せきせつお

心からの言葉「ココトバ」と、魂を込めて紡いだ31拍の短歌をお届けするココロニスト&短歌…

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心からの言葉「ココトバ」と、魂を込めて紡いだ31拍の短歌をお届けするココロニスト&短歌アーティストの 関 節夫ワールドへようこそ。短歌を武器にして、音楽、写真、イラストなどのコラボレーションによる癒しから元気の素を発信しています。

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  • こころの処方箋 ココトバブレンド

    【こころの処方箋 ココトバブレンド】 ココトバブレンドのマガジンです。 心からの言葉、ココトバを紡いで、 皆様の心の機微に触れたら幸いです。

最近の記事

#せきせつおのひと息小説8 俺は何者なのか?

#せきせつおのひと息小説8 俺は何者なのか? 庭先に芙蓉の白い花が開いた。 お昼になって圭介は縁側に出て、素麺を食べることにした。 冷えた素麺に胡瓜とトマトを薬味にして、生姜と胡麻を掛けて食べることにした。 素麺を食べながら、圭介は白い芙蓉の花を見ながら、自問自答した。 俺は何者なのだろう?俺はどこから来て、どこへ行こうとしているのか? また、何をしている人間なのだろうか? 素麺を平らげると、スイカを食べ始めた。 真夏の昼過ぎのけだるい時間…

    • ブこころの処方箋【ココトバブレンド】~奥ゆかしき十六夜の月~

      ブこころの処方箋【ココトバブレンド】 ~奥ゆかしき十六夜の月~ ■望月をためらいつつもいずるかな        君に似たるや十六夜の月 望月、すなわち十五夜の満月よりも、 一日遅れの少しはにかむ十六夜の 月が好きである。 若かりし時に、 ちょっと控え目で奥ゆかしさのある 女性と恋に落ちたことがあった。 いま思うと彼女を手放したくはなかった。 叶わなかった恋ゆえに、 この歳になり、あの日の恋が 未練がましく思い出される。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 

      • #せきせつおのひと息小説7

        #せきせつおのひと息小説7 緑の葉が濃すぎると、その鮮烈さがかえって自然の中での存在感を薄めてしまう。新緑の若葉が見せる繊細な緑が、かつては生命の息吹を感じさせてくれた。だが、8月の暑さに負けぬよう濃く育った葉は、見る者にその美しさを伝える余裕を失ってしまうように思える。 これは人の美しさにも通じるところがあるのではないだろうか。化粧があまりにも華美であれば、その人自身の魅力がかえって薄れてしまう。厚く塗り重ねられた化粧は、もともと持っている自然な美しさを隠してしまうのだ

        • せきせつおのひと息小説4

          せきせつおのひと息小説4 肥料は多くを語らないと言われるが ここでは大いに意に反する。 ここ、東京の一流ホテルの宴会場に 集った東京なでしこ女学院の同窓会 でのことである。みんなが集まって いるのが華やかなドレスに身を包んだ 恵子という40代前後の奥さまのところ。 二人息子の恵子には、上の兄は東大に 入学し、この春には下の息子が名門 中学校に合格した話でもちっきりだ。 さも自分のお陰で合格した自慢話で 花が咲いている。毎日、送り迎えを しただの夜食には苦労しただの話の 話題

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        • こころの処方箋 ココトバブレンド
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          #せきせつおのひと息小説3

          #せきせつおのひと息小説3 人を愛するなら、相手に気づかれぬ ように愛しなさいと、ジゴロを気取った 啓介の持論だ。なるほどと思う反面 どうすればいいのか迷ってしまう。 愛していると伝えないで、相手に どう気持ちを伝えればいいのだろ か?それは一途に愛することだと 啓介は言う。愛していると告白 しないで、愛する人をとことん 想うことだと言う。そうすれば いつか相手もくれるという。 さて、あなたならどうしますか?

