育成型オーディションで選ばれたビリーたちに宿る純粋さ。英国の「変化への渇望感」と少年の夢がリンクし多彩な要素がスパーク。…★劇評★【ミュージカル＝ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～（井上宇一郎・益岡徹・安蘭けい・阿知波悟美・吉田広大・厚地康雄・豊本燦汰出演回）（2024）】
鉄の女サッチャーと炭鉱労働者たちの経済合理化をめぐる対立、そしてダンスに目覚めた少年とジェンダーと未来に保守的な町の男たちとの多様性をめぐる対立…。１９８０年代の英国で起こった今につながる変化のための対立を背景に、才能の目覚めと成長を描いたミュージカル「ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～」が２０２０年の新型コロナウイルスの世界的流行による一部中止などの予想外の事態を乗り越え、今年２０２４年、２度目の再演が行われている。もともと劇場の芸術監督を務めていた生粋の演劇人であるスティーブン・ダルトリーが監督を務めて２０００年に公開された映画『リトル・ダンサー』をもとにエルトン・ジョンによる音楽でミュージカル化された本作は、才能、表現、社会という演劇が舞台で問い掛けてきた多彩な要素がスパークし、見ごたえのある作品。長期間にわたって表現や技術の訓練や成長の過程と寄り添い、徐々に絞り込んでいく「育成型オーディション」を２０１７年の初演以来日本に持ち込み、その威力を見せつけてきたことはよく知られているが、今年のオーディションで選ばれた主人公ビリー役の４人の少年たちもそれぞれの個性の上にビリーの純粋さが宿り、堂々たる演技とダンスを披露してくれている。（写真はミュージカル「ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～」とは一切関係ありません。単なるイメージです）
ミュージカル「ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～」は２０２４年８月２日～１０月２６日に東京・池袋の東京建物BrilliaHALL（豊島区立芸術文化劇場）で、１１月９～２４日に大阪市のSkyシアターMBSで上演される。
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なお、ミュージカル「ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～（2024）」はビリー役とマイケル役が４人のクワトロキャストであるのをはじめ、ほとんどの役がトリプルやダブルのキャストで構成されており、数えきれないほどの組み合わせがございますが、劇評を掲載するのは【ミュージカル＝ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～（井上宇一郎・益岡徹・安蘭けい・阿知波悟美・吉田広大・厚地康雄・豊本燦汰出演回）（2024）】のみとさせていただきます。すべての組み合わせをご紹介したいところですが、人気公演ゆえ、取材機会に限りがございます。この組み合わせでは紹介できない方がほとんどですが、また別の機会にご紹介させていただければ幸いです。ご容赦ください。
★ミュージカル「ビリー・エリオット～リトル・ダンサー～」公式サイト
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