9. プロのアドバイスでたどり着いたデザイン
今日は、サンプル作成後に悩みに悩んでデザインを決定するまでのお話です。B反を提供してくれた篠原さん、縫製を担当してくれた松田さんなどプロのアドバイスをいただきながら、メンバー全員が心から納得できるデザインにたどり着くまでの過程について、お話します。
「せとかわデニムプロジェクト」とは、瀬戸内かわいい部とEVERY DENIM(現ITONAMI)のコラボではじまった商品開発プロジェクト。2019年春〜2020年春、1年間の活動を通じて「瀬戸内デニムピクニックシート」という商品を作り上げました。
「“かわいい“という観点からデニムを見つめ直し、倉庫に眠るB反を活用して新しい商品を作る」という旗のもとメンバーを募集し、ゼロからはじまったこのプロジェクトがどのように歩みを進めてきたのか…?
このnoteではその1年間の軌跡を綴っています(目次はこちら)
9. プロのアドバイスでたどり着いたデザイン
通常は真っ白の布でサンプルを作成するところ、仕様書をお渡ししてからすぐに実際のB反デニムでサンプルを作ってもらい、2019年11月上旬には第一弾が出来上がりました。以降、縫製は、DENIM HOSTEL float立ち上げスタッフの松田さんが担ってくれることとなります。
注)第一弾のサンプル。持ち手がピンクのテープでした。
出来上がったシートはとても素敵な仕上がり。児島の浦上染料店さんが対応してくれたテフロン加工の撥水力は、試しにシートに水をかけてみたその瞬間、その場にいたメンバー一同思わず感動の声をあげてしまう程でした。
注)テフロン加工の撥水力に驚き喜ぶメンバー
第一弾のサンプル確認後は細部のデザインを決めていく予定でしたが、ここからは、予算の壁にぶつかります。
この段階ではまだ具体的な販売価格は決まっていなかったものの、デニム生地以外にも資材を仕入れるのは難しいと考えていました。一番メンバーを悩ませたのが、持ち手の紐。バッグ用の持ち手テープを使用する想定で随分探したものの、費用に合うものが見つかりませんでした。また、ピクニックシートをクルクルと巻いた上で、紐で結んで持ち運べるようにする予定でしたが、サンプルで作成したものではほどけてしまうため、どのように改善するかも問題でした。
もう一つの壁は、シートとシートをどのように繋げるか。
繋がることがコンセプトなのでここはこだわっていましたが、当初案に合ったスナップボタンは厚地のものに使えなかったり、使えるものが見つかっても予算オーバーだったり、代替案を考えるのも困難を極めました。
メンバーのみでは解決できなかったため、篠原さんや松田さんに相談。持ち手にはセルビッチテープを、シートを巻いて結ぶ紐にはベルトループの紐(ベルトを通す為の、通常ウエスト部分についている紐)を、シートとシートを繋ぐ手段にもベルトループの紐を使うといいのではないか、とアドバイスをいただいたとき、ついに光が見えました。
なつみさん
“ボタン一つ決めるのもとても大変で・・・。資材屋さんに売っているものは単価が高く、かといって業務用を買うほどの量産は難しく、探しても探しても見つからなくて、本当に途方に暮れたんです。
篠原さんと松田さんからアイデアをいただいたときは、これだ!これしかない!と思いました。余分な資材を購入する必要がなく、そして何よりかわいい。シートを丸めて留める部分はリボン結びだと男性は苦手かな?とも思いつつ、そんなに甘すぎないし、なによりもうこれしかない、と思い、 えいやーと決めました。”
その他、糸の色(インディゴ、金茶)、ペグを打つ場所、持ち手の長さ、重さ、そして、持った時のかわいさについても最終調整。 オンライン上で必ずメンバー全員に確認をして、 全員が心から欲しい!と思えるものを考え抜きました。
今日のまとめ
・予算を考慮しながらも、自分たちが心から欲しいと思えるものができるまで諦めず妥協しなかった
・プロのアドバイスをいただき、セルビッチテープとベルトループの紐という、地域の技術を生かしたアイテムを活用することができた
最終的なデザインが確定したら、商品化するB反を具体的に選んでいきます。次のnoteでは、B反を選ぶうちに広がったバリエーションについてお話します。
こうしたプロセスを経て進んできた、わたしたちの1年間の歩み。2021年には、せとかわデニムプロジェクトSeason2がスタートします!
これまでに築いた繋がりや可能性を手に新たな一歩を踏み出した先で、今度はどんな景色と出会えるのか。期待に胸が高鳴ります!
プロジェクトの過程や最新情報はHPやSNSでおしらせしてまいります。新たなラインナップや、これを読んでくださっているあなたにも加わってほしい新企画を準備していますので、よければぜひチェックしてみてくださいね。
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