人と人との高度な結びつき。これぞまさに舞台でこそ描かれるべき物語…★劇評★【舞台=レインマン(2018)】
トム・クルーズが演じた弟でややいい加減な性格の中古車ディーラー、チャーリーとダスティン・ホフマンが演じた兄で高知能なサヴァン症候群の自閉症患者、レイモンドが父親の遺産をめぐって不思議な旅に出ることになる映画『レインマン』の日本版舞台が藤原竜也、椎名桔平という芝居の神髄を知る2人の魅力的な組み合わせで上演されている。まったく正反対の2人がすれちがいながらも互いを認めていく心理的なサスペンス感とロードムービーのような映画の味わいはそのままに、人と人とのより高度な結びつきを探り、互いの人間性がようやく相手にたどり着く瞬間を忍耐強く描き出していく物語の構造はなんとも演劇的で哲学的。まさに舞台でこそ描かれるべき作品だと感じさせてくれる上質な出来に仕上がっている。演出・上演台本は松井周。
舞台「レインマン」は7月20日~8月4日に東京・初台の新国立劇場中劇場で、8月7~8日に静岡県三島市の三島市民文化会館大ホールで、8月11~12日に福岡県久留米市の久留米シティプラザ ザ・グランドホールで、8月14~15日に大阪市のメルパルクホール大阪で、8月18~19日に宮城県名取市の名取市文化会館大ホールで、8月22~23日に名古屋市の御園座で上演される。
★舞台「レインマン」公演情報
http://hpot.jp/stage/rainman2018
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?