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#14 学校教育情報化推進計画について

今回は、令和4年12月26日に文部科学省より出された「学校教育情報化推進計画」についてです。
気になった点についてのみ、かいつまんで記載しています。

今回からテキストマイニングを活用してみようと思い、試してみたのですが・・・。
官報の類というか、こういった内容にテキストマイニングを用いても有用性が低いようです。
一つの経験として、今回は以下に掲載します(図1)。

図1.学校教育情報化推進計画をテキストマイニングしたもの


Society 5.0

話を戻しまして、
本計画には、「Society 5.0」という言葉が初めに出てきます。

内閣府によると、Society 5.0とは人類の発展における次なるステップとも言うのか、

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

内閣府「Society 5.0」より


人類が狩猟や農耕、工業といった歴史を歩み、情報通信技術の発展がさらなる社会を構築することが眼前に迫っています(図2)。
メタバースであったり、現在も発展が著しいAIによって、Society 5.0に到達しているとも言えますが、10年後は更に発展した社会となっているかもしれません。
その中で生きていく人間を教育する意義や必要性は言うまでもありません。

図2.内閣府「Society5.0」


児童生徒の資質・能力について

端的に述べると、

・情報通信技術を活用し、問題解決やより良い生活に用いる力を育てたい
・情報通信技術を活用するための知識とリテラシーを育てたい
ということになります(図3)。

図3.児童生徒の資質能力

上記について、現場にいる身として感じるのは、学校の中だけで完結させるのは不可能です。
仮に学校内だけで実現させようとすると、校内にいる一部のICTの好きな教員や若手教員にしわ寄せがきて、過剰な負担となる事は目に見えています。


人材の確保について

前項で人材確保について軽く触れましたが、「学校情報化推進計画」の中では、ICT支援員の配置に関しての言及が多くされていました。

ただ、ICT支援員の配置が根本的な解決になる訳ではなく、それこそ「教員という業種以外からの」多様な知見が必要であると思われます。
そういう事も考えられているかはわかりませんが、「(2)教職員の ICT の活用指導力の向上と人材の確保」の「②人材の確保等(法第 18 条関係)」の中で、

・ICT を活用した学びを充実するため、その技術や活用に知見を有する ICT 支援員などの ICT 人材の確保を促進する。その際、企業や大学とも連携し、地方公共団体が ICT人材を確保しやすい仕組みを構築するとともに、地方公共団体の ICT 人材の確保や遠隔によるサポートも含めた活用の事例を収集して、全国に展開する。

文部科学省:学校情報化推進計画「(2)教職員の ICT の活用指導力の向上と人材の確保」

というように、学校外のリソースを活用することについて言及されています。

例えば、フリマアプリで有名なメルカリは、非常に様々な取り組みをしており、学校への出前授業依頼も受け付けています。
出前授業の一部を観たことがありますが、非常に現実的で、自分事において深く考える事のできる学習プログラムだと感じました。
同時に、これを学校内だけで行うのは非常に難しいとも思います。

メルカリに限らず、こういった企業や専門機関がもつリソースを活用する事が学校には必要なのだと思います。


ICTを活用するための環境整備

「(3)ICT を活用するための環境の整備」の中で最も気になった部分は、

・端末の持ち帰りを含め、家庭学習における ICT の活用体制を整備する。
(指針)
(中略)
✓ 同時双方向型のウェブ会議システムを活用したオンライン学習が実施可能な小中高等学校の割合:100%(2027 年度)

文部科学省:学校情報化推進計画「(3)ICT を活用するための環境の整備」


上記は、あくまでも家庭学習におけるICTの活用体制についての言及ですが、

・学校への教育相談を自宅からオンラインで実施できる体制とする。

・フリースクールとの連携で、在籍児童生徒に限定して学校が行っている授業をフリースクールにおいてもオンラインで送受信可能とする。

・上級学校や企業の体験や授業参加の一部を卒業単位に流用できるようにする(例えば、長期休業期間での実施)。

のような家庭と教育を、様々な形で繋げることも可能となるのではないかと思われます。

例えば、東京都荒川区ではビデオ通話によるオンライン教育相談が行われています。


学校の教職員のみが対応する形でなく、学校外の様々な人が入り、教育活動を構築していく事が現実的なのかとも感じます。

Society 5.0で述べられている世界って、「学校−子ども」というよりも「学校−社会−子ども」でなければ成り立たないと思われます。


原文について

その他の内容、原文について気になる方は以下にリンクを掲載しましたのでご覧ください。


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