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#42 底にしっかり触れてきた(現代美術in瀬戸)

 前回書いた通り瀬戸では今「底に触れる 現代美術in瀬戸」が開催中です(11月4日まで)。

 見てきました。回って来ました。
 たぶん歩いて回ると3〜4時間くらいでしょうか(2回に分けて回った)。まあ地元なので道に迷わず効率よく回れるしね。

 出展されている作家さんは瀬戸と何らかの関係がある人、瀬戸とは縁のない人、様々です。ただ、瀬戸とは縁のない作家さんでも今回の準備段階で瀬戸を訪れたりして作品に瀬戸の歴史や空気を取り入れています。

 ここで育って今も生活している私の目には、普段知っている建物などに現代美術作品が置かれていることに不思議な感覚を受けます。
 そして見ていくうちに、置かれる場所と作品の関係性が特に興味深く感じました。
 例えば、瀬戸信用金庫アートギャラリーの展示では瀬戸を活動拠点にしていた画家北川民次作品をオマージュした絵画や版画が(瀬戸信用金庫は北川作品を多くコレクションしている)、新世紀工芸館(陶芸ガラス工芸の研修施設併設)では陶器やガラスを素材にした作品、旧小川陶器店ではそこに残された食器などを活かした展示がされている、などなど。
 えっ!タイトルの「底に触れる」の底はその場所を示す「そこ」でもあったのか!……と、ふと思ってみたりしたのでした。
 ここからは各会場を画像中心にざっと紹介。

梅村商店(展示作家 藤田クレア)は古くからある陶磁器問屋の建物を活かした多目的スペース。 

音の出る不思議な作品たち。ポスターなどで見る作品の謎が解けた。よく見ると、あっこれ瀬戸じゃんという部分がいっぱい。

無風庵(展示作家 植村宏木)。工芸家・藤井達吉の工房を移築したもの。すぐ横には慰霊塔と忠魂碑。
今回の展示では個人的に気に入りました。おすすめです。ただし、高台にありますので坂道登りが必須。がんばろう。

かつてはせともの作りの現場で見ていた木の搬箱。右奥の無風庵内部にも展示あり。
箱の中身はガラスや石など。
よく見ると戦争末期に(金属不足から)陶器で作られた手榴弾も。作品の奥に慰霊塔眺める。

末広町商店街の中にある松千代館(展示作家 波多腰彩花)。

旧松千代旅館。古い蚊帳と作品。

新世紀工芸館(展示作家 後藤あこ 井村一登 津野青嵐)は展示だけでなくガラスと陶磁器の研修施設でもあります。コーヒーも好みの器で飲めたりします。

新世紀工芸館。陶の作品
新世紀工芸館。ガラスと光。
これも新世紀工芸館。
私は衣食住って…あらためて考えました。

旧小川陶器店(展示作家 光岡幸一)。展示は店先、というか店外。「えっ!持って帰っていいんですか?!」という展示です。

小川陶器店。古い器を使った不思議な展示。

ポップアップショップ(展示作家 ユダ・クスマ・プテラ)は瀬戸銀座通り商店街にあります。藤井聡太七冠の応援の幕が飾られていることでも有名スポット。

銀座通り商店街。写真のインタラクション。
瀬戸人たちが…。

瀬戸信用金庫アートギャラリー(展示作家 木曽浩太 田口薫)は普段から北川民次作品の展示などが行われています。昔から瀬戸信用金庫が北川作品のカレンダーを製作しているので、北川民次は瀬戸の人にはお馴染みですね。瀬戸蔵東側に移設されている旧市民会館の壁画や市立図書館の壁画も機会があれば見て欲しいところ。

瀬戸信用金庫アートギャラリー。
北川作品のオマージュ。
瀬戸信用金庫アートギャラリー。版画。
これも北川作品のオマージュ。
版木も展示してあって興味深い。

 写真の撮影は「可」でした。
 現代美術にひかれて瀬戸の街巡り。なかなか面白かった……いやいや、これって来年の国際芸術展「あいち2025」のプレイベントじゃないですか!来年はどうなっちゃうんだろう?


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