あたまがよくなる薬のはなし
この記事を書いている2月下旬は国公立大学の2次試験の季節ですが 『アカデミックドーピング』という言葉をご存知でしょうか?
ひとことでいえば
あたまのよくなる薬『スマートドラッグ』を受験勉強で使うことです。
スマートドラッグ
スマートドラッグは人間の脳の能力を高めることができるという薬でアメリカで2010年頃から広がり始め、2019年2月時点ではアマゾンで購入することもできます。
しかし販売ルートの信頼性に問題がないとはいえず、以前バイアグラでもいろいろな騒動が起きたのは記憶に新しいところで偽物による薬害リスクなどを考えると安易に手を出すのはどうでしょうか?
ですが、この分野の薬は認知症治療など日本が現在直面している高齢化問題への福音になることは間違いないのですが、高齢化先進国であるにもかかわらず現在の日本の取り組みは海外に比べ遅れているといわざるを得ません。
労働時の認知機能の向上や脳の活力低下を防ぐサプリメントがあれば、労働災害や長距離ドライバーの交通事故を減らすといった効果も期待できます。
受験勉強にスマートドラッグは有効か?
私は未成年の方が受験勉強のためにスマートドラッグを使用することには反対です。
自然の摂理に逆らえば必ずデメリットが生じるのではないかと思うのです。
たとえばカフェインには覚醒作用がありますが、睡眠障害、記憶力の低下といったデメリットもあります。
十分な睡眠時間を確保しカフェインに頼らない生活をしている子の方が成績が良いデータがあることからもカフェインの悪影響が垣間見えます。
スマートドラッグは学習効果だけでなく、子供の成長の面からも研究が行われる必要があると思われますが現時点で十分に検証がなされているとはいえません。
それに心身の発育段階においては、自発的に努力して考え覚えることでしか身につかない能力があるように思えてなりません。
受験勉強の為にスマートドラッグを使用するのは子供達のためにではなく、いい大学に入れたい、他の子どもとの競争に勝たせたいという周囲の希望でしかないように思えてしまうのです。
では子供たちのためにできる有用なことは何でしょうか?
ビタミンCの役割
ビタミンCが欠乏すると脳のストレス耐性を低下させ、身体の老化が進行することが判っています。
しかしビタミンCは一時に大量摂取しても脂肪のように体内に貯蓄できないため毎日継続して摂取する必要があります。
ビタミンCを摂取できないネズミがどうなるか?
マウスによる実験ではビタミンCを適切に摂取させたマウスと摂取できなくしたマウスの寿命にはなんと4倍もの差が生じ、ビタミンCを摂取できなかったマウスの主な死因は老衰だったそうです。
ビタミンCが生命維持活動に重要な役割をもつ事が実験結果から判ります。
突然スマートドラッグの話からビタミンCの話になって驚かれた方もいらっしゃると思いますが、スマートドラッグのようなまだよく解らないものより心身の機能を最適に保つために必要な栄養をちゃんととることの方が大切だと思うのです。
日々勉学で脳にストレス(負荷)をかけている受験生にビタミンCは大切な栄養素です。
人間はビタミンCを毎日100mg摂取することが推奨されています。
子供たちが毎日必要量のビタミンCを摂取できることが望ましいのですが、新鮮な野菜や果物の食事を毎食準備することが難しいご家庭も多いのではないでしょうか?
ビタミンCを多く含む食材
ビタミンCを多く含む野菜に
ゴーヤ、ピーマン、芽キャベツ、柿、キウイフルーツ
などがあります。
しかし1日の必要量100mgを摂取するためには、上記の食品を150g以上食べる必要があります。
加えて調理で火を通すとビタミンCは大幅に減少します。
現実的に毎日100mgのビタミンCを摂取するのは難しいですよね。
ビタミンCサプリメント
人類は大航海時代からビタミンCのサプリメントの研究を行っています。
大航海時代には長い航海の途中で多くの船員がビタミンC欠乏症(壊血病)で死亡しています。
その頃の人達はビタミンCの存在を知りませんでした。
しかし経験から柑橘類を摂取することで壊血病を予防できることを知っていたので、柑橘類でつくったオレンジジュースなどの保存食を開発しようとしましたが、長期保存のたのに加熱殺菌処理を行っていたためビタミンCが失われ効果がなかったそうです。
サプリメントでビタミンCを手軽に摂取できるようになった現在、サプリメントを活用しない手はないと思います。
一日10円ほどの値段で一日に必要なビタミンCをサプリメントで取ることができます。
脳を活動させるにはエネルギー源となる糖分や糖分をエネルギーに変えるビタミンBも必要ですから、ビタミンCだけでなく規則正しいバランスのとれた食事で各種栄養素を摂取することが受験生には必要ではないでしょうか