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阪清和が発表したミュージカルに関する劇評をまとめました。ジャニーズ関連のミュージカルはここには収容しません。音楽劇を入れるかどうかは作品ごとに判断します。
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2021年6月の記事一覧
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子どもと大人に精神的な隔たりがない世界で、人が人を想うシンプルな気持ちを複層的に楽しめる極上の仕上がり…★劇評★【ミュージカル=アナと雪の女王(2021)】
「鬼滅の刃」も「アナと雪の女王」も最初に人気に火をつけたのは小学生、つまり子どもたちだ。漫画やアニメーションという子どもと親和性の高いインターフェイスを持っていた作品だから当然と言えば当然なのだが、そこには、魂の誇りや多様性・個性の尊重という現代社会が求める高度な哲学性が横たわり、大人たちが虜になるのに大きな力となったことはよく知られている。子どもたちも、単に活劇としての面白さだけではなく、そうした深遠なテーマに早くから気付いていた節があり、これらの作品はまさしく「大人と子
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「社会」そのものを謳い上げる壮大なミュージカル、多彩な人生と呼応して奏でる大交響曲だ…★劇評★【ミュージカル=レ・ミゼラブル(2021)】
「レ・ミゼラブル」は社会そのものである。罪と罰の考え方や、正義への思い、格差社会の中での不平等、恋愛など個々の多彩な人生をそれぞれに謳い上げ、積み上げた総体が物語としてもミュージカルとしても大きな社会をかたちづくっていて、それがスケールの大きなテーマと呼応し合って大交響曲を奏でているのだ。一見いびつなパーツを組み合わせているのに、私たちの前に立ち現れるのは壮麗な大聖堂のような美しい建物。時の施政者や権力者にどんな思惑があろうと、ひとりひとりの思いがやがて社会を動かしていくよ
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