          #せきせつおのひと息小説3

          せきせつおのひと息小説2

          #せきせつおのひと息小説2 降りてゆくと言うこと。 私たちはある北アルプスの 山頂にいた。ひとつの山を 制覇した満足度に満ちていた。 リーダーである山下は言った。 これから降りてゆくのが大変 なんた。人生でも頂点を極めて 下る、降りて行くのが安易では ない。人生100年。降りて行く ことに慎重にならなければなら ない。会社経営を3つもしている 山下にはそれなりの説得力がある。 降るのは難しいが楽しみもあると いう。さあ、下山楽しもう。

          せきせつおのひと息小説2

          #せきせつおのひと息小説

          #せきせつおのひと息小説 久兵衛は言った。かいこがさあ、 衣の糸を吐き出す時には、涙を 流しながら糸を吐き出すんだ。 何かが産まれる時はみんな泣く んだな。赤ん坊だって泣きながら 産まれてくるもんた。 平次は感心しながら納得した。

          #せきせつおのひと息小説

          【親父の背中】■夜明け時 粥と梅干だけ食し書斎に向かう親父(おやじ)

          【親父の背中】 ■夜明け時 粥と梅干だけ食し 書斎に向かう親父(おやじ)の背中 最近も親父を偲ぶ歌を詠み記事にしてきたが、 この歳になって、いや、歳を重ねるほどに 父、母を想い出すのはなぜだろう。 わたしと親父とは若い頃には対峙して、 あまり、会話を交わした記憶がないのである。 そもそも、親父は無口であり、社交的な 人ではなかったかも知れない。 しかし、親父が歳をとってからは、 しばしば、珈琲好きの親父と喫茶店に よく行ったものだ。 ふたりで珈琲をすす

          【親父の背中】■夜明け時 粥と梅干だけ食し書斎に向かう親父(おやじ)

          【こころの処方箋ココトバブレン】■デジタルの「点」の思考まかりをばアナログの「線」を我は求めたり

          【こころの処方箋ココトバブレン】 ■デジタルの「点」の思考まかりをば アナログの「線」を我は求めたり 「点と線」と云っても 松本清張の推理小説の話しではない。 昨今のインターネットの普及により、 コンピューターの0101で取捨選択をしてゆく デジタルの「点」的な思考が 大通りを闊歩している訳であるが、 クリエィティブを伴う創造は、 いまだにアナログの「線」的な 発想力ではないかとわたしは考えている。 わたしは短歌を詠む時も コピーを書く時にも、 パソ

          【こころの処方箋ココトバブレン】■デジタルの「点」の思考まかりをばアナログの「線」を我は求めたり

          【こころの処方箋ココトバブレンド】6月のショパン■あまりにも命が軽ろき時代なれ怒り鎮める六月のショパン

          【こころの処方箋ココトバブレンド】 6月のショパン ■あまりにも命が軽ろき時代なれ 怒り鎮める六月のショパン 1960年6月15日、 日米安保条約(安保)締結に抗議して、 国会議事堂のまわりを埋め尽くした 全学連の抗議デモの中で、 東大の女子大生一年・ 樺(かんば)美智子さんが、 機動隊によって圧殺された。 わたしが、まだ小学生の時の出来事だった。 そして、1970年6月15日、 わたしは大学一年生として、 70年安保闘争のデモの中にいた。。。 い

          【こころの処方箋ココトバブレンド】6月のショパン■あまりにも命が軽ろき時代なれ怒り鎮める六月のショパン

          【こころの処方箋・ココトバ・ブレンド】生き物には縄張りが必要です~♪ ■生き物は縄張り持ちて安定す 距離を保てぬ人間(ひと)の苛立ち

          【こころの処方箋・ココトバ・ブレンド】 生き物には縄張りが必要です~♪ ■生き物は縄張り持ちて安定す  距離を保てぬ人間(ひと)の苛立ち ★ 動物も 植物も 生き物すべて 縄張りがあるもの   ★ その縄張りで 共存しあっている ★ にんげんも おなじなんだな にんげんも 生き物なんだから ★ 都会の 住宅の密集さ 朝の ぎゅう詰めの電車 ★  これでは 縄張りどころか  人と人の 距離が保てないよな ★ にんげんに 距離を保つ 縄張りがなくなったから ★ に

