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やるべきことのために日々を闘っているか…★劇評★【舞台=ながれぼしのきもち(2018)】

 突破口という言葉は何もイケイケどんどんの人ばかりが使う言葉ではなく、普通の人や落ち込んでいる人に遠くの方にぼんやりと見えている場合もある。演劇集団キャラメルボックスが9月から10月にかけて関東や明石で上演している舞台「ながれぼしのきもち」(2018グリーティングシアター)は、人生のどん底に居る主人公が、再生へのかすかな希望を求めて飛びついた正体不明の突破口の物語だが、次々と希望が裏切られていく中で、それでも思っていたのとは質の違うもっと大切なものが見つかっていく物語。瀬戸内海に浮かぶ小さな島の古びた旅館が舞台だが、キャラメルボックスが特徴的に持つ疾走感もたっぷりと味わえる逸品。それだけ物語の展開の幅が広く、時空が入り組んでいる証拠だ。脚本・演出は真柴あずき。
 舞台「ながれぼしのきもち」は10月27日に埼玉県秩父市の秩父宮記念市民会館大ホールフォレスタで上演される。それに先立ち、9月13~24日に東京・中野のザ・ポケットで上演された東京公演、10月6日に埼玉県所沢市の所沢市民文化センターで上演された所沢公演、10月10~11日に兵庫県明石市のアワーズホール・明石市立市民会館大ホールで上演された明石公演はすべて終了しています。

★舞台「ながれぼしのきもち」公式サイト

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