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3万人の不調に向き合う整体指導士。まずは「背骨」と「骨盤」を整えることが心のしんどさを解消する近道。

本好きライター瀬田かおるが、あなたにオススメしたい本をご紹介。


心がしんどいとき、あなたはどうしますか?

「なんだかやる気がでない」「心がモヤモヤしてしんどい」なんてとき、あなたならどうしますか?

どんなに元気に見える人でも、これまでに一度も悩んだり、落ち込んだりしたことがないという人はいないでしょう。

では、悩んだり落ち込んだりしたとき、どんなことをして乗り越えてきましたか?

信頼のおける友人や家族に相談する人もいるでしょうし、人に相談する前に本に助けを求めるという人もいるかもしれません。

そんなあなたの本棚を一度眺めてみてください。似たようなメンタル本が何冊も並んでいませんか?

藁にもすがる思いでメンタル本を読み、救われることもあるでしょう。しかしまた同じようなことに悩み、メンタル本を買い求めてしまう。そんなことを繰り返してきたという人もいるかもしれません。

もちろん本に救われることはありますし、私もそうでした。疲れた心をなんとか元気にしようと色々試してみます。しかしまた同じような状況になると気持ちが沈み、しんどくなってしまう。それはどうしてだと思いますか?

それはアプローチする順番が違うからです。しんどいからといって「心」にアプローチするのではなく、「体」にアプローチするのが先だと言っているのが、今回ご紹介する『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』の著者、いちい葉子さんです。

「体は正直なので、手をかけたぶんだけ必ず応えてくれる」と、いちいさんは言います。そうして体が変わる実感を積み重ねることで、いつの間にか心が変わるのだと。

「体が変われば心も変わる」

「はじめに」P9より

では体にアプローチするとはなんでしょう。
それは、「背骨」と「骨盤」を整えることです。そのふたつが整えば、内臓に良い影響を与えることになり、「心」を整えることに繋がると。

「自分の体は、自分で変えることができます。そして、自分の体を変えることで、自分の心も変えることができます。むしろ、あなたの体も心も、あなたにしか変えることができません」

「はじめに」P13

そんなメッセージを伝えてくれる『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』。読了したわたしの視点から、特にオススメの箇所と感想をまとめました。最後までお読みいただけると嬉しいです。

本と著者について

『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』
著者:いちい葉子
出版社:アスコム

書籍情報

著者のいちい葉子さんは代々木上原に教室をもつ整体指導士。これまでに、のべ3万人の心身の不調と向き合い、その指導は体だけでなく心まで元気になると口コミで広がり、教室は予約が取れない状態が10年以上も続いているほど。

そんないちいさんですが、整体師になるのが夢だったわけではありません。実はご自身も心と体のバランスを大きく崩した出来事がありました。

きっかけは、お母さまの死でした。健康診断は毎年受け、結果は良好。とても行動的な方だっただけに、いちいさんはお母さまの死を受け入れることができませんでした。そんな自分に気づくことができず心のバランスを崩し、やがてご自身にも体の不調が出てきます。若年性緑内障でした。

ところが、整体に精通した漢方の先生に首の不調を指摘され、施術を受けると翌日、目がよく見えるようになったそうです。このことがきっかけで整体を学ぶことになったのです。

こんな人に特にオススメ

✅悩みがあってもなかなか人に相談できない人
✅相談してもまた同じようなことでしんどくなる人
✅心が強いというより、しなやかな人でありたい
✅なかなか「つらい」と言葉にできない人

心がしんどくなる原因

心がしんどくなる人は「がんばり屋さん」であることが多いそうです。

「大変なのは私だけじゃないとSOSを言い出せない」人や、「疲れてもう作りたくないけど家族のために手の込んだ晩ご飯を作ってしまう」人など、自分の感情を後回しにしてがんばってしまう。

また、疲れているのにスマホに手が伸びSNSを見る。そこでは膨大な情報を目にすることができ、情報過多の状態に。また、SNSのなかの皆がキラキラしているように見えて、自分もがんばらなきゃと他人から良く見えるよう自分を演じてしまう。

そうやって他人軸で生きた結果、やがて心がしんどくなってしまうのです。

「株式会社わたし」

たとえば、熱っぽくてつらいのに仕事を休んでしまうと皆に迷惑をかけてしまうと無理をして出社する。仕事をしていれば忙しさに気が紛れてつらかったのも忘れてしまうでしょう。

