自己アピールするときに気を付けるべきこと
先日、「幸せに生きる方法①」というタイトル記事にて、他人と自分を比べてはいけない、とお伝え致しました。
本日は、まさにその失敗を犯してしまった、施術サービスを提供するセラピストの事例についてご紹介致します。
以前私が勤めていた会社での出来事です。
40店舗近くのサロンを展開し、セラピストを100人以上雇用する企業でした。
お客さまが来店し、施術サービスを受けていきます。施術内容によって料金も異なり、オプションメニューの追加などもありました。
セラピストのご提案次第では客単価が上がり業績に貢献することができますし、リピートを増やすことでも貢献することができます。
私はそこで、店舗の運営管理を行う運営部長という役割と、社員の採用や育成など人の管理を行う人事部長という役割を兼務していました。
査定(人事評価)の時期が近づいてきたある日、A店に所属する佐藤くん(仮名)がこう自己アピールをしてきました。
佐藤くん
「僕たちは毎日毎日こんなに多くのお客さまの対応をしています!」
私
(うん。そうだね。)
確かにA店は、営業時間や所属するスタッフ数から考えると、明らかに稼働率120%で毎日頑張っている店舗でした。
しかし続けて、、、
佐藤くん
「B店の客数はあんなに少ないんだから、僕たちの方が評価に値するはずです!」
私
(あーあ。他人(他店舗)と自分(自店舗)比べちゃったよ。やっちまったなー。)
私
「OK!じゃB店は何も頑張っていないと思うの?」
佐藤くん
「頑張ってない訳ではないでしょうけど、毎日僕たちの3分の1ぐらいの少ない客数しか対応してなくて、僕たちに比べたら全然働いてないじゃないですか!?」
私
「そうか。じゃ佐藤くんは数字(経営数値)や成果できちんと評価してほしいってことだよね?」
佐藤くん
「そうです!これでB店と同じ評価じゃ納得できません!」
私
「分かった。じゃコレを見てごらん。」
私は佐藤くんにノートPCの画面を見せました。
すると佐藤くん。
佐藤くん
「。。。え?」
私は何を見せたのかと言うと。
A店とB店の今期評価対象期間の売上高やその他詳細な経営数値が集計されているExcel表です。
そこには、
A店よりもB店の方が高い売上高を誇る、確たる成果が示されていたのです。
端的に言うと、
A店は薄利多売の運営スタイル
B店は厚利少売の運営スタイル
だったのです。
A店はリピート客を増やすことで毎日の客数に貢献し、B店は客数こそ少ないけれども、来店1回あたりに提供するサービスが高額で、客単価に貢献している店舗でした。
これは立地条件や人口数などを考慮して、それぞれが勝てる戦略で異なる運営スタイルを選択していました。
私
「私は佐藤くんの頑張りを評価しているつもりですが、プロセスや定性評価を度外視して、仮に売上高だけで評価しろと言うのであれば、佐藤くんはB店のスタッフより低い評価になるよ。それはB店と同じ評価ではないから納得してくれるんだね?」
私も中々嫌味な言い方をします笑
佐藤くん
「大変申し訳ありませんでした。。。」
と、なんともバツが悪そうな表情で笑
私
「条件や環境が違う中で、他人と自分を比べてもそれは意味がないから。過去の自分と今の自分を比べて、成長できたかどうか、貢献できたかどうか、そうやって自分自身にベクトルを向けて考えようね!」
佐藤くん
「はい!分かりました!ありがとうございました!」
p.s.
佐藤くんは昨年に比べて明らかに成長しており、個人実績からしても貢献度も悪くはなかったので、きちんとそれらを加味して評価し、本人も納得してくれました、とさ♪
【教訓】
木を見て森を見ず。
ひとつの視点や狭い視点だけで物事を見ていては正しい判断はできないよ。客観的に自分自身を見つめてみよう。
では、また!