AdobeStock_92560352_Preview舞踏会

コンビネーション抜群、鮮やかな変化で上質な仕上がり…★劇評★【ミュージカル=マイ・フェア・レディ 朝夏まなと・寺脇康文バージョン(2018)】

 花売り娘と大学教授、下町の喧騒と上流階級のプライド、学問と恋愛などなど…。そんな相反する要素をぶつけ合わせたり絡み合わせたりしながら、華麗なファッションと言語矯正の苦闘という二つの大きな柱で観客を惹きつけてやまない一大ミュージカル「マイ・フェア・レディ」。その時々の感情をものの見事に舞台上に表した楽曲の流麗さと、数多くの登場人物たちを縦横無尽に配置していく演技デザインの素晴らしさがこの作品を唯一無二のものにしている。神田沙也加、朝夏まなとというフレッシュなヒロインをWキャストで迎え、2年ぶりに再演され、連日盛況が続いているが、宙組男役トップスターを最後に宝塚歌劇団を退団してから初めてのミュージカルとなる朝夏と、前回の公演でもヒギンズ教授を演じていた寺脇康文によるバージョンでは、前半の野性味から後半の気高さへの変化が鮮やかな朝夏とそれを引き出した寺脇のコンビネーションが格別で、上質な仕上がり。今回はもう一方のバージョンである神田沙也加・別所哲也とともに固定された組み合わせのWキャストということもあり、G2による狙いすました演出の違いも楽しめ、見どころがたくさん散りばめられている印象だ。
 ミュージカル「マイ・フェア・レディ」は9月16~30日に東京・渋谷の東急シアターオーブで、10月6~7日に福岡県久留米市の久留米シティプラザ ザ・グランドホールで、10月10~11日に広島市の上野学園ホールで、10月19~21日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで、10月24~25日に名古屋市の日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで、10月31日~11月1日に大分市のiichico総合文化センターiichicoグランシアタで上演される。

 神田沙也加・別所哲也バージョンについての劇評も既にブログに掲載済みです。併せてお楽しみください。
★阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」「ミュージカル=マイ・フェア・レディ 神田沙也加・別所哲也バージョン(2018)」劇評=2018.09.22投稿
http://blog.livedoor.jp/andyhouse777/archives/66292466.html

★ミュージカル「マイ・フェア・レディ」公式サイト
https://www.tohostage.com/myfairlady/

ここから先は

3,740字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?