          【こころの処方箋・ココトバ・ブレンド】生き物には縄張りが必要です~♪ ■生き物は縄張り持ちて安定す 距離を保てぬ人間(ひと)の苛立ち

          こころの処方箋【ココトバブレンド】~人生の途中下車~■時として旅程を逸(そ)れて途中下車してみることも生きる潤い

          こころの処方箋【ココトバブレンド】 ~人生の途中下車~ ■時として旅程を逸(そ)れて途中下車 してみることも生きる潤い ★ ひとが敷いたレールを ひた走ることは しんどいもの ★ 旅のたのしみも 見知らぬ駅に途中下車して みると新しい発見があるもの ★ 人生もおなじ 時にはレールからそれて 道草してみることも だいじだとおもう ★ 人生の途中下車は あしたへの活力であり 人生の潤いなんだとおもう せき せつお

          こころの処方箋【ココトバブレンド】~人生の途中下車~■時として旅程を逸(そ)れて途中下車してみることも生きる潤い

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■若き日に負いたる傷が歳を経て致命となりしも進軍惜しみなく

          【こころの処方箋ココトバブレンド】 ■若き日に負いたる傷が歳を経て 致命となりしも進軍惜しみなく ファンの皆さまにご心配をお掛けしていました、 心臓の検査結果が思いのほか、 芳しくない結果となりました。 30歳の若さで3本ある  心臓冠動脈の1本を失い、 何とか残りの2本でリハビリをして、 テニスやゴルフまで 出来るように回復させましたが、 歳を重ねて、コレステロールと 血圧の上昇により、 残された2本の冠動脈の壁が狭くなっており、 心機能の動きの低

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■若き日に負いたる傷が歳を経て致命となりしも進軍惜しみなく

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■華麗なるワルツのリズム寂しげに流れる夜は夢路たどれず

          【こころの処方箋ココトバブレンド】 ■華麗なるワルツのリズム寂しげに 流れる夜は夢路たどれず 春の宵にはワルツがよく似合う。 3拍子のリズムは人間の心の リズムにも調和して心地よい。 また、シュトラウスのワルツは春の典雅がある。 あの仮面舞踏会はドラマチックでもある。 ショパンのワルツは繊細そのもの。 さて、桜の宵も過ぎ去って、 今宵聴くワルツは、 こころもと寂しげで、 夢路がたどれない。 パティ・ペイジの テネシーワルツを聴きながら、 バーボンの

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■華麗なるワルツのリズム寂しげに流れる夜は夢路たどれず

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■教鞭を取りたる父に逆らいしも教壇に立つ我の血脈

          【こころの処方箋ココトバブレンド】 ■教鞭を取りたる父に逆らいしも 教壇に立つ我の血脈 生前まで、国文学者であり大学の 教授をしていた父親。 また、時々にある全国紙の 文芸欄に文芸評論を書いていた父親。 そして、なにひとつ家族・家庭のことは、 すべて母親任せで、何とも我がままで 自由奔放に生きた父親であった。 幼い頃から、そんな父親を見てきて、 わたしは絶対に父親のような 人間にはなりたくないと思い、 教師には死んでもならない。 批評家は人の作品をこ

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■教鞭を取りたる父に逆らいしも教壇に立つ我の血脈

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■寂しさに耐えられなくて母想ふ紫陽花の露 赤き涙よ

          【こころの処方箋ココトバブレンド】 ■寂しさに耐えられなくて母想ふ 紫陽花の露 赤き涙よ もうすぐ、梅雨の季節である。 梅雨の蒸し暑きなかで、 紫陽花の花を見ると一服の 清涼感を感じるものである。 この花は日本古来の花で、 中国に渡ってヨーロッパにも 流れていったもの。 紫陽花の花言葉は、  よく移り気などと云われるが、 本来の花言葉は、家族の結束や 強い女性の意があるのである。 紫陽花の花を見るとき、 わたしは亡き母を想い出し、偲ぶ。 幼いわた

          【こころの処方箋ココトバブレンド】■寂しさに耐えられなくて母想ふ紫陽花の露 赤き涙よ