探偵、犯人変わるがわる
まずい、夜が明ける。
このままではこの殺人事件が警察の手にわたる。その前に、推理小説家であるアタシが事件を解かないと。
まずい、朝になる。
このままでは俺のやった殺しを警察が調べるだろう。その前に、推理小説家だが美人というだけでちっともトリックが面白くないこの女に、間違った推理をしてもらわないと。
それぞれの思惑がうずまくフロント。薪ストーブの日がメラメラと燃えている。
ふと、アタシはストーブの近くに焦げた紙切れを見つけた。
「!」
女が俺の仕込んだ偽のダイイングメッセージに気付く。
「……」
さぁ、夜明けまであと2時間だ。
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