6年ぶり再演の問題作に観客は衝撃…★劇評★【舞台=ニューヘアスタイルイズグッド(2018)】
一見シンプルなイメージを積み上げたような作品なのに、それぞれの断片は物語の主体ではなく他者によって語られる。ある島の海の近くという舞台は設定されているものの、断片の時制や流れは微妙にずれ、容易に物語への没入を許さない。しかし、全体に流れているのは圧倒的なペーソスであり、潮風のような湿り気を帯びた感傷だ。京都に拠点を置く劇団「壁の花団」が2012年に初演し、翌年に発表される第57回岸田國士戯曲賞の最終候補作に入った水沼健の問題作「ニューヘアスタイルイズグッド」が6年ぶりに再演された。薄暗いステージの中で輪郭をあいまいにしたこの作品が逆に極めて映像的であることに観客は衝撃を受け、第三者によって主体を描くという手法が物語の伝わり方を文学的なものにしていることにも驚かされたことだろう。
舞台「ニューヘアスタイルイズグッド」は10月19~20日に東大阪市の近畿大学東大阪キャンパス11月ホール舞台上特設ステージで、11月2~4日に東京・錦糸町のすみだパークスタジオ倉で上演された。公演はすべて終了しています。
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★舞台「ニューヘアスタイルイズグッド」公演情報=公演はすべて終了しています。これは壁の花団の最新公演を表示するページですので、日にちが経つと次の公演に更新されます
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