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観れば観るほど「初めて見える」ことがある…★劇評★【舞台=ライオンキング(2018-2019)】

 先日、日本初演から20周年の節目を迎えた劇団四季のミュージカル「ライオンキング」。もちろん誕生の地米国をはじめ、世界中で大人気なのだが、米国以外で初めての海外プロダクションとして1998年にスタートした日本での人気は格別だ。常にではないが、複数の場所で一定のロングランが続き、観客動員数も右肩上がり。熱狂的なファンが繰り返し観ているいわゆるリピーターが多いことに加えて、宣伝文句に誘われて「一生に一度は」と思って見に来た初心者の方がのめり込んでいく例も数え切れない。それは一見、どんな世代にも理解しやすいようなユニバーサルデザインの施されたミュージカルのように見えて、その実、この地球や家族というものの、永遠に続いていく壮大な理(ことわり)をどこまでも深く掘り下げたような哲学性も持つことが、大きな要因になっている。動物の擬人化は今に始まったことではないが、古くからの神話や民話に多くの同種の例を持つ日本人にとって、極めてすんなりと心に落ちて来る物語であることに加えて、単に動物の仕草をまねるというレベルではない、獣(けもの)性や感情の複雑な表現が完成度高く盛り込まれていることで、その体の中に確かな魂を感じさせることができていることが大きい。観れば観るほど、「初めて見える」場所や話の流れがあることも日本での人気に拍車をかけているのだろう。(写真はミュージカル「ライオンキング」とは関係ありません)
 ミュージカル「ライオンキング」は、東京公演は2019年6月30日公演分まで発売中。福岡公演は2019年3月24日開幕で、8月31日までのチケット一般発売は1月26日(会員先行は1月19日)

★ミュージカル「ライオンキング」公式サイト

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