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面接官がするべき9つの質問

企業での面接官を担当する皆さまへ。
面接の場で面接官が聞くべき質問のリストを書いていきます。私の3,000人の面接経験から丹精込めて書きました。きっと役に立つと思います。有料の箇所もありますがよろしくお願いします。

私は、未上場ベンチャー企業、マザーズ上場企業、東証一部上場企業などで今までに3,000人くらいの面接を担当してきました。

その中で、「この質問を聞いてよかった!」と思えるものを共有します。

面接官にとって良い質問というのはこんな質問たちです。
・どんな回答が来るかいつもついついワクワクしてしまう質問
・相手の「人となり」が良く分かった質問
・うちの環境に合わない(合う)んだろうな、というのが想像つく質問
・優秀なのか?世渡りが上手いだけなのか?の区別がつく質問
・本気を出すタイプなのか?仕事ができる風に見えるのか?の区別がつく質問
です。
採用すべきかそうでないか、判断しやすい質問とも言えます。

また、後々聞くと候補者からの印象も良かった質問でもあります。

自分自身もPCやメモに入れて持ち歩いていましたが今では頭の中に叩き込まれています。

面接官の暗黙のルールとして「迷ったら次へ」というルールもありますよね。でも、決裁者という立場や最終面接を担当する面接官の暗黙のルールとして「迷ったら落とす」というルールもあります。

でも私は良質な質問リストを常に持っておくことで、そもそもの面接後の「迷い」が無くなりました。


もう少し私の自己紹介を続けます。

面接をしてきた3,000人の内訳はこうです。

新卒の学生たちは10年間で1,200人くらいです。
ハイシーズンで一日二人×五営業日×四週間×シーズン三ヶ月×10年度分担当しました。

転職希望者の面接は、かれこれ15年間で1,800人くらいです。
一ヶ月平均10人×12ヶ月×15年、という計算です。

数回ある面接のうち、どのステージの面接官を担当したかというと

新卒採用の面接は、いわゆる総合職を対象する面接官がほとんどで
前半ステージの面接官が2割:最終面接寸前が8割という具合でした。

新卒の面接では人事担当役員や社長が最終面接の面接官を担当することが多かったです。
私自身、社長という立場での仕事の経験もありますが、社長という立場での新卒面接は担当したことがありません。

中途採用の面接では
真ん中あたりのステップ8割:最終面接2割という具合です。
中途採用の職種では
法人向け営業職7割:企画やマーケ職2割:エンジニア1割 です。
決して多くはありませんが、財務経理やデザイナーの面接・採用も行ったことがあります。

私自身は人事部に籍を置いたことはなく、最多の経験で言うと「最終面接の1つ前の事業部サイドの幹部」という立ち位置での面接官でした。


さて。あらためて 「面接官として何を聞くか?」

とても大事です。
時流を読んだり、ブラッシュアップも必要です。「自己紹介を」とか「志望理由は?」も良いですけれどもそれらは事前に手元にある書面から行間も含めて読み取るスキルも持っていないと優秀な候補者から見下されます。

候補者が会社に抱く印象を作るのも、この面接です。
売り手市場なら面接官の話す内容や立ち振る舞いによる競合他社との差別化も必要になります。

欲しい人を採りたいのに面接官が見下されて他社に行かれては会社にとって機会ロスです。そういう勿体ない面接官を多々見てきました。

ここから少し話がそれます。
言葉遣いを含めてまだまだ未熟な面接官が多いことも事実です。
人事部の面接に同席することもありますが、人事部の人でもそうです。

私が、面接官として使うことが嫌いな言葉もあります。

例えば「志望動機」という言葉です。

間違っていると思うので、嫌いで使いません。

書類を読めば分かるし、そもそもこんな野暮なことをストレートに聞くことも嫌いなのですが、それに重ねて「動機」っていう単語はそもそもおかしいのです。

あえてストレートに聞きたいのなら「志望理由」という単語を使うようにしませんか?

「動機」って、誘因や衝動という意味合いが強いはずです。会社を選ぶ際に誘惑や思い付きで選びませんよね?小学校受験や中学校受験でも「志望動機」という単語は一部ではタブー視されているほどです。

ビジネスの面接シーンでも「志望理由」という表現を使うべきだと思います。

候補者のかたが視座高く日々を過ごして努力してきたとします。その人は実績も残し、他者にも役立つ知見と経験を持っている人物だとします。

今まで生きてきて、有意義な学生生活も過ごし、仕事を持ち、社会人をやってきて、「自分が知っている世界には〇〇のような課題があることを発見した。それを解決したい!」
「それを解決するために自分の知見もいかし、そして御社のドアをノックした!」
そんな人と出会えたのなら、しっかり話して採用したくありませんか?

こんな大志から足を運んでくれたかたに「動機」なんていう軽い単語は使うべきではないです。
本人としても動機なんていう単語で問いかけられたら違和感があるはずです。


さて、話を戻します。いよいよ本題です。

1時間でセットされた面接を想定しています。

スキル面のチェックは済んでいるとして、実際にこの人を採用すべきか否か?を判断するために役に立つ面接質問集をリストアップします。私が良く使う質問の中から9個を厳選しました。

注意:
「仕事だから面接官をやっています」みたいな人は見ないでください。
意味が無いです。そういう人は面接官のような他人の人生を預かるような重要な仕事は辞退すべきというのが私の持論ですから。

また、予め履歴書等の書類を読み込まずに面接官を担当するような人も見ないでください。
面接は「本気 vs 本気」でのみ実行されるものです。本気の面接官にだけ読んで欲しいです。

●まず、候補者の過去の決断やその背景から、仕事に対する姿勢を把握し、採用すべき人かを探る質問を3つ挙げます。

●次に、個人について少し突っ込む質問が2つ続きます。

●続けて、頭の良さ、勘所、視点の高さ等を見極める質問2つです。

●最後に、会社の将来を託せる人物かどうかを見極める質問2つです。

以降、出てくる「入社」という単語は「転職」や「入学」などの単語に適宜置き換えてもシーン別である程度使えるはずです。

【質問1】
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3年前にA社への入社をされていますね。
A社へのご入社は「何を成し遂げるための決断」でしたか?
その決断をするときに

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