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万感の思いあふれる「ラ・マンチャの男」ファイナル、高い集中力と完成度見せた松本白鸚ら…★劇評★【ミュージカル=ラ・マンチャの男(2023)】

 夢とは目標そのものではなく、「自分があるべき姿のために戦うこと」だという考え方がある。つまり「夢の実現に向けて努力すること」こそが貴重なのだと。夢が叶わなかった人に対する慰めにも使われる言葉だが、夢が人生にとっていかに大事なことかを思い知らせてくれる言葉でもある。夢によって人生は輝くし、それに向かっている姿は美しい。幸いなことに夢が実現すれば、夢を更新し新たな地平へと駆け出していくこともできる。夢は決して神様が叶えるものではなく、自分自身の努力が叶えるものだということが分かる。さまざまな示唆に富んだこうした考え方を基本に、日本で54年もの間、輝き続けてきたミュージカルがある。歌舞伎俳優の松本白鸚が市川染五郎時代から松本幸四郎時代を経て演じてきたミュージカル「ラ・マンチャの男」である。その至宝のような作品が最後の公演を終えた。特に、最後の公演として上演した昨年の公演が新型コロナウイルスの感染拡大のために、わずか7公演しか上演できず、松本白鸚もファンも関係者も悔しい思いをしていただけに、ファイナル公演の会場となった横須賀市のよこすか芸術劇場は全員の万感の思いがあふれ出し、かつて見たことのない高揚感に包まれだ。年齢や体調にも配慮した演出も施された最終公演だが、松本白鸚や出演者の集中力は半場なく、高い完成度を見せていた。(写真はミュージカル「ラ・マンチャの男」とは関係ありません。単なるイメージです)

 ミュージカル「ラ・マンチャの男」は2023年4月14~24日に神奈川県横須賀市のよこすか芸術劇場で上演された。公演はすべて終了しています。

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