しかし、あなたの体はダマされません。無理がたたって体は悲鳴を上げるでしょう。そうならないために、ちゃんと自分の体の声に耳を傾けることが大切なのです。

そこでいちいさんは、自分を「株式会社わたし」と考えてみてはと書いています。社員に指示を出すのが「株式会社わたし」であるあなたの「心」で、「体」はそれに従う社員です。

がんばり屋さんの会社ほど、社員(=体)は優秀なので疲れていても無理な指示にも従います。そんなことが続くと、やがて社員は立ち上がれないほど疲弊し、「株式会社わたし」(=心)は潰れてしまうのだと。

やはりせっかく起こした自分の会社は100年続けたいですよね。

なぜ体を整えるのが先なのか

人材を「人財」と書くこともあるように、そこで働く社員は財産です。社員を大切にする会社はどんな困難にも立ち向かえるでしょう。

社員の声を聴きフォローする。すると社員は元気に働くことができます。

いちいさんの言う「株式会社わたし」で考えると社員を大切にするとは、体を大切にするということです。つまり、「株式会社わたし」を持続可能にするにはまず、社員(=体)を大切にするのが先なのです。

「背骨」と「骨盤」を整え、心の健康につなぐ

心よりも体を整えるのが先であることが分かったところで、では、体を整えるとは具体的にどういうことでしょう。

いちいさんは、「背骨」と「骨盤」にアプローチすることが体から心を整えるためにはとても大切だと言っています。

特に、背骨が歪んでいると内臓が圧迫され自律神経が乱れるとは、いちいさんが本書で断言している「心と体はつながっている」ことが結びついたお話しでした。

「自律神経というのが体と心の調子のカギを握っている」
「自律神経を整えれば、体本来のすごい力が発揮できる」

第2章  P70より

歪みを知るタイプ診断

「背骨」と「骨盤」の歪みが体と心の健康に大きく影響することが分かりましたが、自分に歪みはあるのかどうか知りたいですよね。

そのあたりのフォローもバッチリです。
本書には心と体のつながりを実感できるよう「姿勢でわかる性格&行動パターン」と題したチェックリストがあります。

自分に当てはまるものにチェックし、ABCのどこが一番チェック数が多いかで「猫背さんタイプ」「前のめりさんタイプ」「理論派のねじれタイプ」に分かれます。

名前からも分かるとおり、体の状態についての質問に答えただけなのにそこから性格や行動まで読み取れるのです。やってみた私のタイプは「猫背さんタイプ」。当たっていてビックリしました。このことからも、体と心はつながっていることが実感できます。

とっても簡単「まくら体操」

体から心を整えるために大切な「背骨」と「骨盤」へのアプローチ。でもどうやってアプローチすればいいのでしょう。

本書では、いちいさんが考案した「まくら体操セラピー」が紹介されています。必要なのは、バスタオル3枚を重ねて丸めるだけでできる「簡易バスタオルまくら」のみ。

そのまくらを使ってする「首の体操」と「腰の体操」のやり方はとっても簡単! いちいさんも「寝てまくらを腰や首の下に置き、脚や頭をフリフリするだけ」のシンプルな体操だと書いているほどです。

おわりに

体と心がつながっていて、体を整えるのが先だということが分かりやすく書かれた『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』

書かれている文章から、「きっと、いちい葉子さんって素敵な方なんだろうな」と感じられる箇所がいくつかありました。

「体との対話が「自分軸」をつくる

第4章 P172

「背骨と骨盤を整えるとだんだんと、体の中に1本の軸ができたように感じ始める」と、いちいさんは書いています。

しっかりとした軸が体の中心に通り、他には力が入っておらず、しなやかに動けるからであり、それはまるで柳の木のようだと。

そして、体に軸が通っていると心の動きもしなやかになるのだそう。

自分の体に向き合い、自分の気持ちに正直になると「自分軸」ができ、思わぬ出来事が自分に起きても、強くしなやかに生きていけるようになると。

体を整えることは強くしなやかに生きることにつながると知ったからには、ジム通いも怠けちゃいけないと気が引き締まりました笑。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

なお、こちらの書籍は株式会社アスコム様よりご恵贈いただきました。ありがとうございました。


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