【深大寺の女性(ひと)】■山門に金木犀が薫り立ち 逢瀬の紅ひく深大寺の女(ひと)
【深大寺の女性(ひと)】
■山門に金木犀が薫り立ち
逢瀬の紅ひく深大寺の女(ひと)
深大寺の門前に
松本清張が愛して執筆の宿のしていた
「門前」という蕎麦屋がある。
粗碾そばは出雲の亀嵩にて水車製粉で
挽かれた特注品。
深大寺と出雲のご縁は作家の松本清張が、
しばしば深大寺に遊び、
ここで小説『波の塔』の深大寺の章を
執筆された縁で『砂の器』の出雲亀嵩と
結ばれたものである。
産地の出雲の「カメダ」は
「砂の器」のキーワードと
なった由来がある。
この季節になると深大寺山門の金木犀の
大きな樹が辺り一面にいい薫りを放つ。
和服に身を包んだ女がひとりほつれ髪を
梳きながら、真紅の紅を引く女(ひと)・・。
逢瀬の後の火照りと共に。