神様と待ち合わせした女~」とは関係ありません)
 ミュージカル「キレイ~神様と待ち合わせした女~」は、12月4~29日に東京・渋谷のシアターコクーンで、2020年1月13~19日に福岡市の博多座で、1月25日~2月2日に大阪市のフェスティバルホールで上演される。

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★ミュージカル「キレイ~神様と待ち合わせした女~」公演情報
シアターコクーン

大人計画

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