王子様のお忍びの姿だといっても
韓国ドラマの時代劇では、王や世子(王子様)がお忍びで市民の姿になり街を散策する。というのをよく目にする。
特に最近個人的に注目している“短い時代劇”では必須のシーンだ。
だけど、考えてみたら韓国ドラマに限らず日本でも、例えば水戸黄門や遠山の金さん、暴れん坊将軍・・・みんな最初は立場を隠して庶民に馴染み、何か問題の解決に協力してくれた後で、最後に「このお方は……」となる。
そもそも歌舞伎だって筋書き見ていると、登場人物に〇〇(実は〇〇)と書かれているもののなんと多いこと!
そんなことをなぜ考えていたかというと、先日MVが公開され、ダンスバージョンまで出してくれたKing & Princeの「Magic Touch」のせいだ。
以前にも書いたことがあるけれど、私は3年前、生まれて初めてジャニーズのグループに強く惹かれ、それはデビュー直前だったお城の主人たちだった。
King & Princeはデビュー曲、「シンデレラガール」の印象が強く、一般的には爽やかな好青年をそのままいってるイメージだけれど、当時BSの『ザ少年倶楽部』(略して少クラ)を毎週欠かさず録画して、ステージ上で合唱部のように並んで応援する人なりたい(多分ファンクラブから選ばれていそう)と、一瞬だが真剣に考えていた者としては、なんでシンデレラガールに収録されているもう一曲、「Funk it up」のような曲をもっとやってくれないんだろう。と不思議だった。
お城のロイヤルファミリー姿も素敵だけれど、この曲を披露するために、ちょっと治安の悪い感じで夏休みのやんちゃな男子風(だがルックス、オーラから本当はそこらへんの庶民じゃないことが丸わかり)の衣装で出てきたときはヤバかった。
グルーブ感! みんなダンスがうまいことは知っていたけれど、こんななんだ! 平野くん筋肉すごいだけじゃなくて、めちゃくちゃ膝柔らかいんだ、腰落とした姿勢低っ! と感動し、その回の少クラを幾度再生したことか。
だけどその後待っても待っても、そのときの衝撃に匹敵する曲(ダンス、衣装)はリリースされず、少しこちらに近づいてくれているとは言っても、あくまで高貴な、好青年の立場のようなイメージの曲が多かった。
昨年の「Mazy Night」はちょっと「きたかっ!」と思ったが、それでもあの「Funk it up」を上回るものではなかった。
それが、今回突然ポンっと登場し、その魔法に触れたのである。
お忍びの姿は、身分の高いでもなければ好青年でもない。
そして、ダンス、振付も彼らの魅力、潜在能力を見せてくれるのに十分だ。
ここまで降りてきてくれるとは、3年ぶりに少クラ見てみようかな。